75歳からの生き方ノート(楠木新)の書評

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75歳からの生き方ノート
楠木新
小学館

本書の要約

日本人の寿命が伸びることで、後期高齢者でも人生を謳歌できるようになりました。75歳からも自分の人生を楽しんでよいとマインドセットを変え、リ・スターティングノートを書くことで、自分の頭を整理できます。「健康寿命」「資産寿命」「労働寿命」「平均余命」の4つの命を考えながら、楽しく生きる方法を探りましょう。

75歳からの人生を豊かにするためにやるべきこと

60歳以降の人生をどのように過ごしていくかを考える際には、60歳から74歳までと、75歳以降、それに最期を迎える直前の期間の3つに分けることが妥当だと私は考えています。(楠木新)

自分の人生を変えると44歳の時に決め、私は断酒をスタートしました。当初はアルコールへの欲求との戦いに苦戦しましたが、悪い習慣をよい習慣に変えることとバケットリストによって、自分の人生をよりよくできました。おかげさまで50歳以降の私の幸福度はアップし、自分の人生を楽しめるようになったのです。

私は今年還暦を迎えました。60歳からの人生のプランニングを行おうと考えていたところ、本書に出会えました。著者の楠木新氏は、60歳から74歳までの期間を「黄金の15年」だと述べています。人生経験が豊富な上に、時間という財産を一番使えるのがこの15年で、自分のマインドセットをポジティブに変えることで、楽しい時間を過ごせるようになります。

定年後は、働く時間を自分の意志でコントロールできます。仕事を減らしながら、生活の一部として学びや読書の時間を増やせますし、子供のころにやりたかったことにもチャレンジできます。

この黄金の15年を楽しむためには、準備が欠かせません。私は44歳の時に人生を変える計画を立てましたが、同じように60代からの15年を素晴らしい時間に変えるために、著者のアドバイスを参考にしようと思います。

65歳から74歳までの前期高齢者と75歳以降の後期高齢者は、ライフステージが大きく変わると現在68歳の著者は指摘します。介助を受けながら生活する後期高齢者では、やれることに限りがあるので、アクティブに過ごしたければ、60代から70代前半が最後の勝負になります。

私はむしろ延ばしてきた寿命の中身をどのように充実させるかに注力すべきだと思うのです。身体的な健康や見た目を若返らせることが目標になると、どうしても老いることを軽視しがちになります。 最も大切なことは、老いていくことに新たな価値を見出す姿勢ではないでしょうか。できないことが増えるにしても、できることを楽しむ、自分が持っていないものではなく、持っているものを好きになる。こういう態度こそが健やかに楽しく暮らすことにつながるという感触を持っています。

いくらお金を貯めても、それを楽しく使えなくなれば、意味がありません。脳の衰えによってお金の管理もできなくなる可能性もあります。後期高齢者になれば、仕事も限定的になり、人間関係も希薄になることは避けられません。

60代になったら、自分が後期高齢者になったときのことをイメージし、その時代をどう生きるかについて考えておくべきです。60代と70代前半に何をすべきかを決め、行動に移すことが重要になります。最期のタイミングで、後悔しないよう60歳からのライフプラニングをスタートしましょう。

「リ・スターティングノート」で自分の頭を整理しよう!

人生を最後まで豊かに生き抜くためには、自分自身が元気なうちに「75歳からの生き方」を考えておき、できればノートなどに記しておきたいものです。私自身はそれを人生の「リ・スターティングノート」として、生涯、活用したいと考えています。  

著者は60代からのバケットリストである「リ・スターティングノート」を作成し、生きる指針をつくるとよいと言います。「やりたいことリスト」と「自分史シート」をつくることで、本当にやりたいことが見つかります。

「自分史シート」を書くことで、そ将来やりたいことのヒントがあることが少なくないと言います。自分の歩んできた道を丹念に綴っていくと、死ぬまでに自分が何をしたいのか、あるいは何をやり残しているのかが明らかになります。

この「リ・スターティングノート」作成の過程で一番大切なことは、自らの可能性を信じる力と本当にやりたいことを探る力です。残された時間はそれほど多くないため、可能性を広げるのではなく、むしろやりたいことを絞るべきです。75歳以降もやりたいことを実現させていくためには、何かを終わらせることも意識しておくとよいでしょう。

本当に自分が好きなこと、やっていて気持ちが良いこと、「これをやっている時が一番なのだ」といえる自分なりの居場所を確保することが肝心です。高齢期の「もう一度人生が始まるタイミング」にスポットを当てて「リ・スターティングノート」を作成するのです。

自由にお金を使って楽しむことができる期間には一定の限度があります。資産寿命の延命ばかりを考え、旅行に行くのをやめたり、美味しいものを食べることを我慢するのは考えものです。お金を使わないうちに、健康寿命が尽きてしまうこともあるのですから、その時々でしっかりと判断するようにしましょう。人口の多い後期高齢者が積極的にお金を使うことで、日本経済にも良い影響を及ぼします。

75歳からも自分の人生を楽しんでよいとマインドセットを変え、リ・スターティングノートを書くことで、自分の頭を整理できます。「健康寿命」「資産寿命」「労働寿命」「平均余命」の4つの命を考えながら、楽しく生きる方法を探りましょう。

 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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