チャンスを掴むための3つのステップ。天才はしつこい(ロッド・ジャドキンス)の書評

two pumpkins sitting on the steps of a house

天才はしつこい 突き抜けた成果を生み出す80の思考
ロッド・ジャドキンス
CCCメディアハウス

天才はしつこい(ロッド・ジャドキンス)の要約

「イエス」と答える勇気、無難さを恐れる、後戻りできない状況に身をおくという3つのステップによって、人生の大きなチャンスを逃さず、掴むことができるようになります。チャンスは準備された心にのみ訪れるものです。常に前向きな姿勢で、自分の可能性を信じ続けることが、成功への近道となるのです。

チャンスを掴む人の特徴とは?

人間は3タイプに分けられる。チャンスを逃す人。チャンスを掴む人。それから、チャンスをつくる人。まだ準備ができていない、スキルが足りていない、いまはまだそのときじゃない、と自分に言い聞かせる人は、チャンスを逃す。(ロッド・ジャドキンス)

人生において、誰もが様々な機会に遭遇します。しかし、その機会をどのように扱うかによって、人生の軌跡は大きく変わってきます。作家のロッド・ジャドキンスが指摘するように、人間は3つのタイプに分類できます。チャンスを逃す人、チャンスを掴む人、そしてチャンスを作り出す人です。(天才はしつこいの関連記事

チャンスを逃す人々は、自己否定的な思考に囚われがちです。彼らは準備不足や能力不足を理由に、目の前の機会から逃げ出してしまいます。「今はまだその時ではない」と自分に言い聞かせ、行動を先送りにします。結果として、貴重な成長の機会を見逃してしまうのです。

一方、チャンスを掴む人々は、機会が訪れた時に躊躇なく行動を起こします。彼らは自身の能力を信じ、たとえ完璧な準備ができていなくとも、挑戦する勇気を持っています。こうした姿勢が、彼らを成功へと導くのです。

デール・カーネギーは「チャンスが目の前に現れた時にこれを掴む人間は、十中八九成功する。不慮の事故を乗り越えて、自力で自分のチャンスを作り出す人間は、百パーセント成功する」と述べています。この言葉は、チャンスを掴む人々の成功率の高さと、さらにチャンスを作り出す人々の圧倒的な成功を鮮やかに表現しています。

そして最後に、最も稀有な存在がチャンスを作り出す人々です。彼らは受動的に機会を待つのではなく、自ら積極的に環境を作り出し、機会を生み出していきます。この類稀な能力こそが、真の天才たちを特徴づけるものだと言えるでしょう。

天才たちは、単に高い知性や才能を持っているだけではありません。彼らは機会を見抜く鋭い洞察力と、それを掴み取る行動力を兼ね備えています。さらに、彼らは失敗を恐れず、むしろそれを学びの機会として捉える柔軟性を持っています。 成功への道のりは決して平坦ではありません。しかし、チャンスを掴み、時には自ら作り出す能力を磨くことで、誰もが自身の潜在能力を最大限に引き出すことができます。

天才たちの真髄は、この能力にあるのです。 私たち一人一人が、日々の生活の中で訪れるチャンスに対して、どのように向き合うかを意識することが重要です。準備不足や不安を理由に逃げ出すのではなく、勇気を持って挑戦する姿勢を培うことで、人生はより豊かなものとなるでしょう。 チャンスを掴むことは、時として困難を伴います。しかし、その困難こそが我々を成長させ、新たな可能性を開く鍵となるのです。

チャンスを掴む3つのステップ

完壁なパフォーマンス、展覧会、試験やプレゼンができる準備が整う日など来ない。もっと練習すれば、勉強すれば、もっと徹底的にリサーチすれば、 というのはいつだって同じだ。準備ができていなくとも飛び込もう。やり方がわからなくてもいい。チャンスを掴まなければ、それを掴んだ誰かの下で働くことになるのが落ちだ。

長年にわたりファッション界の頂点に君臨してきたグッチですが、ある時期から徐々に衰退の兆しを見せ始めました。年間売上高は100億ドルを超えていたものの、利益は急落していたのです。

2014年、活気を失ったグッチを立て直すべく、新CEOのマルコ・ビッザーリは思い切った決断をします。 通常なら著名なデザイナーを起用するところ、ビッザーリは社内のアクセサリーデザイナー、アレッサンドロ・ミケーレに注目しました。

ミケーレの斬新なデザイン案に感銘を受けたビッザーリは、彼にわずか5日間でブランドを再生し、新コレクションをデザインするよう依頼したのです。これは通常数か月かけて行う作業でした。

ビッザーリは「アレッサンドロがリスクを取る覚悟があるかを見極めたかった」、「私が考えていた規模の立て直しには、私のように大きなリスクを恐れずに挑戦する人材が必要だった」と述べています。 ミケーレはこの大胆な要請を受け入れ、1週間以内に36着のデザインを完成させ、ファッションショーを成功させました。

彼のデビュー作は、ジェンダーの境界線を曖昧にする斬新なアプローチで業界に衝撃を与え、グッチを再びトップブランドの座に押し上げたのです。 このグッチの事例は、チャンスを掴むことの重要性を如実に示しています。

著者はチャンスを掴むための3つの重要なステップを紹介しています。
1、自信がなくても「イエス」と答える勇気を持つ
ミケーレのように、自分の能力に不安があっても、まずは挑戦する姿勢が大切です。人生で訪れる大きなチャンスは数えるほどしかありません。完璧な準備ができていなくても、まずは受け入れ、その後で方法を見つければいいのです。

私自身、初めての出版の時にこの考えを実践しました。編集者から企画の相談を受けた時、自信はなかったのですが、「イエス」と答えました。その後、短い文章を少しずつ書き、それらを組み合わせていきました。毎日書くことを習慣にし、少しずつ進めていくうちに、なんとか原稿を完成させ、締め切りに間に合わせることができたのです。

2、無難さを恐れる
ビッザーリが従来の安全策を取らなかったように、リスクを恐れるのではなく、むしろ挑戦しないことを恐れるべきです。たとえ失敗したとしても、その経験は必ず次につながります。一方、安全策ばかりとっていては、新たな可能性を見出すことはできません。

3、後戻りできない状況に身を置く
ミケーレが5日間という短期間でコレクションを作り上げたように、突き進むしかない状況に置かれると、人は想像以上の力を発揮するものです。ただし、その道は自分で切り開いていく必要があります。

「イエス」と答える勇気、無難さを恐れる、後戻りできない状況に身をおくという3つのステップによって、人生の大きなチャンスを逃さず、掴むことができるようになります。チャンスは準備された心にのみ訪れるものです。常に前向きな姿勢で、自分の可能性を信じ続けることが、成功への近道となるのです

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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