リーダーは360度評価を行おう!

リーダーは、相手を選ばずに人の話に耳を傾けるべきです。リーダーは、情実や好き嫌いで話を聞く相手を選んではいけません。茶坊主やゴマすり上手な職員の話ばかり聞いたところで、上司に都合のいい話しか聞くことはできないでしょう。リーダーには、相性の悪い人、嫌いな人、厳しいことをいう人の意見にこそ耳を傾け、それを正面から受け止める姿勢が求められているのです。(出口治明)


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リーダーは360度評価を行おう!

出口治明氏の座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」 の書評を続けます。貞観2年に、唐の太宗(李世民)が臣下の魏徴に「どのような人物が明君で、どのような人物が暗君だと思うか?」と質問しました。日頃から太宗に対して諫言を行う魏徴は、以下のように答えます。

君主が明君と呼ばれるとしたら、その理由は、多くの人の意見を聞いて用いるからです。反対に暗君と呼ばれるとしたら、その理由は、一方の人のいうことだけを信じるからです。

なぜ、多くの人の意見を聞く必要があるのでしょうか?それは、見る人、見る角度によって、物事の見え方が変わるからです。 物事は見る角度によって、善にもなり、悪にもなります。したがって、物事を公平に、客観的に評価するためには、さまざまな視点からの意見を集める必要があります。

魏徴が太宗に伝えているのは、「360度評価」の大切さです。360度評価とは、複数の人が評価を行う評価方法です。評価者の評価の違いに着目することで、物事を的確に、立体的に捉えることができます。一部の人の言うことを鵜呑みにするのではなく、リーダーは厳しい部下の言葉を聞かなければなりません。

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リーダーの仕事はたくさんの情報を集め、的確な判断を行うこと!

リーダーの大事な仕事のひとつは、「事情がわからない中で右か左かの判断を迫られること」です。そのときのためにも、情報はたくさんあったほうがいい。

11世紀のセルジューク朝の最盛期の宰相として活躍したニザーム・アルムルクが著した政治論『統治の書』は、政治論の名著ですが、この中に、我慢の大切さを伝える秀逸なエピソードが紹介されています。7世紀に成立したウマイヤ朝の初代力リフ(ムハマンドンの代理人)だった、ムアーウィヤの話です。

ムアーウィヤが大臣を集めて閣議を開いている最中に、貧しい身なりをした若者が姿を見せ、ムアーウィヤに陳情します。若者は「私は独身です。そして、ムアーウィヤ様のお母様も独身だと聞きました。私とお母様が結婚すれば、独身者が2人消えて、ひと組のカップルが生まれます。そうすれば、アッラーはお喜びになると思うのです。そこで、ムアーウィヤ様に私とお母様の仲立ちをしてほしいと思い、ここに参りました」とカリフに話しかけたのです。

大臣の多くが「何をいい出すかー!」「早く追い出せー!」と憤慨する中、ムアーウィヤは、にっこり笑って頷き、若者に問いかけました。「ところで、なぜおまえは私の母を嫁にもらいたいのか。私の母はも う歯も抜けた老婆だ。どこに魅力があるのか?」

「ムアーウィヤ様のお母様は、お尻が大変大きいとうかがっています。私は、お尻が大きい女性が大好きなのです」「なるほど。私の死んだ父も、母の大きいお尻に目がくらんだのかもしれない。その結果として、私が生まれたのだろう。よろしい。おまえと母のあいだを取り持つのに、私ほどふさわしい者はいない。今度、母に聞いてみるとしよう。そして、母が良い返事をしたならば、おまえに連絡をしよう」

不躾な陳情にも表情を変えることなく、 最後までにこやかに耳を貸したムアーウィヤを見て、大臣たちは、「さすがに人の上に立つ方は違う。我々は、とてもムアーウィヤ様のように我慢強く、寛大にはなれない」と感嘆し、ひれ伏したそうです。

君主の力をもってすれば、問答無用で追い返すことも簡単にできたはずです。しかし、それをしなかったムアーウィヤもまた、「360度評価」の大切さがわかっていた明君でした。しがない若者の話を聞き、リーダーの度量を示したムアーウィヤは部下の力を引き出しながら、良い政治を行いました。多様な部下を持ち、彼らの話を聞くことで、適切な行動ができるようになるのです。

リーダーの大事な仕事のひとつは、「事情がわからない中で右か左かの判断を迫られること」です。そのときのためにも、情報をたくさん集めるべきです。様々な部下を用いて、よい情報に積極的に接するようにしましょう。

まとめ

明君は多くの人の意見を聞いて、よいアドバイスを実践します。一方、暗君は一部の人のいうことだけを信じます。リーダーには、相性の悪い人、嫌いな人、厳しいことをいう人の意見にこそ耳を傾け、それを正面から受け止める姿勢が求められているのです。

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