テレビを見るのをやめて、外国語を学んだ方がよい理由。

レジャーのなかで脳機能低下に結びついた唯一の活動は、テレビを観ることだった。たとえば、55歳以上の5000人以上を対象に、5年にわたって行なわれた追跡調査がある。この調査では、テレビばかり観ていた被験者の一部が、年が経つにつれて認知障害(1年につき2.3%の率)を起こしていった。モノポリーゲームや読書は認知障害のリスクを減らすが、対照的に、テレビを観ることはリスクを増やすことにつながるのだ。(アルバロ・フェルナンデスとエルコノン・ゴールドバーグ)


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脳のためにテレビをやめて、外国語を学ぼう!

テレビを見ることは受動的な行為で、脳のためにはよくないことが明らかになっています。そればかりか認知障害になる確率が高くなると言うのです。テレビを見る時間を減らし、他のレジャーに時間を費やすことが脳のためによいのですから、自分の時間の使い方を変えてみましょう。では、どんなレジャーをすれば、脳は活性化するのでしょうか?

テレビ以外のレジャーを行うと、脳を活性化できそうです。特に、夢中になっているレジャーが、自分にとって斬新であるとよいようです。チャレンジ性が高いものであれば、より脳に効果があると言うのです。コロンビア大学のヤコブ・スターン博士の次の言葉を読めば、レジャーに時間を使いたくなるはずです。

興味深いことだが、その人の年齢、教育程度、職業がどうであろうと、レジャー活動へ参加する機会を増やすことが、認知的予備力に意義深くて累積的な効果をもたらす。重要なのは、異なるレジャー活動それぞれに独自の効果があるだけでなく、相乗的な効果を生む点だ。つまり、より多くのレジャー活動を、より早い時期に始めれば、認知的予備力がより増えるということだ。しかし、年を取り過ぎているからと躊躇する必要はない。なにもしないより、遅くからでもスタートを切ったほうがよいからだ。(ヤコブ・スターン)

外国語を学ぶことがとても効果があることがわかっています。知らない言語を学ぶことで、脳を刺激できるのです。例えば、バイリンガルになることで、有益な可塑的変化のきっかけを脳内に作れるようになります。エレン・ビアリストックが行った調査によると2種類以上の言語を話すと実行機能が高まり、認知力が低下するリスクが減ることが明らかになりました。アルツハイマー病になる可能性も下がるなど、言語を学ぶことで脳の老化を防げるのです。たとえば、認知症を抱える184人の被験者を調べた研究では、2か国語を話す人の半分(51%)は、1か国語しか話さない人と比べて、認知症の兆候が出る時期が4年遅くなることがわかりました。

では、なぜ、2か国語を話すと脳の機能を維持できるのでしょうか?バイリンガルはどちらの言語を使い、どちらの言語を抑制するかを選択する必要があり、この作業が前頭葉への恒常的なエクササイズになっているのです。額の裏にある前頭葉は、注目する対象に焦点を合わせ、障害物に邪魔されないようにし、意思決定を行なっています。実際、バイリンガルの人は、実行機能(前頭葉がつかさどっている)が求められる認知課題を速く、より効率的に処理できることが立証されているのです。

認知力に好ましい影響を及ぼすこと!

認知力に好ましい影響を及ぼしたのは、読書、友人や親戚を訪ねること、映画やレストランに行くこと、楽しみながら歩くこと、小旅行に行くことなどでした。手軽にできることが数多くあるということですね。レジャー活動を頻繁に行なっている群は、アルツハイマー病になるリスク(レジャー活動以外の要素を用いた対照群と比較している)が38%低下します。さらに、別のタイプのレジャー活動を加えていくと、ひとつ加えるごとに8%ずつリスクが低下していきます。

外国語を学ぶだけでなく、他のことでも脳を活性化できるとヤコブ・スターン博士は指摘します。本を読むことが認知力の低下を防いでくれると言う情報は読書好きの私にとっては、嬉しいニュースでした。ただし、似たような本ばかり選んでいては、効果は限定的です。読書のカテゴリーを広げて、自分に刺激を与え続けましょう。前回ブログに書きましたが、ミステリー小説を読むと脳の機能を高めることができます。

また、有酸素運動も認知力に大きな影響をもたらします。人と運動するとより効果が高まることもわかっています。仲間と散歩をしたり、グループで小旅行に行って、体を動かせば、人とのつながりを強化でき、脳の老化を遅くできます。認知的エクササイズと身体的エクササイズを組み合わせるのもよいでしょう。読書や外国語を学ぶなどの認知的エクササイズと運動などの身体的エクササイズの両方が私たちには必要なのです。歩きながら、読んだ本について語ることで、ニューロンのつながりが強化でき、脳がどんどん進化していきます。脳の可塑性はいくつになっても起こりますから、外国語や読書を習慣に取り入れましょう。

まとめ

テレビ以外のレジャーが私たちの脳を活性化してくれます。外国語、読書、散歩などが効果があります。新しいことにチャレンジして、脳に刺激を与えたり、仲間と本について語り合うことも効果があります。歩きながら議論をすることは、特に脳によいと言いますから、仲間を誘って散歩に出かけてみましょう。

参考図書 脳を最適化する ブレインフィットネス完全ガイド

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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