起業マインド100 (ケヴィン・D・ジョンソン)の書評

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起業マインド100
ケヴィン・D・ジョンソン

本書の要約

起業家が成功するためには、以下の4つのことを実践すべきです。①自分抜きでも回るビジネス ②特定の人に依存しないシステムの構築 ③テクノロジーを駆使して自動化された業務 ④適切な相手へのアウトソーシング 本書で紹介されている起業家マインドを身につけることで、成功確率を高められます。

起業家にとって、シンク・ビッグが重要な理由

ビジネスにおいて「シンク・ビッグ」とは、自分の可能性を最大限広げるアイデアを追求することに他ならない。同じように、世の中に最大限のインパクトを与えるアイデアを追求するという意味もある。(ケヴィン・D・ジョンソン)

起業家にとってMTP(野心的な壮大な目標)が重要であることをこのブログでは何度も紹介してきました。Johnson Media Inc.の社長で、ケヴィン・D・ジョンソンも「シンク・ビッグ」、大きく考えることが起業家にとって不可欠だと指摘します。

しかし、多くの起業家は、シンク・ビックができずに、ビジネスを成功させられずにいます。著者のケヴィンはその4つの理由を明らかにしています。
1、環境を変えられないから
大きく考えられないのは、「自分の置かれた環境」を超えられないからです。多くの起業家は、自分のいる環境や現実という限界を超える企業を生み出せないでいます。発想が環境に縛られているため、彼らの企業の成長も制限されたり、行き詰まってしまうのです。

2、モチベーションがないから
ビジネスにおいて金銭的な成功をある程度おさめ、もっと大きなアイデアを追求する意欲がなくなることで、人の成長は止まります。次の大きなステージを描かなければ、居心地の良い場所から抜け出せません。

3.自信がないから
自信を深めるためには、自分のアイデアに取り組めるような小さなことを考え、まずは実行することです。自分のアイデアについて基本的なリサーチをしたり、アイデアを書きつけ、小さなテストを行います。成功した起業家は、小さな達成を積み重ねて、自信を深め、前進しています。

4.ノウハウがないから
ビジネスアイデアの可能性を最大限発揮するために、経験豊富な起業家の知恵と後押しが必要です。他者からのアドバイスやフィードバックを大事にすべきです。リンクトインの設立者リード・ホフマンは「できるだけたくさんの人と話すことです。必要なのは、あなたのアイデアのまちがいを指摘してくれる人です。そうした人たちから学べます」と述べています。

起業したら誰かの助けを求めるのは当たり前で、そのためには、自分が置かれている状況や課題の情報発信が欠かせないのです。

アメリカの社会運動家のベンジャミン・E・メイズも大胆な発想がイノベーションを起こすという名言を残しています。

小さくまとまった考えから大きな考えをもてるようにするのは非常に難しい。しかし、そうするだけの価値はある。それどころか、人類の偉業はすべて大胆で大きな発想から始まったのだ。(ベンジャミン・E・メイズ)

起業家は新たな領域=ブルー・オーシャンを探すべきだと著者は指摘します。起業家がブルーオーシャンにいるなら、大成功への道を歩んでいるのです。

もし、レッド・オーシャンで競争しているとしたら、自身の会社で大きな利益を上げ、競合相手に対する優位な立場を保つために、イノベーションを生み出す新たな戦略を策定する必要があります。

起業家が成功するための4つの要素

新しいビジネスのアイデアを思いついたら、ビジネスプランに取りかかるのは最後の方でいい。

ビジネスプランを書く前にやることが3つあると著者は指摘する。
1、どんな会社がすでに市場にいるのかを見極め、競争が起きている環境を吟味します。
既存の会社がうまくいっていないことは何か? 自分たちは違う取り組みをすることで競争優位を生み出せるのか?を考えます。

2、潜在的な顧客とそのアイデアについて議論する。
潜在顧客に基本的な質問をして、自社の製品やサービスを顧客がどれだけ評価するかを判断すること。このステップがおそらく、ビジネスプランを書く事前準備として最も重要なことになります。

3、製品のスケッチや最低限の試作品をつくる。

ビジネスプランを立案する場合、自分の専門外の分野については、必ずプロの手を借りるようにしましょう。 ビジネスプランは、独力でがんばるよりも協力しておこなうほうが遥かに投資家や銀行から評価されます。

様々な人からフィードバックを受けることで、ビジネスプランが強化され、成功したり資金を調達する可能性も飛躍的に高まります。

あなたのアイデアが独自のものではなく、そのため誰でも手の届くところにあっても、競合相手よりも成功する可能性を高めることはできる。 アイデアを実行することに集中し、それを他の誰よりもうまくやる アイデアと実行のあいだには、グランドキャニオンほどのサイズの溝がある。

アイデアを考えだけでなく、実行に移すことが起業家には欠かせません。そのために必要なことが3つあります。
1、組織のスピードが非常に重要
市場化までの時間を短縮することで、最初に市場における自分の権利を主張し、他の人よりも早く顧客に販売することが可能になります。スピードと品質のバランスを取りながら、顧客が満足できるレベルに達したら、すぐに販売すべきです。アイデアの完成度を高めるより、顧客からフィードバックをもらいながら、プロダクトをアップデートすることを優先しましょう。

 2、他のどんなチームよりもよく働く

 3、賢いスタートアップ企業は倹約する

重要な役割をすべてまかせられる優秀な人材を見つけると、あなたには事業を運営する心がまえができる。こういう気持ちになれば、あなたは真の起業家だ。これこそが大事なことなのだ。

起業家として、上のレベルにたどり着きたかったら、人にまかせる方法をすぐに身につけることが大切です。他者に任せることができなければ、自分の貴重な時間が奪われ、成長するチャンスが制限されてしまいます。

起業家は以下の4つのことを実践すべきです。
①自分抜きでも回るビジネス
②特定の人に依存しないシステムの構築
③テクノロジーを駆使して自動化された業務
④適切な相手へのアウトソーシング
私の周りの優秀な経営者は確かにこの4つを実践しています。起業家は本書のアドバイスを取り入れることで、成功する確率を高められます。


 

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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