先生の言うには、アルコールをやめるということは、単に我慢し続けるとか、忍耐を一生続けるとかいう話ではない。酒をやめるためには、酒に関わっていた生活を意識的に組み替えること。それは決意とか忍耐の問題ではなくて、生活のプランニングを一からすべて組み替えるということで、それは知性のない人間にはできない、と。でも実際やってみるとそうでしたよ。だって、酒がない人生を一から設計し直す作業というのは、実際問題としてえらく人工的な営為じゃないですか。とにかく自然に振る舞っていると飲んじゃうわけです。(小田嶋隆)
アルコールをやめたければ、ライフプランを書き換えよう!
小田嶋隆氏の上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白を読了しました。コラムニストの小田嶋氏は 39歳の時に「40で酒乱、50で人格崩壊、60で死にますよ」と医者から宣告を受け、その後、20年間断酒を続けています。私もかつて筋金入りのアル中で、著者が医者に言われたこととほぼ同じことを44歳の時に指摘されました。「残念ながら10年後の徳本さんの生存確率は50%以下です」ここから、私の断酒プロジェクトはスタートします。著者と同じように酒のない生活を選択し、自分の人生を変えることにしました。
私のアル中時代の惨状はあまり人に話したくはありませんが、お酒を飲み続けると確実に人生は破綻します。朝起きられなくなり、人との約束を守れなくなり、仕事に悪影響を及ぼします。風邪をひいて薬を飲んでいるのに、ビールを飲んでしまうなどお酒を前にすると的確な判断ができなくなります。このような生活を続けていれば、やがて自分の体を蝕みます。全ての行動が酒中心になり、酒なしでは生きていけなくなるのです。旅行もコンサートも酒が目的になり、飲むことが生活の中心に置かれます。
12年前までの私は酒に人生を支配されていたのですが、医者にそれを指摘されるまで、その現実に気づけずにいたのです。医者の宣告を受けた私は、そこからライフプランを変えることにしました。自分の人生から酒を遠ざけ、2度と飲まないことを決めたのです。習慣飲酒を断つために、家にある酒を全て流しに捨て、行く店、付き合う人を変えました。
環境を変えることから、私の断酒生活はスタートしました。酒がない人生を1から設計し直すことで、飲酒という悪い習慣にさよならできたのです。アル中は「目の前に酒がある」から飲んでしまうのですから、酒を自分の人生から追い出すと決めればよいのです。
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何かに依存するということ
電車の中でみんながスマホを見ているのを見てもわかるように、われわれは、何があるわけじゃないんだけど、ちょっとした細かい空き時間に見る先がないと落ち着かないという段階に到達しています。
スマホが生活の一部になることで、多くの現代人が手のひらの小さなギアに依存しています。スマホがなかった時代は、電車の乗客の多くは、ぼんやり窓の外の景色を眺めたり、あるいは黙って考え事をしていました。しかし、今は余暇時間をスマホに吸い取られています。
私たちが依存している対象はスマホというハードではなく、他者とのコミュニケーションだという点であることを忘れてはいけません。アル中がお酒に大事な時間を吸い取られているように、多くの人は他者とのコミュニケーションに依存しています。現代人はスマホを手放さないことで、自分の大切な人生を他者に支配されているのです。
自分の時間をすべて情報収集に費やしてしまう過ごし方は、これは、実のところ、アイデンティティの危機なんです。なぜなら、情報収集している間、人は頭を使わないからです。というよりも、スマホを眺めている人間は、自発的な思索をやめてしまっているわけで、外部に情報を求めるということは、自分の頭で考えないことそのものだからです。
PCやスマホに依存すると人は自分の頭で考えなくなります。ソーシャルメディアや検索を続けることで、人は自分の脳を使わなくなり、思考を退化させているのです。
お酒でもコミュニケーションでも何かに依存するということは、自分自身からの逃避に繋がります。自分との対話を避けるために、確かに私は酒を飲んでいたのかもしれません。自分の時間を大切にするためには、何かに頼るのをやめたほうがよさそうです。
まとめ
アル中から抜け出すためには、自分のライフプランを書き直す必要があります。酒を生活から追い出すことを決め、アルコールに関係するもの全てから距離を置かなければなりません。何かに依存しないことを選択することで、人は自分らしく生きられるようになります。
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