SUCCESs(成功)の法則を活用しよう!チップ・ハースとダン・ハースのアイデアのちからの書評


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アイデアのちから
著者:チップ・ハース,ダン・ハース
出版社:日経BP社

本書の要約

「単純明快で、意外性があり、具体的で、信頼性があって、感情に訴える、物語」という6つの要素を組み入れることで、効果的にアイデアを伝えられるようになります。このSUCCESs(成功)のフレームワークを活用するとアイデアの可能性が広がり、世の中をよりよくできます。

アイデアのためのSUCCESs(成功)の法則とは何か?

成功するアイデアをつくるためのチェックリストは「単純明快で、意外性があり、具体的で、信頼性があって、感情に訴える、物語(Simple Unexpected Concrete Credentialed Emotional Story)」かどうかなのだ。(チップ・ハース,ダン・ハース)

チップ・ハースダン・ハースのアイデアのちからを再読しています。彼らはよいアイデアには、「SUCCESs」という共通点があることに気付きます。このSUCCESs(成功)の法則(フレームワーク)を活用することで、記憶に焼きつくアイデアをつくれるようになるのです。「SUCCESs」を使い倒すことで、私たちは成功に近づけます。

■アイデアをつくるフレームワーク 「SUCCESs」
・Simple (単純明快)
・Unexpected (意外性)
・Concrete (具体的)
・Credential (信頼性)
・Emotional (感情に訴える)
・Story (物語性)

原則1 単純明快である Simple 

「核となる部分を見きわめる」とは、アイデアから余分なものをはぎとって、一番大切な本質をむき出しにすることだ。核となる部分に達するためには、表面的な要素や本筋と関係ない要素を取り除く必要がある。

アイデアの核となる部分を見極め、シンプルにする必要がありますが、どうすればよいのでしょうか?きっぱりと優先順位を決め、幹を明らかにします。理想は単純明快であって、しかも重みや深みがあることわざです。

単純明快であることの究極のお手本は「自分がしてもらいたいことを、他人にせよ」という聖書のことばだと著者達は指摘ます。聖書のこの言葉はたった一行ですが、生涯この格言を守ろうとする人がたくさんいます。ケネディ大統領の「60年代末までに人類を月に立たせ、安全に帰還させよう」というメッセージも単純明快だったからこそ、多くのアメリカ人がこの計画を支持したのです。

アイデアを相手の記憶に焼きつけるには、2つのステップがあります。
第1のステップ→核となる部分を見きわめる
第2のステップ→SUCCESsを使って核となる部分を言葉にする

格安航空のサウスウエスト航空は、「最格安航空会社」であると自社を定義することで、社員全員がコスト削減できるようになり、競争力のあるエアーラインになっています。このシンプルなアイデアによって、顧客は機内食が出ないサウスウエスト航空を喜んで使うのです。

原則2 意外性がある Unexpected

関心をつかむ最も基本的な方法は、パターンを破ることだ。人間は一貫したパターンがあると、すぐ順応する。同じ感覚的刺激を繰り返し受けると、それに注意を払わなくなるのだ。エアコンの音や、車の騒音、ろうそくの匂い、本の並べ方などがそうだ。こうしたことを意識するのは、エアコンが急に止まったり、夫か妻が本を入れ替えたり、何かが変わったときだけだ。

アイデアに関心を持ってもらうには、いい意味で予想を裏切る必要があります。驚きという感情には、警戒感と集中力を高める機能があります。驚きによって、私たちは注意を喚起され、考えるようになります。

しかし、人にはすぐに慣れてしまうという特性がありますから、アイデアをしっかりと生き残らせるためには、興味と好奇心を生み出すようにすべきです。常識とは異なるアプローチで、アイデアを記憶に焼き付けるようにしましょう。

ノードストロームは他店で買った商品をギフト包装するなどの常識を超えた顧客体験によって、ファンを引き寄せています。常識を脱して非常識なことにチャレンジすることが、アイデアをよりよいものに変えてくれるのです。

ソニー創業者の井深大は「ポケットに入るラジオ」というビジョンを社員に提示することによって、ソニーは世界的企業の仲間入りを果たせたのです。トランジスタラジオを「ポケットに入るラジオ」と言い換えた意外性が社員を驚かせ、ビジョンを実現する力を社員に与えたのです。

