塩野七生氏の男たちへ フツウの男をフツウでない男にするための54章の書評

有名大学の競争率の高い学部を卒業して、一流企業や官庁や大学に勤めている人が、頭の良い男とイコールにならないという例も、しばしば起こるのである。日本では、教育はあっても教養のない男(これは女でも同じだが)は、まったくはいて捨てるほど多い。(塩野七生)


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教育はあっても、教養のない男にはなりたくない?

安倍総理の桜を見る会が炎上していますが、官僚の忖度答弁が聞くに絶えない状況に陥っています。彼らは高等教育を受けてきたにも関わらず、教養がなく、国民のために仕事をしていません。この事件の最中、塩野七生氏の男たちへ フツウの男をフツウでない男にするための54章を再読し、男の教養について考えてみることにしました。

塩野氏は「頭の良い男」とは、なにごとも自らの頭で考え、的確な判断をくだす人だと言います。今の官僚は完全に総理しか見ておらず、本来仕えるべきはずの国民を無視しています。総理を守るために、無理な答弁を重ね、墓穴を掘っています。彼らは官僚の「哲学」を失い、奉仕すべき対象を間違えています。国民のために自分が存在すると考える与党の政治家や官僚がいれば、国会は迷走せず、本来の形を取り戻せるはずです。

ものごとに対処する「姿勢(スタイル)」を持っているかいないかが、頭の良さを左右しますが、これが持たない官僚たちが日本をダメにしています。常識や国民の視点を失った政治家や官僚を放置すると、やがては日本も香港のように自由を失う恐れがあります。教育を受けた人たちの裏切り行為が続く日本に未来はあるのでしょうか?

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国家をこれ以上劣化させないために、私たちにできること

なにか自分の心中に実現したいことがあり、それをするのに権力が必要ならば、これもかまわない。灰色だろうがクロだろうが、権力者を利用するのならばかまわない。だが、利用されて自己満足しているのは、ただ単に、見苦しい振舞いにすぎないのである。

官僚になった頃は、彼らも日本という国家をよくしたいというビジョンがあったはずです。しかし、本来の役目を忘れた官僚は、ただただ政治家を庇うことに注力します。自分の出世のために、子供でもわかる嘘をつく姿はとても見苦しく、官僚への信頼を失います。

以前の官僚は国家をよくするために政治家を利用していましたが、今の官僚にはその気概すらありません。東京大学を出た優秀な官僚が繰り返す酷い答弁を聞くたびに、悲しい気持ちになります。総理を守るために、自らのルールを破り、証拠隠滅をする彼らの行動は、他国であれば犯罪行為です。無法地帯となった霞ヶ関の住人たちは、もはやエリートでもなく、教養人でもありません。

ガバナンスを失った政府や官僚組織はもはや信頼できず、日本の状況は危険水域を超えていると考えるのは私だけでしょうか?破棄・隠ぺい状態が当たり前になれば、いずれ社会にこの体質が蔓延します。首相が態度を変えることが一番の早道ですが、それも期待薄です。

メディアの報道も甘く、検察も頼りにならない中、私たちにできることは次の選挙で投票を行うことだけです。投票率を高くし、現政権にノーをつきつけなければ、嘘が当たり前の国になります。子供達に悪影響を与える政治家や官僚の嘘をなくさなければ、日本の未来は暗いと言わざるを得ません。今こそ教養のある大人が声をあげ、子供達の未来を守る必要があります。ダメなものはダメという姿勢を示すことが、日本に住む大人の務めだと思います。

まとめ

高等教育を受けた官僚たちの劣化が進んでいます。ものごとに対処する「姿勢(スタイル)」を持っているかいないかが、頭の良さを左右しますが、彼らは判断能力を失い、自分の知識を世の中のために使っていません。官僚と政治家が変わらないなら、選挙で私たちが行動を起こすしかありません。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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