ネオフリーランス・スタイル “働き方”をデザインする、新しい自由業のカタチ
佐藤洋平
游藝舎

ネオフリーランス・スタイル “働き方”をデザインする、新しい自由業のカタチ(佐藤洋平) の要約
フリーランスという働き方は自由で魅力的ですが、同時に孤独や不安定さといったリスクも伴います。佐藤洋平氏の『ネオフリーランス・スタイル』は、そうした課題に向き合いながら、仲間と信頼でつながる新しい働き方を提案する一冊です。スキル・営業・健康という3つの視点での自己管理に加え、SNS発信による信頼の蓄積や、複数のスキルを掛け合わせることで生まれる“自分だけの価値”について紹介されています。
新しい働き方、ネオフリーランス・スタイルとは何か?
優秀なフリーランスの方々に共通しているのは、「良い仲間に恵まれている」ことです。一人では切磋琢磨するのも難しいもの。仲間たちと情報共有しながら、ときに刺激をもらいながら仕事をしていくことで、市場から求められることは一体何なのか、理解を深めていくのです。(佐藤洋平)
フリーランスという働き方が広がる一方で、そこには自由と引き換えに抱える孤独や不安定さといった課題もつきまといます。会社という組織に属さず、自分の力で生きていく。その選択には大きな魅力がある一方で、誰にも頼れず、自分の価値を見失いかける瞬間もあるのが現実です。
こうした現代の働き手たちが直面する課題に対し、実践的な道しるべを示してくれるのが、佐藤洋平氏のネオフリーランス・スタイル “働き方”をデザインする、新しい自由業のカタチです。 佐藤氏は、Web業界での実務経験を経て独立し、現在は株式会社BOTANICOの代表として、多くのフリーランスやクリエイターと共にプロジェクトを推進しています。
現場でのリアルな体験をベースにした本書だからこそ、読み手の心に響く提案が詰まっています。 本書では、ひとりで完結する既存のフリーランスの働き方から脱却し、仲間との信頼関係をベースに成果を生み出す新しいフリーランスのスタイルを「ネオフリーランス」と名付け、その在り方を著者の体験とケーススタディの両面から丁寧に掘り下げています。
正社員という枠組みから自由になりたいと考えている会社員、あるいは独立したものの、もっと自分らしく働きたいと模索しているフリーランスにとって、本書はこれまでになかった視点と気づきを与えてくれる内容です。
私自身、広告会社を辞めて独立してから10年以上が経ちますが、正直に言えば、本書がその頃に手元にあれば、避けられた失敗や遠回りがたくさんあったと感じています。知識やノウハウだけでなく、孤独や不安とどう向き合うか、どんな仲間とどのようにつながっていくか──そうした働く上で本当に大切なことが、言葉にされているからこそ、心に響くのです。
本書の魅力は、単なるノウハウ集ではない点にあります。クライアントとの良好な関係、チームの作り方、パーソナルブランディングといった実践的な知識はもちろんのこと、独立初期に感じがちな不安や迷いにどう向き合うべきかといった、心の在り方にも踏み込んでいます。
お客さまからの要望をただそのまま受け取るのではなく、言葉の奥にある本当のニーズを汲み取り、必要であればプランBを提案できる。そんな“ひと味違う”フリーランスが、いま現場では求められています。
先回りの提案力や、柔軟な対応力は、一緒に働きたいと思ってもらえる信頼の源です。 その信頼を築いていくための手段として、SNSの活用も本書では強く推奨されています。
SNSは、自分の経験や価値観を発信することで「資産化」できるだけでなく、自分自身を客観的に見つめ直す「自己成長」の場でもあります。習慣として続ければ、自分の言葉が蓄積され、やがて大きな信頼や評価につながっていきます。SNSやブログでの情報発信は、自分でコントロールでき、習慣化できる活動です。
私自身も、ビジネス書の書評をブログやSNSで発信し続けてきましたが、そこからさまざまなネットワークが生まれ、著者や編集者、経営者とのつながりが強化されていきました。その結果として、本の出版や連載のオファー、さらにはコンサルティングの相談まで舞い込んでくるようになったのです。
仲間をつくることで得られること
一緒に売上や成長を伸ばしていきたいフリーランスだからこそ、良いお客さまからビジネスパートナーとして選んでもらえる。
「お客さまも仲間と考える」ことは、ネオフリーランス・スタイルで成功するための最大の秘訣です。これは自分たちの成功だけを意味するのではありません。お客さまに成功していただこうとしたときには欠かせない考え方だと思っています。なぜなら、プロジェクトを成功させるには、「同じ山頂を共にめざす」という意識が共有されていなければ難しいからです。
