恐怖を取り除くシンプルな方法


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シリコンバレー式超ライフハック
著者:デイヴ・アスプリー
出版社:ダイヤモンド社

本書の要約

時間、愛着、期待の3つが全て揃った時に恐怖心が巻き起こります。本能は「恐れることで生き残れる」と考えていますから、恐れの原因を明らかにしましょう。時間、愛着、期待の3つの対策を講ずれば、恐怖心をなくせます。いまここに集中し、感謝の気持ちを待ちましょう。

恐れの3つの要因をまずは理解しよう!

恐れは3つの要因から生まれる。(ラヴィ・メーター)

デイヴ・アスプリーシリコンバレー式超ライフハック書評を続けます。人は恐怖感に取り憑かれ、自ら行動できなくなることがあります。長い歴史の中で、人は様々なトラブルに見舞われてきました。私たちの祖先は虎に喰われたり、部族から追い出されるなどのリスクを抱えていたのです。これらのことはどれも現実的ではありませんが、失敗への恐れが、私たちの神経システムの反射的な部分に残っているのです。

では、恐れとは何なのでしょうか?起業家である作曲家でもあるラヴィ・メーターは、時間、愛着、期待の3つの要因が恐れを生み出していると言います。
■時間・・・「不確かな未来」への不安
恐れは通常、「もし~したら」という問いのかたちでやってきます。もしライオンが襲ってきたら?もし僕が死んだら?という問いかけが、人を「いまここ」から連れ去ります。恐怖は現に起こっていることではなく、未来に起こるかもしれないことに基づいているのです。恐れを招き入れたら、「いまここ」にいられなくります。しかし、完全に「いまここ」にいれば、恐れが入り込む余地はなくなり、平穏な気持ちを保てるようになります。

■愛着・・・「固定した愛着」によるストレス
ラヴェは、愛着には2つのタイプがあると言います。
1、固定した愛着
あなたと愛着の対象をがっちり結合し、ストレスを生じさせます。
2、引力(グラビティ)による愛着
引力による愛着は、あなたと対象である他者や物とを安定的につなぎますが、固定的愛着よりも柔軟です。たとえば、だれかに固定的愛着を抱くと、ついつい相手を支配しようと執着てしまいます。しかし、引力的愛着の場合は、つながりに自信を持て、自分に集中でき、良き相手でいることができます。引力があなたのまわりに正しい出来事を引き寄せ、誤った出来事を遠ざけてくれるのです。相手を気にするのをやめ、自分にフォーカスを合わせることで、間違った選択をしなくなります。

■期待・・・「特定の結果」へのこだわりが落胆を生む
恐れの第3の柱は「期待」で、ラヴェはそれを「特定の結果への愛着」と定義しています。人は自分の努力に一定の結果を見たがる傾向があります。期待することは、どう転んでも不利な作戦です。期待どおりに達成しても、そうなると思っていたことが起こっただけだから特にうれしくもありません。逆に、期待どおりに達成できなければ落胆し、怒りや罪悪感、恥すらを感じることもあります。

ラヴェは期待をただの「好み」と考えるようにすべきだと言います。そうすれば、望みどおりの結果を達成できたら喜べますし、達成できなくても落胆することはありません。ほかの結果が出たとしても、それを受け入れられるようになります。

時間、愛着、期待の3つが全て揃った時に恐怖心が巻き起こるとラヴェは指摘します。時間、愛着、期待のうちの一つでも克服することができれば、恐れを感じなくなります。

恐怖感をなくしたければ、感謝を習慣化しよう!

感情の階層は、生き残ることを優先して、いつも人をネガティブな感情へと引きずり降ろそうとします。人は周りを用心深をうかがい、脅威から逃れる術を常に考えています。身体は人をだますために、感情の階層を設定して、つねに幸せではなく脅威を感じさせようにしています。原始時代ならば、恐怖を感じることで生き残れますが、現代においては、恐れは成長と創造性を妨げます。幸せになりたければ、恐れを感じないように、自分を支配しているプログラムをリセットする必要があります。

著者の禅を学ぶコースには、「ニューロフィードバック拡大リセット・プロセス」というものがあるそうです。本当は脅威でないものに無意識に反応するのをやめるプロセスをつくることで、ネガティブな情動が起きている状況を突き止められるようになります。

どんな状態になっても感謝できることを探し、ありがとうを口癖にするのです。どんなに些細なことでもいいから感謝の対象を見つけることで、恐れが止まります。感謝を習慣化することで、恐怖感を消せるのです。

赦しや感謝や共感を感じられる瞑想を通じて、恐れの対象と自分自身に向き合うことができる。最も重要なのは、頭に浮かぶ批判的な考えは、自分自身の考えではないと認識することだ。それは古代から引き継がれてきた生き残りの本能で、あなたが恐れ知らずになるのを防ぐために必死で働いているプログラムなのだ。本能は「恐れることで生き残れる」と考えている。それがわかれば罪の意識と恥の意識はなくなって、感情の階層を幸せの層まで上っていける。恐れなくてはならない唯一のものは、恐れ自体なのだ。

著者は恐怖感を撃退できると言います。まずは、恐れをもたらす「時間」「愛着」「期待」の3つの要因を理解しましょう。その上で以下の行動を習慣に取り入れるのです。
○気を散らすものを排除して、「いまここ」にとどまりましょう。
○恐れを手放す練習を毎晩の習慣にしましょう。寝る前に、感謝していることを3つ挙げ、そのあとで、今日、失敗したことを自問します。失敗とは「一生懸命やったけれど達成できなかったこと」だと決め、失敗した自分を褒めるようにするのです。この方法で子供を褒めると失敗を恐れなくなります
○日記を書く。ただ失敗したことを記すのでなく、こんなに頑張ったのだという証として記録します。リスクを取ったことを日記で祝福するのようにするのです。著者はこれを数回やるだけで、心が驚くほど軽くなると言います。
○毎日「ダメ」と言われるまで無茶なことを他者に頼みましょう。頼まれた人が必死であなたを助けようとすることがわかれば、周りのすばらしい人たちの存在に気付けます。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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