吉田浩氏の日本村100人の仲間たち The HOPEの書評


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日本村100人の仲間たち The HOPE
著者:吉田浩
出版社:辰巳出版

本書の要約

極端に悲観的にならずに、マインドセットを変え、未来から現在を捉えるようにしましょう。未来から見れば、コロナウイルスもペストや黒死病などと同じ、過去の感染症でしかありません。私たち現代人は数多くの感染症から生き残った子孫であり、コロナウイルスに必ず勝利できるのです。

新型コロナウイルスに負けないマインドセットとは?

「今」をピンポイントで見ると、私たちは不幸のどん底にいます。しかし、50年、100年という長いスパンで俯瞰したら、「今」は別な意味を持っているのかもしれません。実際、多くの人たちは不況の波に飲み込まれていますが、中には、波に乗って大きく飛躍する人もいます。100年に一度のピンチではなく、100年に一度のチャンスかもしれないのです。世の中が不安なときに、一緒になってうろたえていたか、それとも、100年後に評価される仕事をしたか、今、それが試されているのです。(吉田浩)

吉田浩氏は日本村100人の仲間たち The HOPEで、コロナウイルスの実態を様々な統計データを活用しながら、童話という形でわかりやすく説明しています。本書の50の短いストーリーから、私たちは日本と世界で今起きていることとアフター・コロナ時代の生き方について学べます。私たちは必要以上に不安になるのをやめ、お互いを信頼し、助け合うことでこの危機を乗り越えられます。

新型コロナウイルスのマイナス面に目を向けるのをやめ、自分と仲間を信じ、正しく行動すれば、明るい未来を作れるというのが著者のメッセージです。実はこのメッセージは、先日、このブログで紹介した知の巨人のユヴァル・ノア・ハラリの提言と同じ内容になっています。(参考 ユヴァル・ノア・ハラリの緊急提言 パンデミックの書評

吉田氏は有名なスタンレー・ミルグラム教授の6次の隔たり仮説(スモールワールド実験)を引用し、コロナウイルスがあっという間に世界全体に広がることを私たちに教えてくれます。全ての人や物事は6ステップ以内でつながっていて、友達の友達を介して世界中の人々と間接的な知り合いになることができるというのが、6次の隔たり理論です。6次の隔たりでウイルスが広がると、多くの命がなくなるため、各国政府は国境を閉じ、一時的に経済を犠牲にしました。ウイルスの拡散を防ぐために、私たちは不要不急な移動をやめ、友人との食事をあきらめ、コロナウイルスとの戦いで勝利を目指しています。

私たち日本人は他の民族に比べて、心配遺伝子が多く、世界一の心配性であることがわかっています。

日本村の住民たちは100人中80人が心配遺伝子を持っています。欧米村の住民たちは100人中45人南アフリ力村の住民たちは100人中27人しか持っていません。

私たち日本人は今回のコロナ危機で必要以上に心配して、自分たちを不幸にしています。しかし、必要以上にウイルスを恐れ、経済活動を止めてしまうことで、感染以上の悲劇を巻き起こしてしまいます。

私たち現代人は数多くの感染症から生き残った子孫であり、コロナウイルスに勝利する知恵やテクノロジーを有しています。手洗いやうがいを徹底し、ソーシャルディスタンスを守れば、感染リスクを抑えられます。「自分は大丈夫」と考えるのではなく、科学を信じ、しっかりと感染対策を行うことで、経済活動を再開できます。

未来は今作られる!

私たちが団結し、断固たる態度で臨めば、困難は必ず乗り越えられます。忍耐は続きます。しかし、よき日々は再び訪れます。友だちとも家族とも、必ず再会できます。(エルザベス女王)

現在94歳になるイギリスのエリザベス女王は、国民向けにメッセージを送りましたが、仲間を信頼し、団結することで、危機を乗り越えられると言います。女王は世界恐慌、第2次世界大戦、スエズ戦争、北アイルランド紛争、フォークランド戦争とたくさんの困難な時代を生きてきました。これだけの危機を乗り越えた女王のメッセージは力強く、私たちに生きるエネルギーを与えてくれました。

今回のコロナウイルスによって、リアルでのコミュニケーションが減り、人との関係が変わってしまいました。しかし、大切な人と会えない経験を重ねることで、私は人との絆が重要であることに気づけました。仲間を信じ、団結することで、コロナウイルスとの戦いに勝利しましょう。

著者の吉田氏は、こんな時代だからこそ、笑いを忘れてはいけないと言います。私たちは笑いを通じて、人間だけが持っている感情「希望(HOPE)」を取り戻せます。“withコロナ時代”を生き抜くためには、人とのつながりが欠かせません。周りの人と明るく過ごせれば、良いアイデアも生まれてきます。私たちの祖先は今までに様々な苦難を乗り越え、生き残ってきました。現代の科学と仲間の力があれば、コロナ危機を乗り越えられるはずです。

吉田氏は未来から見れば、コロナウイルスを過去のものにできると述べています。未来から見れば、コロナウイルスもペストや黒死病などと同じ、過去の感染症でしかありません。

未来から見たら、コロナカゼは昔の話です。どんな苦しいことも、もう終わっています。私たちは、すでに苦しみを乗り越えています。 今を悲しむことはありません。明日を心配することはありません。 それよりも、もっと考えてほしいことがあります。今、あなたが「どう生きるか」が大事なのです。

新型コロナウイルスは私たちの生活に大きな影響を与えました。私は在宅勤務を続けながら、自分との対話を重ね、自己投資に時間を使いました。今回のコロナウイルスによって、自分のやりたいこと明確になり、そのための行動を起こせるようになりました。フェイクニュースがあふれ、私たちは不安になりがちですが、正しい情報を集め、自分で考え、行動することで未来を変えられます。私たちはどんな逆境に陥っても未来を選べます。今日の自分の思考と行動をポジティブにすることで、未来を明るくできるのです。

なお、本書は著者より献本いただいました。印税の10%は、全額を赤十字等の医療団体に寄付されるそうです。

書評家・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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