もちろん、フリーランスとしてのスキルは重要です。しかしそれ以上に、「またこの人と仕事をしたい」と思ってもらえる人間的な魅力こそが、長く選ばれ続ける理由になります。一緒にいて心地よい、前向きな気持ちになれる、話していて楽しい。そう思ってもらえるかどうかが、仕事の質にも、関係性の深さにも直結します。
自分のやりたいことを宣言し、旗を立てることの重要性です。私も著者になりたい、社外取締役として上場したい、大学教授になりたいと自分の目標を明確にし、宣言することで、多くの人達から見つけてもらえ、応援してもらえました。自分のビジョンから逆算し、小さなアクションを起こすことで、さまざまな夢を実現できたのです。
自分にとってどんなスキルと仲間が必要か、おぼろげながらもイメージできたところで、次は、自分がどんな「人」と仕事をしていきたいかを明確にしていきましょう。フリーランスであればスキルがあるのは当たり前。その上で大事になるのが、お互いの相性です。人が集まって働くのですから、価値観や性格、働き方の相違なども、仕事の質や生産性に大きく影響するからです。
フリーランスは自分から仲間と連携する環境をつくり、成長の機会を増やす必要があります。みんなで問題解決することで、フリーランス同士であっても、「次回も一緒に仕事をしたい」と思えるような関係が築けます。お互いに成長するので仕事の質も規模も上がっていくのです。私も数人の仲間とチームを組み、プロジェクトベースで仕事を行っていますが、こうすることでより大きな仕事を長期的に担当できるようになりました。
そしても、これからの時代に欠かせない視点が「スキルの掛け算」です。自己投資によってスキルを多様化し、それぞれを掛け合わせていくことで、自分にしか提供できない価値を生み出せるようになります。
私は著者として書籍を出版し、大学で教えるようになり、社外取締役やIPO支援といった仕事にも関わる中で、マーケティング✖️IPO✖️資金調達✖️教育という掛け算が自然と生まれていきました。その結果、オンリーワンの存在として活動できるようになりました。
スキル単体では代替が効いてしまう時代ですが、掛け合わせることで「その人にしかできないこと」が明確になります。ネオフリーランスとして生きていくうえでも、この「自分だけの武器」を育てる視点は非常に重要です。
良い仲間がいれば、「できること」が増えます。
良い仲間がいれば、苦手な領域を補い合えます。
良い仲間がいれば、スキルアップしていけます。
良い仲間がいれば困ったときに助け合えます。
良い仲間がいれば孤独から自分を守れます。
著者が一貫して強調するのは、「仲間」を持つことの価値です。ここでいう仲間とは、クライアントやスタッフ、協業パートナーを含みます。関係性が深まるほど、得られるものは売り上げや利益だけにとどまりません。信頼や学び、次の機会といった目に見えにくい恩恵が、仕事の広がりと持続性を静かに支えていきます。 私自身も、仲間の存在に何度も救われてきました。だからこそ、このメッセージには強い共感を覚えます。
スキルや実績だけで突き進む時代はすでに終わりを迎えつつあり、今求められているのは、信頼を土台にしたつながりの中で価値を共創していく働き方です。特に、孤独になりやすいフリーランスだからこそ、「ひとりで完結しない働き方」をどう築くかが、これからの大きなテーマになるのではないでしょうか。
本書の中で著者は、フリーランスとして持続的に活動していくためには、スキルだけでなく、営業や健康といった多角的な視点から自分を整える必要があると語ります。そのポイントは、以下の3つに整理されています。
《スキル面》
・専門分野での高いスキルを持つこと
・時代の変化に適応する柔軟さを持つこと
・良好な仕事関係を築くコミュニケーション力
《営業面》
・発信力を高め、新しい顧客とつながること
・リピーターを増やし、信頼を積み重ねること
・複数の収入源を持ち、経済的な安定を図ること
《健康面》
・身体のコンディションを整えること
・精神的な安定を保つこと
・自分の心を守る意識を持つこと
これらは、派手なテクニックではなく、地に足のついた「継続の技術」です。長く選ばれるフリーランスであり続けるためには、日々の丁寧な積み重ねこそが最も強い武器になることを教えてくれます。
この本には、著者の実践と信頼に裏打ちされたリアルが詰まっています。働き方が多様化し、何が正解かわからない時代だからこそ、「どう生きるか」「どう人と関わるか」といった根源的な問いにしっかりと向き合わせてくれる内容に仕上がっています。
これからの時代を、柔軟かつ豊かに働いていくためのヒントが、この一冊には凝縮されています。フリーランスとして生きる人はもちろん、働き方を見直したいと考えるすべての人に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
















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