調和的情熱を獲得しよう!パッション・パラドックスの書評


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パッション・パラドックス
著者:ブラッド・スタルバーグ、スティーブ・マグネス
出版社:左右社

本書の要約

外的な結果を求め過ぎると人は不正に手を染めてしまいます。また、恐怖心を抱いた時に、モチベーションが高まりますが、そこには長続きしないという問題があります。外的な結果や恐怖心にとらわれず、内面から生まれた調和的情熱を持つことで行動が楽しくなり、人生全般に満足できるようになります。

外的な結果を求め過ぎてはいけない理由

外的な結果を追いかけることに夢中になる人は、多くの場合、目標を達成してもあまり満足できない。もっと大きな成果が欲しくなるからだ。もっとカネが欲しい。もっと名誉が欲しい。もっとメダルが欲しい。もっとソーシャルメディアのフォロワーが欲しい。こうした思いに駆られずにいられなくなる。(ブラッド・スタルバーグ、スティーブ・マグネス)

私たちは目標を設定するとついつい前のめりになってしまいます。目標を達成することが、自分の存在理由になり、外的な結果を追求するようになります。最初に思い描いた内面の動機を見失い、富や名声を評価基準に置くようになります。

外的な報酬と評価に重きをおいて行動することで、手段を選ばずに目標を達成しようとします。経営者が株価を上げるために不正経理を行ったり、スポーツ選手がメダルを獲得するために薬物に手を染めてしまうのも、目標達成の動機が不純なものになるからです。

ケベック大学の心理学者ロバート・ヴァレランド教授は、この現象を「強迫的情熱」と名付け、これに乗っ取られると目標に向かって異常な行動を取るようになると指摘します。強迫的情熱をいだくと、自分ではコントロールできないものに自己評価を結びつけ、ルールに外れた行動をするようになります。

自分でコントロールできない外的な結果に対して情熱を燃やし、さらにはそのような目標の奴隷になると、自己評価が不安定で脆弱になるのだ。 自己評価を外的な結果と結びつける人は、いずれ激しい落胆を味わう。現実の世界ではたいてい、ものごとに成功した場合も、すべて期待どおりとはいかない。

失敗が続くと不正に手を染めたり、怒りを爆発させたり、気持ちが落ち込む可能性が高まります。人は自分が失敗した、あるいは進歩がないという事実を目の当たりにすると、自分の人格が攻撃されているように感じます。一歩でも後退したり、間違った方向に進んだりすれば、そのたびに自己評価が傷ついてしまうのです。

幸福感や満足感を味わっても、すぐその状態に慣れて、「もっと多く」を欲するようになります。これは「快楽順応」と呼ばれるもので、ブッダはそれを人間の「苦」のひとつと位置づけました。 外的な結果に重きを置く人は、情熱を傾けるものを間違え、成功、富、名声、勝利などにに情熱を燃やし、人生に満足できなくなります。

調和的情熱を大切にしよう!

恐怖心も人にモチベーションをもたらしますが、そこにはリスクがあります。ペンシルベニア州立大学保健・人間発達学部のデヴィッド・コンロイ教授は、 人にモチベーションをもたせる恐怖には主に5つのタイプがあることを見つけました。
1、恥をかくことへの恐怖
2、好ましい自己イメージを失うことへの恐怖
3、不確かな未来への恐怖
4、大切な人たちに関心をもたれなくなることへの恐怖
5、大切な人たちの不興を買うことへの恐怖

5つの恐怖は強力なモチベーションを生む場合もありますが、いずれも長続きしないことをコンロイは明らかにしました。恐怖心によって、オリンピックでメダルを獲得したり、学校で優秀な成績を収めたり、上司に褒められて昇進するなど、目標は達成できるかもしれませんが、その後多くの人は燃え尽きてしまいます。

問題は、その頃には消耗しきり、完全に燃え尽きてしまうことだ。人の精神と肉体が高度な警戒体制を持続できる期間には限りがある。どんなに冒険好きなハイキング愛好家でも、木の葉が揺れるたびに檸猛な熊が近づいているのではないかと脅えたくはないだろう。

これらの恐怖心を捨てることで、人の行動が変わることがわかっています。私たちの思考は予防施工と促進思考の2つに分類可能です。予防思考の人は、損失回避に全力を尽くします。すでにもっているものを守り、手堅い行動を取ろうとします。一方の促進思考の持ち主は無難な道を歩みません。彼らは建設的なリスクを恐れずに行動します。

失敗することに恐怖感をもたずに、行動できるようになると、画期的な成果を挙げる道が開けます。 しかし、恐怖心を脱ぎ捨てることは簡単ではありません。目標達成に近づいているときは、とりわけそれが難しくなります。

目標達成まであと一歩だと思うと、失敗したくないという気持ちがいっそう強まる「目標接近効果」のよって、人は自分の行動を変えてしまいます。もし、この落とし穴にはまり、ためらいと恐怖心がこみ上げてきたときは、自分が何を恐れているのかを自問するとよいと言います。失敗を避けるための最善の方法は、恐怖心を捨て、勝つために行動することです。

情熱は外からやって来るものではなく、内面から生まれるべきものなのだ。このような調和的情熱は、強迫的情熱よりはるかに望ましい。人がいだくべきなのは、この種の情熱だ。調和的情熱の持ち主は、長期にわたり高い成果を挙げ続け、活力が高まり、良好な健康状態を維持し、人生全般に満足できる。

調和的情熱は、その人が今という瞬間を生き、外的な欲求や恐怖心ではなく、対象への愛情に突き動かされて行動するときに生まれます。自分の初心を忘れずに、外的な結果に左右されないようにしましょう。本当に自分が何をしたいのかを明確にし、他者への貢献を目指すことで、人の行動は変わります。失敗を恐れず、よい行動を続けることで、調和的情熱を獲得できるようになります。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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