Xデイ到来 資産はこう守れ! (藤巻健史) の書評

100 US dollar banknote
Xデイ到来 資産はこう守れ!
藤巻健史

本書の要約

ハイパーインフレ対策の基本はドル資産を買うことです。ドル資産への分散投資を行い、日本国民は今後起こるかの可能性の高い円の暴落に備えるべきです。まずは、円からドルMMFへの逃避を行い、次にドル資産への分散投資を行うことが資産防衛の肝になりそうです。

ハイパーインフレは到来するのか?

日本は、今のところ(2022年5月20日現在)、先進国の中では、最もインフレ率が低い国となっています。しかし、それが今後、世界の国々の中でインフレ率が最も高くなり、ハイパーインフレになる可能性が十分にあると私は思っています。そして、私が長年警告してきたXデイ(日本経済が大混乱に陥る日)がついに到来してしまうのです。(藤巻健史)

世界中がインフレの波にのみ込まれる中、FRBやBOEなどの中央銀行は金利を引き上げ、インフレを抑え込もうとしています。一方、日銀は金利をコントロールすることができずに円安に対処できずにいます。

世界一の借金大国である日本は、金利を上げると、保有国債の金利も上がって評価損が出てしまうため、金融政策の選択肢が限られています。

著者は、日銀の金融緩和政策が続いたことで、Xデイ(日本経済が大混乱の陥る日)が近いと指摘します。 日本経済が今後、どのように崩壊していくのかという著者の予測を今日は紹介しようと思います。日本経済が崩壊するというという著者の考えは極端な意見かもしれませんが、こういう予測が存在するのも事実です。様々な考えを知ることで、資産運用における適切な判断ができるようになります。

今、世界で起きているインフレは「通貨の刷りすぎによるインフレ」です。通貨を刷りすぎたがゆえに、通貨の価値が減じて起きているインフレです。その上にウクライナ問題や供給制約などが加わったにすぎないのです。そのことがわかっていないと、ロシアのウクライナ侵攻やコロナ禍が収まったらインフレが鎮静化するなどと誤解してしまつのです。ばらまかれた資金を回収しなければ、インフレは収まりません。

これからアメリカは引き続き金利を高めに設定し、市中に出回っているお金を回収します。実際、22日のFRBは政策金利を1%上げると予想される中で、日銀は金融緩和を続けると言われています。引き続き円安基調は続き、日本の物価は上昇が続きそうです。

ハイパーインフレ時の資産防衛とは?

もし日銀が債務超過になり、世界が日銀を見捨てるならば(日本人は最後まで信用しようとしがみつく可能性が高いですが)、円は石ころ化しドル/円は天文学的な数字になるのです。

財政状態を極端に悪化させた日銀が危機的な状態に陥っています。この状態で円安が起きると物価が上昇しますが、日銀にそれを抑える手段はなく、インフレが止まることなく加速していきます。また、日銀が利上げすれば、日銀が債務超過に陥り、ハイパーインフレが起こると藤巻氏は指摘します。

世界中でインフレ懸念が出てくると、今ではどの国も通貨高を志向します。まさに通貨”高”戦争が起きるわけです。自国通貨高はインフレを抑える最強の武器にも関わらず、黒田日銀総裁だけが自国通貨安を放置しているために、今後の円安が予想されます。

国はハイパーインフレを起こすことで、膨大な借金を減らせます。ここまで借金が大きくなると、インフレでの借金返済しか手法はないというのが官僚や政治家のコンセンサスになっている可能性が高いのです。

7%のインフレを10年継続すれば、借金は実質半分になります。しかし、過度の財政ファイナンスを行ってしまったために、日銀はインフレをコントロールするブレーキを失っています。今後、7%のインフレで終わるわけがなく、どんどんインフレは加速していくと著者は警告を鳴らします。

ハイパーインフレ対策の基本はドル資産を買うことです。ドル資産への分散投資を行い、日本国民は今後起こるかの可能性の高い円の暴落に備えるべきです。 ドルのMMFは、現金に近い金融商品です。米国でも激しいインフレが継続するため、MMFなどの現金に近いものの価値は下がります。しかし、日本がそれ以上のハイパーインフレになれば、円の価値はもっと下落します。まずは、円からドルMMFへの逃避を行い、次にドル資産への分散投資を行うことが資産防衛の肝になりそうです。



この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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