サイモン・シネックのFIND YOUR WHY あなたとチームを強くするシンプルな方法の書評


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FIND YOUR WHY あなたとチームを強くするシンプルな方法
著者:サイモン・シネック、デイビッド・ミード、ピーター・ドッカー 
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

本書の要約

結果を残すリーダーの共通点は、なぜその事業を行っているかを明確にしていることです。人々は「何を」
売っているかではなく、「なぜ」売っているかに興味を持ち、それに共感を覚えます。経営者はWHYを明らかにし、それを伝える努力を行うべきです。

ゴールデンサークルとは何か?

仕事で毎日幸せを見つけるわけではありませんが、何か大きな力の一部になっていると感じることができれば、毎日の仕事に充実感を覚えることは可能です。(これこそが、報酬や地位という一般的な基準では成功していても満たされないと感じる理由です。充実感は、私たちの仕事がWHYと直接繋がったときに生じるのです)。(サイモン・シネック)

組織コンサルタントのサイモン・シネックは、自分のWHYを見つけたことにより、新たな情熱を抱けただけでなく、よりよい判断をするためのフィルターも得ることができました。そして、WHYとゴールデン・サークルというコンセプトを伝えることを自分のミッションにします。

2009年におこなったTEDトークにより、WHYはより多くの人に広まりました。本書FIND YOUR WHY あなたとチームを強くするシンプルな方法 は、この考えを広めるためのガイドブックになっています。サイモンと共著者が行ったWHYのつくり方を学ぶことで、企業をより強くできます。

私たちは仕事を達成した時に幸せを感じますが、より大きな目的に貢献していることに充実感を覚えます。幸せはWHATから生まれますが、充実感はWHYから生まれると著者たちは言いいます。仕事に対する不滅の情熱を感じたければ、誰もがWHYを知る必要があるのです。WHYを知ることで、私たちは充実した人生を送れるようになります。

著者のサイモン・シネックによると、人を動かす偉大な企業や人物というのは、「ゴールデンサークル」というシンプルなパターンに基づいて行動しています。下の図のようにサークルの中心にはWHYがあるのです。

ゴールデンサークルは3つの要素から成り立ちます。
WHATー売っている製品、提供するサービス、おこなう仕事のこと。
HOWーそれをどのように行うか?
WHYーなぜそれをやっているか?
この3つの中で、なぜを伝えられる人が少ないのが現状です。

実は、このWHYを語ることで、人間の感情に働きかけることができ、人を動かせるようになるのです。WHATではなく、WHYという存在意義を伝えることで、ものやサービスが売れるようになります。また、一人一人が自分のWHYを理解することで、充実した人生を送れるようになるのです。

いったん自分のWHYを理解すれば、何に充実感を感じることができるかを、よりはっきりと表現でき、自分の行動を促すものをより理解することができます。それができれば、その後おこなうすべてのことを判断する基準ができ、ビジネス、キャリア、人生のためにより意識的な選択ができるようになります。他人に、あなたの商品を買いたい、あなたと仕事がしたい、あなたのやっていることに加わりたいと思わせることが可能になります。

自分のWHYがわかれば、毎日それを生きる選択をすることができます。それを生きるというのは、自分が言ったことと一致した行動を常にとることです。WHYを明確にすることで、正しい行動を選択でき、よりよい結果を得られるようになります。

WHYがチームを強くする理由

私たちの行動は、他者が私たちに抱く信用や忠誠心を増すか、奪うかのどちらかです。言動が自分の信じるものと一致するとき、私たちは自分のWHYを思い切り生きているのです。あなたは、この生き方を選びますか?

私は仕事柄、経営者合宿を行うことが多いのですが、その際、サイモン・シネックが見つけた「WHY」を活用しています。優れたリーダーは、ゴールデンサークルの中から外に向かって考え、行動していますから、経営者のWHYを明らかにする必要があります。

経営者の人生や起業時からのストーリーを赤裸々に語ってもらうことで、彼らのビジョンやミッションを探ります。経営者の言動と行動が一致することで、組織がより強くなることを見つけてから、私は積極的に合宿を行うようになりました。経営者の本音を聞き出し、彼らのWHYを明らかにすることが、今では私の仕事の一部になっています。

本物のリーダーに共通するのは、WHATを考えるのではなく、WHYからスタートし、事業を組み立てていることです。そのWHYをつくるお手伝いをするうちに、経営者の顔はみるみる明るくなります。経営者のビジョンやミッションを深掘りすることで、本当にやるべきWHATも明確になっていきます。

また、WHYを定着させることで、企業をより強くできることもわかっています。

WHYを絶えず生かすには、私たちは毎日、意識的に、目標をもって、それを前面で、中心的に考え、伝え、それを生きることに全力を注ぐ必要があります。そうしないと、WHYは勢いを失い、消え、忘れ去られてしまうでしょう。組織でWHYが勢いを失うとき、私たちはこれを「乖離」と呼んでいます。

サウスウエスト航空はWHYから考え、行動することが当たり前になっています。同社の従業員は顧客とのよりよいコミュニケーションを心がけ、ビジネスを成長させています。著者の1人のピーターは、キャビンクルーに混じって、上級キャプテンが顧客の荷物を運ぶ姿を見て、WHYの素晴らしさを再確認します。

本書にはワークショップやファシリテーションのやり方が詳しく書かれています。起業家や2代目経営者が事業を継承する際に、WHYを考え、行動することで、自社をよりよくできます。

WHYを突き詰め、世の中に伝えることで、それに共感する人たちを集めることができます。WHYを語ることで、同じバスに乗るべき優秀な人たちを採用できるようになります。

人はWHATではなく、WHYに突き動かされているというルールを信じ、自分たちのWHYを明らかにしましょう。WHYを見つけることが、あなたとチームを強くする近道なのです。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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