ASAP案件を減らし、退屈な時間を増やした方がよい理由。


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Google・YouTube・Twitterで働いた僕がまとめた ワークハック大全――仕事がサクサク終わってラクになれる科学的メソッド
著者:ブルース・デイズリー
出版社:ダイヤモンド社

本書の要約

忙しさによるストレス過多が人の創造性を奪うことがわかっています。ASAP案件を減らし、優先事項と重要事項を明らかにすることで、時間の使い方が変わります。何もしない退屈な時間があなたのストレスを減らすだけでなく、創造性を高めてくれます。 

ASAPと言う言葉に惑わされるな!

2011年にアメリカ人が1日に処理している情報の量は1986年の5倍だ。そのデータ量は新聞175紙分に相当する。仕事以外の余暇の時間にも、毎日34ギガバイトまたは10万ワードの情報を処理している。(ダニエル・J・レヴィティン)

テクノロジーが発達することで、私たち現代人は日々膨大な情報を受け取るようになりました。私が社会人になった頃に比べ、情報量は5倍以上になり、脳の疲れやストレスを感じるようになりました。やるべきタスクは増え、以前のように悠長にビジネスを行うことはできなくなっています。

メールやメッセンジャーに即レスをしないとあっという間にやることが溜まってしまいます。現代人はせっかちになり、いつも何かに追いかけられています。スマホやパソコンの普及により、本来リラックスする場である自宅で仕事をすることも当たり前になり、これが疲れに拍車をかけています。

せっかち病は深刻な症状だ。常に仕事から離れられないと考えている人の不安レベルが高いという調査結果が出ているのもそのためだ。イギリスでは、従業員が会社を休む理由の半分が、仕事上のストレスから生じた病気によるものだ。仕事の多さやプレッシャーは、僕たちを病気にしているのだ。(ブルース・デイズリー)

ブルース・デイズリーGoogle・YouTube・Twitterで働いた僕がまとめた ワークハック大全――仕事がサクサク終わってラクになれる科学的メソッドの中で、忙しく働いているからと言って、よい仕事ができるとは限らないと指摘します。

休みを取らずに働き続けることで、ビジネスパーソンの生産性が落ちることがわかっています。著者は「ASAP」(できるだけ早く)という仕事の世界でお馴染みの言葉が、人を不幸にしていると言います。目の前のタスクがASAPでないにも関わらず、この言葉によって緊急案件になることがあります。本当にそのタスクがASAPなのかを自問することで、急ぎのタスクを減らせます。

急ぐ必要があるものとそうでないものをうまく分別できるようになれば、自分の心を冷静に見つめられるようにもなるし、周りにも良い影響を与えられる。それは、良い労働環境をつくることへの貢献にもなる。じっくりと自分と向きあう時間や、あえて何もしない時間も必要だ。

本当に急がなければいけない案件はそれほどあるわけではありません。仕事を受ける時にいつまでにと言う納期を確認すること、様々なタスクとの優先順位を確認することで、今やるべきことが明確になります。あえて何もしない時間をつくることを意識し、ストレスをコントロールするようにしましょう。

心の平穏を取り戻そう!

人はストレスを感じると、注意の対象を素早く切り替えるようになることがわかっている。(グロリア・マーク)

毎日夜になると、スマートフォンで次々に画面を切り替えながらSNSやネットサーフィンなどをして過ごしている10代の若者を調査したところ、彼らの想像力や創造性が低下していたことがわかりました。テクノロジーに支配される時間を減らして、退屈な時間を持たないと、人はクリエイティブになれません。

英セントラルランカシャー大学のサンディ・マン博士は、現代人はデフォルトネットワークの力を活用すべきだと言います。

ぼんやりと考えごとをして、心をさまよわせていると、人の思考は意識を超えて、潜在意識に入り始める。それは、さまざまな結びつきを可能にし、極めて大きな価値をもたらす。(サンディ・マン)

ぼんやりと考えごとをして、心をさまよわせていると、人の思考は意識を超えて、潜在意識に入り始めます。退屈な時間が脳内のさまざまな情報を結びつけ、新たなアイデアをもたらしてくれます。デフォルトモードに入ることで、脳の中にある異なるアイデア同士が意外な形でつながり始めます。忙しく働くだけではよいアイデアは生まれませんから、ボーッとする退屈な時間を確保するようにしましょう。

著者は忙しく働くだけでなく、退屈な時間を持つべきだと言います。何もしない時間があなたのストレスを減らすだけでなく、創造性を高めてくれます。 
■スケジュール帳に空白があっても、それを無駄な時間とは見なさない。
最高のアイデアは、じっとして何もしていないときに、心が自由に動き回ることで浮かぶことが多いのです
■音楽を消して車を運転してみる。ラジオをつけずに風呂に入ってみる。スポティファイを聴かずに運動してみる。
情報を入れないことで、どんなアイデアが浮かんでくるかを確かめてみましょう。
■何もしない時間をつくってみる。
心の平穏や静寂を感じる瞬間はストレスレベルを下げ、創造性を高めてくれます。
■瞑想をしてみる。
瞑想をすることで自分との対話が進み、不安が和らぎます。

私は週に何回か、何もしない時間を作り、あえてスケジュールをブロックします。街を散歩したり、緑に触れる時間を増やし、心を落ち着かせるようにしています。朝時間に神社に寄ったり、寝る前に瞑想することを習慣にすることで、イライラを減らせるようになりました。退屈な時間を増やし、創造性を高めるようにしましょう。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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