脳と心が休まる 3分間おでこ瞑想: 「考えすぎ」から、「今、ここ」に集中! (藤井英雄)の書評

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脳と心が休まる 3分間おでこ瞑想: 「考えすぎ」から、「今、ここ」に集中!
藤井英雄
三笠書房

脳と心が休まる 3分間おでこ瞑想: 「考えすぎ」から、「今、ここ」に集中! (藤井英雄)の要約

「ぐるぐる思考」に悩む現代人に向けて、精神科医・藤井英雄氏が提案する「3分間おでこ瞑想」。おでこに手を当てて氣の流れを整えることで、扁桃体を鎮め、マインドフルネスを深めます。丹田や呼吸、チャクラを意識した具体的なワークも紹介され、心と体を「今、ここ」へ戻す実践法が学べる一冊です。

心配事の9割は起こらない?

悩みを忘れてクヨクヨしないことは練習次第で誰でもできるのです。(藤井英雄)

考えごとが止まらず、頭の中がぐるぐると回り続けてしまう──そんな経験はありませんか。 気がつけば、まだ起きてもいない未来や、すでに終わった過去のことで悩み、不安を抱えている。実際、多くの悩みは「今、ここ」に存在していないのに、私たちの思考は延々と同じところを回り続けてしまうのです。

そんな現代人に向けて書かれたのが、精神科医・藤井英雄氏による脳と心が休まる 3分間おでこ瞑想: 「考えすぎ」から、「今、ここ」に集中!です。 本書には、著者がこれまでに積み重ねてきたマインドフルネス研究の集大成ともいえる内容が詰まっており、「考えすぎ」に陥りがちな現代人が脳と心をリセットするための実践法が丁寧に紹介されています。(藤井英雄氏の関連記事

ベンシルバニア大学で行われた実験では、不安障害を抱える39人に対し、30日間にわたって心配事を記録してもらい、その後30日間追跡調査を行いました。その結果、なんと91.4%の心配事は実際には起こらなかったといいます。 つまり、ほとんどの悩みは現実には起きていないのに、私たちはそれを繰り返し考え続けてしまう。この状態を「ぐるぐる思考」、または「思考の反芻」と呼びます。

たとえ悩みがひとつであっても、それを何度も思い返していると、脳は次第に疲れてしまいます。しかもその多くは「今、ここ」には存在していないのです。存在しないものは、今この瞬間には解決できません。

解決できないまま思考だけが回り続け、やがて脳の“メモリ”は食いつぶされ、パフォーマンスが低下し、最終的にはフリーズしてしまう──。そうして心はうつ状態へと近づいていくのです。

ときに「もう悩まないと決めたのに、またクヨクヨしているじゃないか!」と、ふと気づく瞬間があります。実は、そこに大きなチャンスが潜んでいるのです。その“気づき”を強めて、客観視するためにできることがあります。それが「3秒ルール」です。

もし自分がぐるぐる思考に入っていると気づいたら、3秒以内に「ぐるぐる思考だ」「ぐるぐる思考をしていた」と、まるで実況中継のように口に出してみてください。このシンプルな動作だけで、思考の流れを断ち切る手助けになります。

そしてその気づきの先にあるのが、マインドフルネスという状態です。「あ、またクヨクヨしてしまった」と、自分の内面に気づけたとき──それこそが、今ここに心を戻す大きな一歩なのです。 とはいえ、現実は厳しく、意識はすぐに「今、ここ」から離れてしまいます。では、どうすればよいのでしょうか?

瞑想効果を高めるおでこ瞑想とは?

氣・血・水は連動して動くので、おでこに軽く手を当てて周辺の皮膚の血行を促すと、氣の流れも改善します。これがおでこ手当法です。

ぐるぐる思考が起こっている時に試していただきたいのが、本書で紹介されている「おでこ手当」です。 丹田に意識を向けながら、おでこ──つまり眉間にそっと手を添えるという、シンプルでありながら奥深い瞑想法です。わずか数分で、意識を「今、ここ」へと戻すサポートをしてくれます。

氣・血・水は連動して流れています。おでこに軽く手を当てることで皮膚の血流が促進され、それにともなって氣の流れも整っていきます。

このおでこ手当には、もうひとつ大きな役割があります。それは、ストレスによって過剰に反応してしまう脳の防衛システム──扁桃体の興奮を鎮める働きです。 おでこに手を当てることで、過敏になった脳が静まり、前頭葉の活動──つまり創造的な思考や冷静な判断力が戻ってきやすくなります。 ただ手を添えるだけで、脳がリラックスし、活性化していく。この手軽さが、このメソッドの大きな魅力ではないでしょうか。

とくに眉間は、第六チャクラにあたる「サードアイ」の位置とされ、直感や洞察、気づきと深い関係があります。ここが整ってくると、思考に振り回されにくくなり、自然と心が静まりやすくなるのです。

著者は、「おでこ瞑想」を実践することで、チャクラが活性化すると述べています。 とくに大切なのは、実際の呼吸そのものよりも“イメージ”です。吸う息が肺に入るのではなく、鼻からそのままおでこ周辺、特に眉間のチャクラに向かって流れ込んでいくように想像してみるのです。

もちろん現実にはそうはなりませんが、あえてそのようにイメージすることで、マインドフルネスの状態が深まりやすくなります。 吐く息は、鼻でも口でも構わないと言います。自分が最もリラックスできる呼吸法で、無理のない範囲で続けていくことが大切です。

チャクラは眉間だけでなく、尾骶骨、丹田、みぞおち、胸、喉、頭頂部など、体の中心軸に沿って存在しています。 これらのチャクラをバランスよく活性化することで、心と体のエネルギーの流れが整い、より高い効果が得られるとされています。

このような瞑想を継続していくことで、マインドフルネスの状態が安定し、全身の氣の流れも自然と調和していきます。 心と体のバランスが整い、自分の中心にしっかりと戻ってくるような感覚が、少しずつ育まれていくのです。

また本書では、腹を据える、胸をこする、丹田と呼吸を整える站椿功(たんとうこう)、セロトニンを浴びる朝散歩、直感に従う──といった具体的なワークも紹介されています。 これらは誰でもすぐに始められる内容であり、氣の巡りを整え、丹田と眉間のチャクラを活性化する助けとなるものです。

瞑想をより深めたい方、「考えすぎ」から抜け出したい方、そして「今、ここ」に意識を向けたいと願う方にとって、本書は有益なヒントを提供してくれる一冊と言えるでしょう。

本書は藤井英雄氏からご恵贈いただきました。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

Ewilジャパン取締役COO
Quants株式会社社外取締役
株式会社INFRECT取締役
Mamasan&Company 株式会社社外取締役
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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