山口絵理子氏のThird Way(サードウェイ) 第3の道のつくり方の書評

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Third Way(サードウェイ) 第3の道のつくり方
著者:山口絵理子
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

本書の要約

相反する二軸をかけ合わせて新しい道を創造するサードウェイを選択することで、大きなビジョンを実現できるようになります。理想と情熱を長続きさせたければ、①ビジョンを大きくすること②定点観測をして、自分の立ち位置をハッキリさせること③プロセスの中で生まれた夢も追加する ことを意識しましょう。

サードウェイでイノベーションを起こす方法

AとBのいいところを組み合わせて、新しいものをつくる。そして、ときにAに寄ったり、Bに寄ったりしながらも、らせん階段をのぼるように上昇させていく。(山口絵理子)

マザーハウス代表取締役兼チーフデザイナーの山口絵理子氏は、相反する二軸をかけ合わせて新しい道を創造するサードウェイを選択することで、自分のビジョンを実現していきます。バングラデシュなど発展途上の5カ国から世界で通用する高級ブランドを生み出したのです。

彼女は 25歳で起業したときに「途上国から世界に通用するブランドをつくる」というビジョンを掲げます。「途上国」と「世界」、「途上国から」と「ブランドをつくる」、それぞれ相反する二つのものを組み合わせることはとても難しく、「中間地点を探る」だけでは不十分でした。

問題を解決するためにもがき、苦しむ中で見つけた最適解は「中間地点」ではなく、かけ離れたものを組み合わせることだと気付きます。異なる要素を掛け合わせることで、新しい価値を生み出せるようになります。二項対立を越えて、お互いの良さを掛け合わせる方法(=サードウェイ)を見つけることで、イノベーションを起こせるようになるのです。

ゴールと現在地の間に、「小分けしたゴール」を準備する。一つの「小分けしたゴール」を達成したら次を探す。設定して、達成を目指す。そうやって少しずつ進んでいく。

大きなビジョンを実現するためには、小さなゴールをいくつも設定すると言います。マザーハウスの一つ目の「小分けしたゴール」は、バングラデシュ国内で、もつとも品質と労働環境がすぐれた工場を目指すことでした。自社工場を動かすという小分けしたゴールを達成することで、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という大きくて、抽象的なビ ジョンが具体性を帯びてきます。

2番目の「小分けしたゴール」は、日本においてバッグメーカーとして代表格になること。3つ目の「小分けしたゴール」は、ネパール、インドネシア、スリランカの生産地を広げ、アジアのものづくりを変えていく存在になることでした。

こうしたいくつかの小さなゴールは少しずつ達成され、最近ではシンガポールのチャンギ空港に隣接した商業施設に直営店をオープンしたり、銀座の一等地に出店しています。マザーハウスが広げる地図は、小分けしたゴールを作ることで、確実に大きくなっているのです。 

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という マザーハウスのビジョンは非常に大きくて、やや抽象的です。 もし、ビジョンを「バングラデシュからバッグのブランドをつくる」という小さなものにしていたら、生産国は5つに広がらず、店舗もここまで拡大しなかったはずです。自分で決めたビジョンの範囲が、すべての行動を決めてしまいますから、ビジョンは出来るだけ大きくすべきです。

理想と情熱を長続きさせる3つのポイント

理想と情熱を長続きさせることは、とても難しいものですが、著者は次の3つのことを大事にしてきました。
①ビジョンを大きくすること
②定点観測をして、自分の立ち位置をハッキリさせること
③プロセスの中で生まれた夢も追加すること

ビジョンが大ければ大きいほど、共感する人が増え、巻き込み力も強まります。

ビジョンが行動を決めるなら、そのビジョンが数年後もずっと自分を引っ張るだけの広がりをもつかどうかがとても大事なのだ。 経営者が代わっても、デザイナーが代わっても、ビジョンしかない。もっともたくましい企業の財産だ。

本当の意味でサステナブルな企業とは、ビジョンがぶれない会社だと著者は言います。ビジョンに心から共鳴してくれる仲間たちは、どんな研修でも育むことが難しい「オーナーシップ(主体性)」を持っています。そして、個と個が影響し合うことで、よりよい結果を出せるようになります。

大きなビジョンを実現するためには、それを一緒に実現する「理想」な人を探すべきです。よい人に出会うまで出会いを求め、探し続けるようにすべきです。出会いとは、単純に確率論なのですから、理想のパートナーに会うまで、面接を諦めないようにしましょう。粘り強く行動を続けるうちに、自分と同じような理想を持っている人と、不思議と出会えるようになるのです。途上国では、特に理想の人を見つけることが重要だと言います。

人を探すことには、時間をかける。時間をかけることは、誰にとっても平等な手段だ。 そもそも”最高の出会い”なんてものは、そんなに簡単に起こるわけがない。出会えるまで出会い続ける人に、最高の出会いは降ってくるのだ。

よい仲間と小さなゴールを達成するうちに次々と新たな夢が現れます。自分の立ち位置を確認し、重要事項と優先順位を確認しながら、新たな夢も追加していきましょう。大きなビジョンは一人の力だけでは実現できません。仲間と共に行動を続けながら、小さなゴールを書き加え、それを実現することで、大きなビジョンを達成できるようになるのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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