世界最先端の研究が導き出した、「すぐやる」超習慣
堀田秀吾
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
本書の要約
習慣化するためには、ひたすら繰り返すことが重要になります。脳の中に習慣専用の神経細胞の回路をつくり出すことが効果的です。何度も何度も同じ行動を繰り返し、神経細胞同士のつながりを強化することで、私たちはやりたいことを習慣化できるのです。
習慣化のための「5秒」ルール
私は「最初の5秒、動くだけでいい」と言っています。ソファーで寝っ転がっていたら、「よし」と奮い立たせて「5秒」だけ行動してみる。この動き出しが、やる気エンジンを始動させるポイントです。しかし、たった「5秒」ですら体が言うことを聞かない、面倒くさいという人もhるはずです。やる気というのは、私たちが考えている以上に、とても厄介なのです。(堀田秀吾)
習慣において重要なことは、体が先、思考が後というルールをご存じでしょうか?私はこの書評ブログを12年以上継続していますが、毎朝、iPhoneを開くことから始まります。まずは日記を書き、その後今日やるべきことを確認し、パソコンでブログを書き始めます。
iPhoneで日記を書く「5秒」を我慢し、行動を起こすと、脳のやる気のエンジンが動き出します。「やりたくない」という本能的な感情の脳(大脳辺縁系)の活動を抑えこんでくれる理性の脳(前頭葉)が働き出すまで、だいたい5〜6秒かかるといわれています。人間の本能に打ち勝つためには、「5秒」かかると考え、まずはやりたいことの小さな一歩を踏み出しましょう。
脳科学者や心理学者の間では、体の動きを感じて意識が働き出すという考えが、今では常識になっています。脳は、頭がい骨という真っ暗な密室に閉じ込められていて、体の器官から送られてくる情報を頼りに自分の状況を判断します。つまり、体が先、思考が後ということがわかってきたのです。マラソンを習慣化したければ、まずは靴を履き、5秒走ればよいのです。
脳には一度その行動を始めると、のめり込んでしまうという性質があります。この正体こそ「淡蒼球」という脳の部位です。「淡蒼球」を刺激するには、体を動かして行動することが重要です。そう、自らプロペラを回すしかないのです。
一旦行動することで、「淡蒼球」が〝やる気エンジン〟を活発化させてくれます。行動を先に起こして脳をだますことによって、やる気がどんどん生まれてきます。
すぐやるための習慣の3つのルール
脳の中には大脳基底核という場所があります。「淡蒼球」はその中にあり、意思決定などに関わると考えられています。
淡蒼球から「モチベーション上がれ~」という信号が送られることで促進されます。脳科学の研究で著名な東京大学の池谷裕二教授によれば、淡蒼球を動かすには
①体を動かす
②いつもと違うことをする
③ご褒美を与える
④なりきる
の4つのアクションが重要だそうです。
世界中の論文や研究を調べると、すぐやるための習慣のルールがわかってきました。
①環境をつくる
②マイルールをつくる
③ルーティン化する
著者は、「あとでやろうはバカヤロウ」というルールを設定していると言います。私も以前からこの考えを取り入れ、先延ばしを防いでいます。先延ばしをしそうになるために、自分にこの言葉を投げかけることで、自分の行動をコントロールできるようになりました。
「パブリック・コミットメント」=他者に宣言することも効果があります。断酒する、ブログを毎日更新すると宣言することで、ブレない軸を持つことができました。他社からの監視によって、私は自分の習慣を変えることができました。
「一貫性バイアス」によって、人に公言することでバイアスがかかり、推進する力が生まれる。ということは、何かを始めるとき、あえて人に公言する、すなわち自分に強制力を与えるようなルールを決めれば、重い腰が軽くなるのです。
ひとたび習慣化されると、やらないことがかえって気持ち悪く感じられたり、億劫だという邪念が入るすきま(負荷)がなくなります。今ではブログを朝のタイミングで更新できていないとと、気持ちが落ち着かなくなるほどです。
習慣化するためには、ひたすら繰り返すことが重要になります。脳の中に習慣専用の神経細胞の回路をつくり出すことが効果的です。何度も何度も同じ行動を繰り返し、神経細胞同士のつながりを強化することで、私たちはやりたいことを習慣化できるのです。
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