働くあなたの快眠地図
角谷リョウ
本書の要約
睡眠の質を高めるためには、自分の睡眠の特性をつかむことが重要です。人生には「快眠地図」がありますが、1日、1週間、季節、年齢に応じた快眠スキルをしっかりと把握し、快眠スキルを身につけるようにしましょう。この快眠スキルを高めることで、自分のパフォーマンスもアップできるだけでなく、心と体の健康も手に入ります。
睡眠に効果のある快眠地図とは何か?
働く人にとって最も大事なのは 「食事」でも「運動」でもなく「睡眠」だった(角谷リョウ)
スリープコーチとして活躍するビジネスパーソンの睡眠をサポートする角谷リョウ氏は、働く人の最大の課題が「睡眠」であることに気づきます。睡眠は食事や運動よりもはるかにメンタル状態や幸福度と強い相関関係があることがわかっています。
睡眠が十分に取れていないと、メンタルは落ち込み、幸福度が劇的に下がってしまいます。 睡眠は働くうえで最も重要な要素であるにも関わらず、ビジネスパーソンの睡眠対策は後手に回っているのです。
睡眠を改善するためには、自分の睡眠の特性をつかむことが重要で、自分らしい快眠スキルを身につけることで日本人の「睡眠負債」を解決できるというのが、著者のメッセージになります。
人生には「快眠地図」があるといいます。快眠地図は大きく分けて、①朝(DAY)、②夜(DAY)、③1週間(WEEK)、④季節(SEASON)、⑤年齢(AGE)の5つで構成され、それぞれのマップに応じた快眠スキルがあります。
快眠の第一歩は「基本的な1日の快眠パターン」を作ることです。 自分に合った朝の過ごし方、夜の過ごし方、自分に合った寝る時間と起きる時間など大まかに作り上げていきます。次に自分の体質や仕事に合った快眠パターンを作って1週間快適に過ごせるようにします。
快眠の超基本は「その日のうちに心も体も十分回復すること」です。数日睡眠が不足した場合、その分を余分に寝たら眠気は解消されますが、パフォーマンスは戻らないことが研究で分かっています。自分に合った生活パターンを理解し、本書のノウハウを活用し、パフォーマンスが高まる快眠地図を作りましょう。
朝時間をどう活用する?
「日本人は他の民族に比べて不安遺伝子の保有比率が高い」ということが分かってきました。 だから、寝るときに不安になって眠れないのです。 ところが、もっと根本的な原因があります。 それは「1日」「1週間」「季節」「年齢」のそれぞれで “正しい眠り方”があるのを知らないことです。
自律神経が最も乱れるのは木曜日です。そのため、前日の水曜日に夜更かしするのは厳禁です。水曜の夜にしっかり寝ると、1週間を通して快調に過ごせます。会食などは設定しないようにしましょう。
ビジネスパーソンの睡眠を調査した研究では、ハイパフォーマーと呼ばれる仕事で高い成果を出す人は、平日と休日で睡眠時間や起きる時間の差が少ないことが分かったそうです。(ニューロスペース調べ)。平日と休日の睡眠時間の差やズレが大きいと、時差ボケと同じほどのダメージがあり、2時間以上違う人は毎週末アジアに海外旅行に行っているようなものだと著者は指摘します。
平日と休日の睡眠時間の差が大きいほど「肥満や体脂肪の増加」「労働意欲の低下」「うつ病の罹患率」が比例して増えていくことも明らかとなっています。健康を維持するためにも平日と土日の時差を無くした方がよさそうです。
以前の私は土日は疲れを取るために、朝はゆっくり起きていましたが、今では「早起き早寝」を徹底し、平日と同じ時間に起きています。
平日と休日の睡眠差を減らすことで、最終的には平日の充実度も休日の充実度も向上して、QOL(人生の生活の質)スコアが改善します。土日も朝早く起きて活動することで、ゆったりした時間を過ごせます。趣味や運動に時間を使うことで、ストレスも軽減できます。快眠生活のためには「週末の寝溜め」はやめた方がよさそうです。
また、朝起きて1時間後が、ストレスに抵抗するホルモンであるコルチゾールが1日で一番多く分泌されることが明らかになってきました。人間にとって「朝」は最強にストレス耐性が備わっている状態です。私はこの時間を使って、前日の振り返りとビジョンの確認、今日のイメージトレーニングをします。その後、この書評ブログを書くようにしています。
エネルギーがある時間帯に自分のマインドセットを強化すること、アウトプットを習慣にすることで、私のパフォーマンスは高まりました。一番よい状態の脳をSNSやメールに使うのではなく、自分のための時間に使うようにしましょう。
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