伊藤謙氏のDXで生産性最大化、少数精鋭で高収益! 地域№1工務店の「圧倒的に実践する」経営の書評


DXで生産性最大化、少数精鋭で高収益! 地域№1工務店の「圧倒的に実践する」経営

著者:伊藤謙
出版社:日本実業出版

本書の要約

仙台の地域工務店である「あいホーム」は、DX(IT・ネットなど)による接客・面談・集客・会議・採用・顧客管理・社内管理を行うことで、このコロナ禍でも急成長を続けています。著者はDXを取り入れることで、中小企業も変化に適応でき、生き残れると指摘します。

中小企業はDXで変化に適応すべき!

ただでさえ住宅着工が右肩下がりの状況で、追い打ちをかけるように新型コロナゥイルスが蔓延。先行きの見えない中、ただただ死ぬ気で走ってみた。全速力だった自信だけはある。結果は、対昨年で130%の新規受注増。ここまで良い結果を想像していなかったが、終わってみればまずまずの結果が出た。(伊藤謙)

あいホームという工務店をご存知でしょうか?私は本書の著者に知り合うまで、会社名すら知りませんでした。同社は仙台を中心にしている地元の工務店なのですが、このコロナ禍の中、急成長を続けています。本書はそのあいホームの3代目である伊藤謙氏の経営変革を記録したものですが、著者の地域への熱い思いと圧倒的な行動力に驚かされます。

著者が会社の代表を引き継いだタイミングは昨年の5月。コロナ禍が始まり、世の中が大混乱している最悪な時に彼は地方工務店の経営をスタートしました。

「生き残る工務店に必要なことはーつしかない。時代の変化に対応すること」と考えた著者は、DXを経営に取り入れることで、世の中の変化に立ち向かいました。

DXとは、企業がデータやデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的に変えるということ。まさに僕が考えるイメージはDXだ。DX化でより一層の低コストが実現し、それをお客様に還元したい。そう思っている。

伊藤氏はDXで変化に対応する中で「成功する仕組み」「成長する仕組み」を構築しています。DXを経営に取り入れることで、中小企業工務店で変革が可能であることを証明し、それを同じ経営者仲間に伝えるために、本書を執筆しました。ノウハウを隠すのではなくオープンにし、共に成長することで、コロナに負けない工務店を増やしたいというのです。

広告宣伝費をかけない集客法とは?

ホームページ委員会のコンセプトは、「鮮度・精度・スピード」だった。その中でも、この「鮮度」と「精度」というのは本当に重要な要素だ。1週間前の情報では古い。毎日毎日進化している自社のことを発信し続ける努力は数字となって現れる。この「鮮度と精度が大事」だけは、2011年から現在の2021年現在まで全く変わらない。

伊藤氏の父である先代の社長は、新しい分野を若い人に任せることで、変革に対応してきました。その一つがホームページで、社内にホームページ委員会を立ち上げ、鮮度と精度とスピードにこだわります。また社員にブログを書かせることで、顧客に見つけてもらえるようになったと言います。

著者自身もこの10年でブログを1000回更新しています。書くハードルを下げ、ゲーム感覚を取り入れ、社員に参加してもらい、結果を見える化することで、顧客との関係がよくなっただけでなく、社内のチームワークが向上したそうです。

私は自分のクライアントにブログを書くことをお願いしています。しかし、書き続けることは本当に難しく、多くの会社は挫折します。同社は社長自ら書くこと、ブログを社内で楽しむことで結果を出しています。

あいホームは、動画を積極的に活用することで、ホームページの滞在率もアップさせています。

社内メンバーが「会社沿革」や「会社の特徴」を動画化したことによって、驚くべき結果が出た。何と今までほとんども見てもらえなかった「会社沿革」が、動画公開をしてから200回以上も再生されてる!動画がなかった時の「会社沿革ぺージ」の直帰率は97%。ほどんどの人が「会社沿革」ページを見た時に「自分には価値がない」と判断し、読まずに違うページに移っていた。直帰率とはそのことを意味している。動画化したことで見てもらう回数が激増したのだ。さらにに平均再生率が67%になった。動画のほとんどを見てくれていることもわかった。

テレビCM、チラシ折込展示場イベント、総合展示場への出店を一切行わずに、自社のホームページやブログ、YouTubeを使って、あいホームは集客を行っています。

広告宣伝費をかけずに、デジタルマーケティングに力を入れることで、同社は昨年、年間444件の資料請求を獲得し、7店舗合計で年間1115組の新規顧客が来場したそうです。(コロナ渦の2020年度上期、対昨年比137%増301件の資料請求、対昨年比119%増650組の新規来場を達成)

ホームページもブログもYouTubeも仕組み化することで、更新できるようになります。このシンプルな成功法則を中小企業の経営者は見習うべきです。DXというと難しく考えがちですが、伊藤氏の取り組みを読み、真似することから始めるとよいと思います。

SNSや動画の活用、わかりやすいビジュアルで説明することで、接客や採用もうまくいきます。Zoomやチャット Lineの活用のなどのコミュニケーションの取り組みは参考になると思いますし、今すぐ実践できます。VRなどの新しい技術も恐れずに、まず、試してみましょう。変化に適応するためには、世の中の変化に敏感になることだと思います。

なお、本書は著者より献本いただきました。

ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大の5冊目のiPhoneアプリ習慣術がKindle Unlimitedで読み放題です!ぜひ、ご一読ください。

 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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