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独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法
著者:読書猿
出版社:ダイヤモンド社
本書の要約
先人の知識や知恵を活用することを巨人の肩の上に乗ると表現しますが、このメソッドを読書にも活用すべきです。一冊の書籍から文献をたぐりよせ、関連書を読むことで様々な著者と出会えます。多くの著者(巨人)を味方にし、彼らの肩に乗ることで、よりクリエイティブな存在になれます。
巨人の肩の上に乗ろう!
既に多くのことに取り組んできた先人がいるおかげで、我々は自分の知的営為をゼロから始めなくて済む。100年前、いやほんの数年前の人たちが望むべくもなかった進んだ地点から、我々は取り組むことができる。そう、こうした先人の知的貢献にアクセスすることさえできれば。古人はこのことを「巨人の肩の上に乗る」と表現した。(読書猿)
読書猿氏の独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法の中に「巨人の肩の上に乗る(Stand on the shoulders of giants)」と言うメソッドが紹介されています。これは先人(巨人)の積み重ねた発見に基づいて何かを発見することを指しますが、著者は無数の知的貢献による人類の知的遺産全体を巨人と捉え、学びに活かすべきだと言います。
学者・研究者の論文・著書を検索できるサービスであるGoogle Scholarのトップページにはこの「巨人の肩の上に立つ」と言うメッセージが表示されます。私たちは偉大な先人たちの業績や彼らが行った研究の数々を検索や書籍から簡単にたぐりよせることができるようになったのです。
偉大な先人が膨大な時間をかけて学び、蓄積した知識や知恵をたぐりよせることで、自分を一気に成長させられます。あのニュートンも先人の力を借りたおかげで、成果を出していたのです。
私が遥か彼方まで見通せたのだとしたら、それは巨人たちの肩に立っていたからだ。(アイザック・ニュートン)
我々は巨人の肩の上に立つ小人のようなものであり、それゆえに我々は昔より多くのものを、より遠くのものを見ることができる。(ベルナール・ド・シャルトル)
ニュートンの言葉として有名になった「巨人の肩の上に乗る」は、元々は12世紀のフランスのプラトン研究の中心人物であったベルナール・ド・シャルトルが発したものです。彼らは先人の力を信じ、その肩の上からものを見ていたのです。凡人の私たちこそ、彼らの姿勢を見習うべきです。そして、このメソッドを読書に活用すれば、自分をよりクリエイティブな存在に変えられます。
読書の幅を広げる「関連書籍読み」とは?
私たちは読書でもこのメソッドを使うべきです。先人の肩の上に乗るように書籍を読み、自分を成長させるのです。先人が書いた様々な文献をたぐりよせることで、私たちはより創造的になれます。この「文献たぐりよせ」は学術分野だけでなく、一般書でも使えると読者猿氏は指摘します。良質な一般書には、その書物が前提にし、依存する先行文献が、文献リストや注釈の形で示されています。
最近では新書も充実し、読書の手引書と言う役割を担っています。学びたい内容をより詳しく知りたい時に新書で紹介されている文献リストを使うことで、次に何を読めばよいかがわかります。リストからよい本をたぐりよせ、そこから読書の幅を広げるようにするのです。
読書猿氏は文献リストを充実させることが、その書物の価値を高めると言います。多くの著者が文献リストを掲載することは著者のためになるだけでなく、読者の知識欲を刺激します。文献リストを充実させれば、本がより売れるようになり、出版社に利益をもたらします。
当面我々にできることは、文献を参照している一般書を支持し、買い求め、先行文献の参照を明示する書物が増えるようにすることである。この方針は、独学者にとってはすぐさま別の利益ももたらす。よい書物を選ぶための、わかりやすい方針となるからである。私見では、詳しい文献注をつけることは、その書物の質を高め、その寿命を何倍にも長くする。なぜなら、多くの知的貢献をなしてきた先人たちがその書物の価値を支える援軍に加わるからだ。
私は翻訳本を中心にこのブログを書いていますが、本を読む際に文献リストを参照し、気になった本をすぐにアマゾンで買うようにしています。私はこの手法を「関連書籍読み」と読んでいますが、このメソッドによって、様々な著者と出会えるようになりました。読書の幅を広げたければ、著者が引用する言葉や書籍に注意を払いましょう。一冊の書籍を精読することで、多くの良書を見つけられます。「関連書籍読み」によって、自分の味方となる巨人を増やせます。
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