原則3 具体的である Concrete 

抽象的であれば、アイデアの理解や記憶が難しい。同じ抽象的表現でも人によって全く違う解釈をすることがあるから、他人の行動と調和させるのも難しくなる。

私たちは人間の行動や五感を通じてアイデアを説明する必要があります。企業の社是、シナジー効果、戦略、ビジョンといったものの多くは、あまりに曖昧で意味をなしません。人間の脳は具体的なデータを記憶するようにできていますから、抽象的な表現を使うことは得策ではありません。具体的であることは物事の理解を助け、抽象的な原則を学ぶ際の土台になります。

具体的に人と話すことができる場をつくり、ブレストを行うことで、人々の協力を得られるようになります。同じ課題に取り組んでいるという安心感を全員に与えることで、よいチームを作れます。

「二兎を追う者は、一兎をも得ず」のように、ことわざの多くは、抽象的な真実を具体的な言葉に置き換えたものです。アイデアを聴き手全員に同じように解釈してもらうためには、具体的に話す必要があります。

人を動かす物語を語れ!

原則4 信頼性がある Credential

アイデアを記憶に焼きつけるためには、アイデア自体に信頼性がなくてはならない。

権威のある人が話すことで、アイデアを信じてもらえるようになります。しかし、一般人には権威がありませんから、別のアプローチが必要です。アイデアを記憶に焼きつけるためには、アイデア自体に信頼性がなくてはなりません。そのためには、アイデアを相手に検証してもらう必要があります。

何かを証明しようとするとき、数字に頼る人いますが、このやり方はたいてい失敗します。

投票する前に、あなたの暮らしが4年前よりよくなったかどうか自問してください。(ロナルド・レーガン)

1980年のアメリカ大統領選でロナルド・レーガンとジミー・カーターが討論したとき、レーガンは統計で経済の停滞ぶりを示す代わりに実績で判断することを求めました。数字ではなく、たった1つのシンプルな質問をぶつけ、有権者に自ら検証してもらうことで、レーガンは選挙に勝利したのです。

原則5 感情に訴える Emotional 

アイデアを心にかけてもらうには、どうすればいいのか?それには、相手の感情を掻き立てればいい。

人間は抽象的なものではなく、感情に何かを感じます。共感は全体からではなく、個人を見た時に生まれるとマザー・テレサは考えました。ある調査結果によると、人は貧困地域全体よりも恵まれない一人の女の子に寄付をすることが明らかになりました。

アイデアを心にかけてもらうには、以下のアプローチが効果的です。
■相手の「分析の帽子」を脱がせる。(相手に分析をさせないようにし、共感させる)
■特定の個人への共感を生み出す。(個人の状況をイメージさせ、共感させるポイントを明らかにする)
■アイデアを相手が既に心にかけていることと関連づける。
■相手の自己利益に訴えるが、同時に自分らしさにも訴える。(実際の自分らしさだけでなく、なりたい人物像も含まれる)

原則6 物語性がある Story

私たちは人を励ます物語だけにジャンルを絞り、大量の物語を分析した結果、人を励ます物語には3種類の基本的な筋書きがあるという結論に達した。「挑戦」の筋書き、「絆」の筋書き、「創造性」の筋書きである。

「挑戦」の筋書きは私たちを元気付け、行動へと駆り立ててくれます。 「絆」の筋書きに触れると、他人を助け、もっと寛容になり、協力し、人を愛したくなります。「創造性」の筋書きによって、人は精神面で突破口を開いたり、長年の謎を解いたり、革新的な方法で問題に取り組めるようになります。

私たちはある状況を頭の中でリハーサルしておくと、実際にその状況になったとき、適切な行動ができるようになります。物語を聞くことによって、頭の中での行動のシミュレーションができ、結果が出せるようになるのです。
自分が置かれた状態を解決するストーリーを知ることで、懐疑的な意見を払拭でき、やってみようという気になります。物語にはシミュレーションと励ましという2重の効果があるのです。

アイデアを記憶に焼き付けるためには、聞き手を次のような状態にすべきです。その際、ここまで述べてきたSUCCESsのフレームワークが役立ちます。
(1)関心を払う 意外性がある
(2)理解し、記憶する 具体的である
(3)同意する、あるいは信じる 信頼性がある
(4)心にかける 感情に訴える
(5)そのアイデアに基づいて行動できるようになる 物語性がある

私たちは「単純明快で、意外性があり、具体的で、信頼性があって、感情に訴える物語」であるSUCCESsの法則を身につけることで、効果的にアイデアを伝えられるようになります。優れたアイデアは人を動かし、未来をよりよくできます。本書を何度も読み返し、適切なメッセージをつくり、アイデアを周りの人に伝えるようにしましょう。SUCCESsの法則を活用することで、アイデアの可能性を広げられます。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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