グラント・サバティエのFIRE 最速で経済的自立を実現する方法の書評


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FIRE 最速で経済的自立を実現する方法
著者:グラント・サバティエ
出版社:朝日新聞出版

本書の要約

老後資金2000万円問題が話題になる日本、一方アメリカでは早期リタイアをするFireムーブメントが話題になっています。まずは、自分の生きたい人生を明確にし、過去の常識を疑うことが重要です。副業や起業を組み合わせて、収入と投資を最大化することで、短期間でリタイアでき、自由を手に入れられます。

収入と投資を最大化しよう!

収入のうち最初は25%、それから40%、最後には80%を貯蓄に回し、資金を増やすために株式市場で運用した。そうした生活を経験していく中で、私は収入と貯蓄を最大化しつつ、その経過を大いに楽しめるようライフスタイルを最適化する手法を編み出した。(グラント・サバティエ)

残高が2.26ドルしかなかった著者は自分の人生を見直し、早期にリタイアをすることを決め、その方法を研究し、収入と投資を最大化しました。その結果、5年後の2015年には、著者の純資産は100万ドルを超え、自由を手に入れました。

お金にまつわる一般的なアドバイスをすべて疑いながら、資産管理とアントレプレナーシップと投資、これら3つを組み合わせることで、自分の時間の価値の最大化を図り、成功したのです。

私が自らの経験を通して学んだ最大の教訓のひとつは、お金や仕事、リタイアに関する「従来の考え方」の大半は間違っているか、不完全、もしくは時代遅れだということだ。両親や祖父母の世代がやってきたという理由で、我々もその「現実社会」のやり方を受け入れてきたが、そんなものはもはや通用しない。ひょっとして30~40年後にリタイアしたいのであれば別だが。世の中は変わった。

60歳を過ぎた後でリタイアをするための情報を鵜呑みにするのではなく、給与だけに頼る生活をやめるのです。節約をよりも、副業や起業で、ポケットの数を増やしましょう。稼いだお金を株式に投資し、資産を最大化することを考えるのです。株式投資を早く始めれば、始めるほど、未来の働く時間を少なくできます。

経済的自由のための7つのステップ

経済的な自由を手に入れるための7つのステップを著者は紹介します。

レベル1:明確化。自分の現状と行き先を把握したとき。
レベル2:自給自足。自分の支出を自分の収入で賄えたとき。
レベル3:一息つける余裕。その日暮らしの生活から脱したとき。
レベル4:安定。6カ月分の生活費を貯め、クレジッドカードの借金など悪質な借金を返済したとき。
レベル5:柔軟。少なくとも2年分の生活費を投資したとき。
レベル6:経済的自立。投資からの収入だけでいつまでも暮らせるようになり、働くことが選択肢になるとき。
レベル7:あり余る富。自分が必要とする以上のお金を手にしたとき。

経済的自由のそれぞれの段階に到達するごとに、人は自立できるようになります。お金を貯めることで、人生をコントロールできると感じる力も高まります。また、資産を持つことで、不安が消え、お金のストレスも軽減されるのです。

資産を築くことで、自分の可能性も広げられます。自分の選択肢を増やせ、人生をよりエンジョイできるようになります。嫌な仕事をしなくてもよくなり、好きな仕事のみで生計を立てられるようになります。資産を持つことで、より大きなリスクも取れます。お金は心配するものではなくなり、機会をもたらすものになります。

著者はアメリカ人の現実を明らかにします。調査によると、55歳以上の米国人の48%がリタイアした後に何をしたいのか考えていないことがわかりました。多くのアメリカ人は自分の人生設計を考えずに、ただただ働くという選択をしているのです。

時間を無駄にしてはならない。舵を握っているのはあなただ。それはあなたの時間だということを肝に銘じていてほしい。より多くのお金を稼ぎ、そのお金を最大限活用する機会をうまく利用すれば、ずっと多くの資金を貯めることが可能だ。それに応じて、もっと多くの時間を節約できる。きょうあなたが投資した1ドルは、将来のあなたの数時間(数日とは言わないまでも)の自由の価値を有するのだ。きょう投資すればするほど、将来より多くの時間があなたのものになる。より早く始めて、より多く貯蓄すれば、より早く経済的自立に到達できる。

経済的自由にいち早く到達するための鍵は、より多くのお金を、より早く、より頻繁に稼いで投資することが重要です。極端な話、アメリカのFireムーブメントの実践者たちは、30代で早期リタイアするために、驚くことに年収の80%を投資に回しています。

亡くなるときにやりたいことをやっておけばよかったと後悔しないために、自分のライフプランを作り、時間とお金を大事にすることを意識しましょう。また、世の常識を疑い、欠乏、節減、節約に重点を置くのではなく、もっと稼ぐことにフォーカスすべきです。

日々の習慣でお金持ちになれるかどうかは決まる。お金の管理があなたの日々のルーティンの一環になれば、感情をコントロールし、リスクを評価し、リスクと気楽に付き合い、お金に関してより良い決断をすることがずっと楽になる。新たな習慣を身につけるのは時間がかかるかもしれないが、生涯に与える影響は大きい。

早期リタイアするためには、3つの基礎となる変数(私はてこと呼びたい)をコントロールすべきです。
1、収入 あなたがいくら稼いでいるか
2、貯蓄 あなたがいくら貯蓄/投資しているか
3、支出 あなたがいくら使っているか

いち早く富を築くためには、3つのてこすべての潜在力を最大限発揮する必要があります。収入を増やしながら同時に支出を減らすことによって、より多くのお金を貯蓄/投資に使えます。そうすることで、結果、貯蓄率も上がっていくのです。

経済的自由にいち早くたどり着くためには、収入を増やす方が支出を切り詰めるよりも影響力が大きいと著者は言います。支出を切り詰めるには限度がありますが、収入を増やすことでより多くの資金をより頻繁に投資に回せ、複利のペースと資金の増加を加速させることができるからです。できるだけ早いうちに株式投資に稼いだお金を回すようにしましょう。今日のわずかな投資が、未来のあなたの人生を明るくしてくれます。

年収が低いから、貯蓄は無理だとあきらめるのはやめるべきです。副業を組み合わせ、お金をたくさん稼ぐというエンタープライズ・マインドを身につけ、収入を増やすのです。環境の変化、ITの発達で以前より副業をしやすくなっています。先延ばしをするのをやめ、副業、起業、投資を組み合わせ、収入の最大化を目指しましょう。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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