尾原和啓氏のどこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルールの書評

自分を成長させるギブの「わらしべ長者」は、直接的な見返り(金銭)を求めないことがうまくいくコツです。直接的な見返りがなくても、もっと大きな見返り(経験、スキル、人望、ブランド)を手に入れることができるのです。(尾原和啓)


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自分の働き方を見直そう!

インターネットの普及やAI・ロボティックスなどテクノロジーの進化で、私たちの働き方は激変しています。人生100年時代を迎え、一つの会社のみで働き続けるのという常識も過去のものになりつつあります。副業も解禁され、私たちは自分の働き方を変えることを求められています。転職、起業、副業が当たり前になる未来を楽しむために、私たちはどうアクションを起こせばよいのでしょうか?

そんな難しい時代を生き抜くためのヒントを与えてくれるのが、今日ご紹介する尾原和啓氏のどこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルールです。著者の尾原氏は、Google、マッキンゼー、リクルート、楽天など12回の転職を重ね、現在は海外と日本を行き来しながら、自由に働くことを実践しています。彼のシンプルなノウハウ(ギブの精神)を身につければ、どんな職場で働いたとしても、周りから評価される人材になれます。そして、世界中のどこでも、好きな場所にいながら、気の合う人と巡り会って働けようになれるのです。

その前に、世界中の人々の働き方を変える「3つの大きな変化」を見ておきましょう。
変化1 社会やビジネスが 、いっそうインターネット化する
世界がインターネット化することで、個人の働き方は、多くの人や企業と対等(フラット)の関係でつながり(リンク)、知識や成果を分け合う(シェア)形に進みます。人々との関係を意識した働き方が求められます。

変化2 これから仕事で活躍できるのは、プロフェッショナルだけになる
インターネット化した社会やビジネスに適合し、「リンク」「フラット」「シェア」の働き方ができる人は、必然的に何らかの専門性をもったプロフェッショナルになります。プロフェッショナルの語源は、自分が何者であるか、何ができて何ができないかを、自分の責任で「プロフェス(公言)」することです。

自分で自分を律して成果を出し、それを相手にしっかり説明して、相手がそれを評価してくれること。この3つをおこなうことができれば、どんな職種であれ「プロ」と名乗ることができます。そして、ネットで自分の考え方ややったことをプロフェスしていくと、信頼がたまっていきます。そのようにして信頼される「プロ」になれば、「どこでも誰とでも」働くことができるのです。

私も2009年ぐらいからソーシャルメディアやiPhoneの情報発信を続けることで、本を書いたり、雑誌の連載を持てるようになりました。働き方を徐々に変えることで、3年前に独立でき、ワクワクな時間を過ごせるようになりました。

変化3 会社と個人の関係が根底から変わる働く人の多くがプロフェッショナルになれば、必然的に会社と個人の関係は変化します。
今後働き方はフラットになり、利益をシェアする関係が主流になるでしょう。既存のインターネットだけでなく、Al(人工知能)やブロックチエーンなどのテクノロジーが働き方をあっという間に変えてしまいます。また、多くの人が100歳まで生きるようになれば、定年を前提とした働き方も変わるはずです。

私たちは3つの変化を受け入れ、どこででも誰とでも働けるように自分の思考と行動をシフトすべきです。そのために何をすればよいのでしょうか?

まずはギブすることから始めよう!

他の人から必要な情報をシェアしてもらうには、まず自分からシェアする姿勢が欠かせません。先に相手にギブするから、見返りをもらえる(テイク)のであって、何でも「くれくれ」とねだってばかりの人や、何かしてもらったのに何も返さない人に対しては、誰も自分の知識や成果をシェアしようとは思わないでしよう。ぼくは、「ギブ&テイク」ではなく、さらに一歩進めて、「ギブギブギブギブギブ&ギブ」でちょうどいいと思っています。

周りの人から自分を役立つ存在だと思ってもらうためには、積極的な情報発信を心がけるべきです。質の高いアウトプットを習慣化すると周りの人からフィードバックを受けられます。職場だけでなく、様々なコミュニティやネット上でギブの精神で役立つ情報を発信しましょう。見返りを求めずに、自分のもっているノウハウやスキルを提供することで、情報が集まるようになります。そこから新たな出会いが生まれ、新しいプロジェクトが始まることもあります。ご縁をつなげ、どんどん役立つ情報をギブすると加速度的によいことが起こるようになるのです。

新しく仕入れた経験からさらに別の価値を提供して、次の経験につなげていく。ギブし続ければ、どんどん自分のスキルや経験値が上がります。自分からギブすることは、いつの時代も最強の戦略であり続けるでしょう。

私はこの書評ブログやコミュニティで情報発信することで、よいことを引き寄せてきたので、この尾原氏の考え方にとても共感を覚えました。

一人でコツコツやるのではなく、周りの人の力を借りるオープン戦略のほうがはるかに効果があります。ネットを活用し、世界中の人をどんどん巻きこんで、スピーディに目標を達成していきましょう。自分のもつ知識をオープンにする(旗を立てる)ことがパーソナルブランディングにつながり、情報発信を続けることで、人から信頼されるようになります、最初のうちは反応が少ないかもしれませんが、あきらめずに情報発信を続けましょう。アウトプットをやめなければ、半年もすれば多くのフィードバックを得られるようになり、ここからチャンスが広がります。旗を立てたところには、それに関心がある人たちや情報がどんどん集まってくるルールを信じて、あきらめずに情報発信を続けるのです。本書の尾原氏のアドバイスはとても刺激的で役立つことが多いので、今後も何回かに分けてブログを書こうと思います。

まとめ

自分の知識やノウハウを隠さず、オープンにし、相手のためになることをギブしましょう。情報発信を続けるうちに、新たな出会いをデザインできます。ギブの精神を持って、貢献することを続ければ、自分の価値を高められます。これを繰り返すことで「どこでも誰とでも」働けるようになり、面白いことを引き寄せられるようになるのです。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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