三條慶八氏の社長の危機突破力の書評


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社長の危機突破力
著者:三條慶八
出版社:かんき出版

本書の要約

中小企業の社長は危機を脱したければ、下請け仕事を減らし、オリジナル商品を開発し、自分の土俵で戦うようにすべきです。プラスチック成型の工場だったアイリスオーヤマは、脱下請けを宣言し、自社製品を開発することで、年々成長し、巨大企業の仲間入りを果たしました。

アイリスオーヤマは脱下請けで成長した!

中小企業は弱い立場でビジネスをしていることが多い。理由はほとんどの中小の製造業は、下請け事業に甘んじているからです。(三條慶八)

140億の負債から自力再生し、生還した経営者出身のコンサルタントの三條慶八氏は、中小企業は独自技術を磨き、下請けを脱することが必要だと言います。「待ちの仕事」である下請けには、価格決定権がなく、大手に仕事をコントロールされてしまいます。突然、発注を打ち切られれば、社員ともども路頭に迷うことになります。中小企業の社長は危機を脱したければ、下請け仕事を減らし、オリジナル商品を開発し、自分の土俵で戦うようにすべきです。

家電にも進出し、イノベーションを起こし続けるアイリスオーヤマ。現在、会長として活躍する大山健太郎氏は、プラスチック成形の下請け工場の2代目として、事業を承継します。19歳のときに突然、父が急逝し、社長になった大山氏が、まず目指したのは脱下請けでした。「自社製品をつくろう!」が当時の大山氏の口癖でした。

アイリスオーヤマの強みはプラスチック成形技術で、これはどこにも負けないレベルのものでした。大山氏はあらゆる業界に目を向け、漁業用の浮き玉に課題を見つけました。当時、ガラス製だった浮き玉は台風襲来のたびに割れ、漁業関係者や養殖業者の悩みの種でした。そこで、プラスチックで浮き玉をつくったところ、全国の漁港から買い注文が入る大ヒットになったのです。

次につくったのがプラスチックの苗床入れです。当時は木製のものが主流で、重い、こわれやすいなどの悩みが山積していました。そこで、得意のプラスチック成形技術で、苗床入れを製造したところ、これも全国の農業生産者から注文が殺到しました。

大山氏は顧客の悩みを解決することで、みごとに脱下請けを成功させ、独自の製品開発を行い、現在の絶対的地位を手に入れたのです。

コロナ禍でも成長するアイリスオーヤマの強さの秘密

商品開発に携わる者は、自分のアイデアに愛着を持つものです。それは当然のことですし、そうあるべきとも言えますが作り手の意識にとらわれる原因にもなります。私は常にエンドユーザーの視点で臨みます。「君の奥さんなら、その商品を買うか?」と問いかけていくのです。(大山健太郎)

アイリスオーヤマの製品は「なるほど」というアイデアが満載されています。たとえば、卓上鍋にも使える電気圧力鍋、2つの料理を同時につくれるホットプレート、焼き魚もできる電子レンジ……など。しかも、価格もリーズナブルなもので、顧客が購入する際に躊躇せずにすみます。

経営者は会社の代表ですが、同時に顧客の代表でもなりません。顧客視点を持つことで、アイリスオーヤマはヒット商品を立て続けにリリースできるのです。

アイリスオーヤマの成長は、コロナウイルスが蔓延する中でも続きます。今年の1月7日に、同社を含むグループの2020年度決算の速報値が発表されました。グループ29社全体の売上高は過去最高の6900億円(前年比38%増)、経常利益は2.2倍の621億円で、ともに過去最高を記録しています。

好調の要因として同社は、新型コロナウイル感染対策で需要が増えているマスクやサーキュレーターのほか、巣ごもり需要による液晶テレビや電気圧力鍋などの生活・調理家電、テレワーク需要によるデスクやチェア、ディスプレイモニターなどの売り上げが伸びたことをあげています。

当社には売上全体に占める「新商品の売上げ」の比率を五割にせよ、という決まりがあります。ロングセラーにばかり頼っていると進歩がなくいずれ会社が衰退してしまいますから。

コロナ禍でマーケットが激変する中、アイリスオーヤマは、顧客との対話を重ね、身の回りの「困った」ことからビジネスを生み出します。マスクだけでなく、医療機関で不足している「医療用N95マスク」と、品薄状態が続く「除菌ウェットティッシュ」の生産に向け、10億円を投じて角田工場内に生産設備を導入しました。

他にも室内の換気に使うサーキュレーターや非接触で体温を測定するAI(人工知能)サーマルカメラなど、顧客が欲しい商品をスピーディに開発し、新たな市場を創出しました。

アイリスオーヤマの事例以外にも、本書には中小企業が復活する方法やケーススタディがいくつも紹介されています。中小企業の経営者は、本書から多くの学びを得られるはずです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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