好きなことだけで生きる(ドラ・トーザン)の書評

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好きなことだけで生きる
ドラ・トーザン
大和書房

好きなことだけで生きる(ドラ・トーザン)の要約

人生は社会的な枠組みや周囲の期待に縛られがちですが、本来は自分の望む生き方を選ぶべきです。フランス人作家ドラ・トーザンは、日本とフランスの文化の違いを通じて、自由に生きることの大切さを説きます。好きなことを追求することで幸福度が増し、周囲にも良い影響を与えます。他人の目を気にせず、自分の価値観を大切にしながら、納得のいく人生を歩むことこそが、真の幸せにつながるのです。

好きなことを仕事にすることで幸福度がアップする!

大事なのは自分で考えること。そして自分が下した決断を誰のせいにもしないこと。(ドラ・トーザン)

「一流企業に入るべき」「つらい仕事でも我慢すべき」「安定した生活を送るべき」―。こうした社会からの期待や、周囲の価値観に合わせようとする無意識の力が、私たちの本来の望みを見えにくくしています。特に日本では、周りと違うことを恐れる同調圧力が強く、自分らしい選択をすることは想像以上に難しい現実があります。

フランス人エッセイスト、ドラ・トーザンは、そんな固定観念から私たちを解放し、より自由で幸せな人生を送る方法を提案します。著者は、フランス人特有の率直な視点から、日本とフランスの文化的な違いを丁寧に紐解きながら、私たちの無意識の中に潜む制約に鋭い問いを投げかけています。

著者の優しくあり、ときに厳しい言葉は、私たちの価値観を根底から揺さぶり、新鮮な視座を提供してくれます。「好きなように生きる」という選択は、自分勝手な行動とは全く異なります。むしろ、本書で示されているように、自分の心が本当に望むことを追求することで、家族や友人、同僚との関係がより深く、豊かなものになっていきます。

多くの人は「周りの目が気になる」「家族に迷惑をかけたくない」という思いから、自分の夢や目標を諦めてしまいがちです。しかし、そうやって自分の願いを押し殺すことは、長い目で見ると、周りの人との関係にも良い影響を与えないのです。

本書では、好きなことを追求することで、周囲との関係性もより豊かになることが語られています。家族や社会との関係を考えるあまり、自分の願いを押し殺してしまう人も多いでしょう。

大切なのは、自分の決断を自分のものとして受け入れること。他人のせいにせず、自分の人生に責任を持つことで、より満ち足りた生き方ができるのです。

私自身も独立するときに好きな人と好きな仕事をすると決めましたが、これにより私の幸福度はアップし、幸せな人生を送れるようになりました。自分が本当にやりたいことを選ぶことで、仕事の充実感も増し、周囲との関係もより円滑になりました。好きなことに時間を使うことで、仕事がより好きになれるのです。

好きなことを選ぶことは単なる自己満足ではなく、自分の人生をより豊かにし、結果として自分の周りの人々にも良い影響を与えます。仕事に情熱を持つことで、周囲にも前向きなエネルギーが伝わり、より良い人間関係を築くことができます。好きな仕事に集中することで、ストレスが減り、人生の質も向上します。

また、自分の本当にやりたいことを突き詰めることで、新たなチャンスが生まれることもあります。 大切なのは、自分が納得できる道を選び、毎日を心から楽しむことです。人間関係においても、気の合わない人との付き合いに無理をする必要はありません。表面的な付き合いを続けるよりも、心から信頼できる人と深く関わるほうが、人生はより豊かになります。

自分の価値観を大切にし、それに共感してくれる人々と共に過ごすことが、最終的には幸せな生き方につながるのです。 著者の考えに触れることで、人生に対する新たな視点を持ち、より自分らしく生きる勇気を持てるようになります。誰もが自由に生きることを望んでいますが、それを実現するためには、自分自身で決断し、その選択を受け入れる覚悟が必要です。

生きるということは、人生の索引を作ること

わたしは「将来のためにがまん」という考え方もしません。明日……というより、人間は次の瞬間、どうなっているのかわかりません。今この瞬間を濃密に生きなければいけません。人間は必ず死ぬ。その点で誰もが平等なのですから。

人生には限りがあります。誰もがいつか死を迎える。この当たり前の事実を直視することで、日々の選択に真剣に向き合うことができます。もし、あなたの人生があと一年しかなかったら?行きたい場所へ行き、やりたかったことに挑戦し、会いたい人に会うでしょう。

そのとき、やりたくないことに時間を費やしたり、気が進まない人間関係に悩んだりすることは、もったいないと感じるはずです。

著者は「将来のためにがまんする」という考え方を否定します。未来は誰にもわからない。だからこそ、今を大切に生きるべきだと説きます。嫌いな人と時間を過ごすくらいなら、好きな人との時間を増やしたほうがよいに決まっていまし。仕事に追われ、退社後も上司や同僚との付き合いに時間を費やすよりも、大切な人とのひとときを楽しむことの方が、人生にとってはるかに価値があるのです。

年齢を重ねるにつれ、人生の優先順位がより明確になっていきます。若い頃は、仕事の成功や社会的な評価に目を向けがちですが、人生の後半に入ると、何より大切なのは「誰とどのような時間を過ごすか」だと実感します。

60歳を過ぎた今、私は家族との旅行に時間を使うことを何よりの喜びと感じています。家族と一緒に様々な土地を訪れ、美味しいものを味わい、笑い合う瞬間は、どんな財産よりも価値があると実感しています。仕事とプライベートを両立させ、心の赴くままに過ごせることが、人生の豊かさにつながるのです。

本書の大きな魅力のひとつは、著者の高い自己肯定感です。彼女は、自分の選択に自信を持ち、後悔のない生き方を貫いています。これは決して特別な才能ではなく、考え方次第で誰にでも可能なことなのです。

愚痴や悪口ばかり言う人と時間を共有することは、人生の貴重な時間を浪費することになります。裏で他人の悪口を言うような人は、結局自分の価値を下げるだけ。

生きるということは、「人生の索引」を作ることと同じだと著者は指摘します。自分が本当に好きなことを選び、それに打ち込むことで、その積み重ねが人生そのものを形作ります。どんな仕事をするか、どこで暮らすか、誰と時間を共にするか。それらすべての選択が、人生のページを彩る索引となるのです。

好きなことを続けていると、自然と上達し、自信へとつながります。仕事も趣味も、情熱を持って取り組めば、それが力になり、さらなる可能性が広がっていきます。がまんしてやりたくないことを続けるよりも、心がときめくことを選ぶほうが、人生はずっと豊かになります。

年齢を重ねても、心は柔らかく、純粋な好奇心を持ち続けることで、いつまでも新しい自分と出会い続けることができるのです。

人生において最も大切なのは、楽しむことです。お金や肩書きよりも、自分が本当にやりたいことに目を向け、一日一日を大切にすることが、後悔のない生き方につながります。些細なことに囚われず、心から笑い、心から感動し、自分らしく輝く人生を選び取ることこそが、真の幸せではないでしょうか。人生は1回限り、自分の好きなことに大切な時間を使うべきです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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