自分を変える技術 1分で人生を変える行動イノベーション
大平信孝
ソシム

自分を変える技術 1分で人生を変える行動イノベーション (大平信孝)の要約
大平信孝氏の『1分間行動イノベーション』は、「50秒セルフトーク」と「10秒アクション」で構成される、誰でもすぐに取り入れられるシンプルなメソッドです。「本当はどうしたいのか?」と自分に問いかけ、感じた欲望をもとに小さな行動を即実行する。その繰り返しが習慣となり、やがて大きな変化を生み出していきます。
1分で人生を変える「行動イノベーション」と50秒セルフトーク
たった1分で人生は変わる。(大平信孝)
今から10年以上前のことになりますが、サラリーマンを辞めようと決意したタイミングで、私の心の中には不安が渦巻いていました。やりたいことはたくさんある。だけど、自信が持てない。本当に独立してうまくやっていけるのか?そんな問いが何度も頭をよぎり、結局行動できずにいた自分がいました。
当時の私は、そんなモヤモヤとした気持ちをどうにかしたくて、アドラー心理学の本をよく読んでいました。アドラーの言葉に触れるたびに、少しずつではありますが、行動する勇気が湧いてきたのを覚えています。
『「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ』「人間は自分の人生を描く画家である。あなたを作ったのはあなた。これからの人生を決めるのもあなた」──そんな言葉が、当時の私に行動する勇気を与えてくれました。
今回、大平信孝氏から自分を変える技術 1分で人生を変える行動イノベーションをご恵贈いただきました。ページをめくるうちに、久しぶりにアドラーのエッセンスに再び触れることになり、懐かしさと同時に、新たな気づきがありました。まさに、過去の自分と今の自分が交差するような読書体験でした。(大平信孝氏の関連記事)
本書の中でも特に印象的だったのは、「行動したければ、言葉ではなく、欲望を使え」という一節でした。私たちは行動の動機を見つけようとする際、つい「やりたいことは何か?」という問いを頭で考えがちです。
しかし著者は、そうした思考のプロセスだけでは、本当の欲望にはたどり着けないと指摘しています。 私たちが持つ“本当の欲望”は、理屈や論理からは生まれません。むしろ、それは体の感覚や心の揺れといった、より直感的な領域から自然と立ち上がってくるものです。
つまり、自分の欲望を正しく理解するためには、頭の声だけでなく、体の声、心の声にも意識を向ける必要があるということです。
本書では「欲望=頭の声・体の声・心の声」というフレームワークが紹介されています。これは、自分自身の内面を多面的に捉え直すうえで非常に有効であり、欲望を「思考」ではなく「感覚」として捉えるという視点を与えてくれます。
実際にこの考え方を取り入れることで、自分の中で何が大切で、どのような行動が本質的な欲求につながるのかをより明確に理解できるようになりました。 この気づきを日常の行動に落とし込む手段として、本書では「1分間行動イノベーション」というシンプルなメソッドが紹介されています。
これは、50秒のセルフトークと10秒のアクションで構成されており、わずか1分間で思考から行動へとつなげる仕組みです。日常に無理なく取り入れられる点においても、非常に実用的な手法と言えるでしょう。
まず、「本当はどうなりたいのか?」という問いを通じて、自分の理想や望ましい未来をイメージします。ただし、必ずしも壮大なビジョンである必要はありません。「今日は何が食べたいか」といった、感覚的で身近な問いからスタートしても構わないのです。
自分に対していくつかの質問を重ねていくうちに、頭や体、心がどのように反応するかに注意を向けることで、内側にある本音が少しずつ明らかになっていきます。
たとえば、「残業をせずに、ゆっくりと本を読みたい」と感じたとします。そうしたときには、「どんな本を読みたいのか?」と問いかけてみると良いでしょう。もし「ビジネス書」と答えた場合は、今の自分が成長や学びを求めている状態にあることが見えてきます。
一方で、「何も考えずに没頭できるミステリー小説」と感じたのであれば、心がリラックスや休息を必要としていることがうかがえます。このように、問いを通して自分の状態を客観的に捉えることができるようになると著者は述べています。
10秒アクションを習慣化する!
50秒セルフトークだけでは人生は変わらない。
「50秒セルフトーク」は、内省を深めるうえで非常に有効な手法です。問いを通じて自分の内面にアクセスし、欲望の本質に触れることができます。しかし、それだけでは人生は変わりません。変化を生み出すには、どんなに小さなことであっても「行動」が伴っていなければなりません。
問いによって気づきを得たあと、実際に一歩踏み出す。この流れが、現実を動かすための鍵となります。 「大きな夢を実現するためには、目の前の10秒でできることから始めるしかない」という著者のメッセージには、大きな示唆があります。
1分間で未来を描き、今すぐできる小さなアクションを決め、即実行する。このシンプルなサイクルを習慣化することで、私たちの人生は確実に変化し始めます。
この「アクション」は、自分が本当に望んでいる姿に近づくための一歩である必要があります。たとえば、「ハワイのような気持ちのよい場所で暮らしたい」という願望に気づいたとします。そうであれば、その未来につながる行動を今すぐ選択することが求められます。
もちろん、10秒で実行できる行動は非常に小さなものです。たとえば、ふせんに「ハワイ」と書くことや、「明日、本屋に行ってハワイで暮らしている人の本を探してみよう」と決めるだけでも構いません。
重要なのは、思考で終わらせずに、行動に移すことです。この一歩が引き金となり、ハワイ関連のコミュニティに参加したり、イベントに足を運んだりと、さらなる展開につながっていく可能性が生まれます。最終的には、短期滞在や移住のような現実的なステップが実現するかもしれません。
10秒が習慣化すれば、自然と行動量と行動の質がアップする。
10秒の行動が習慣化されることで、行動の量と質は間違いなくアップします。私自身も、毎朝この原則を取り入れています。たとえば、この書評ブログを書く習慣も、最初は「パソコンを開く」「1行だけ書いてみる」というごく小さな行動から始まりました。
書評を書くという行為は、読者やクライアントに価値ある情報を届け、著者や編集者に貢献するという目的につながっています。そのビジョンを思い出すだけで、脳が前向きに働き始めるのです。読者からのお礼の言葉がモチベーションになり、この書評ブログは15年以上毎日更新を続けることができています。
実際に、私はこのブログを毎朝書き続けることによって、自身のパーソナルブランドを着実に強化することができました。継続的に情報を発信し続けたことで、信頼が積み重なり、連載や出版の依頼に加え、コンサルティングのご相談をいただく機会も増えていきました。さらには、社外取締役としての上場への関与や、大学で教壇に立つといった機会を得られた背景にも、間違いなくこの「小さな行動を習慣化する力」があったと実感しています。
著者が提唱するプロセス「自分で決める(仮決めでよい)」→「行動する(10秒アクション)」→「自信が育つ」→「勇気が出る」→「挑戦できる」は、実際に行動が加速していくメカニズムをシンプルに言語化しています。
大平氏の「1分間行動イノベーション」は、心理的な負荷を最小限に抑えつつ、自分の内側にある欲望と現実の行動をスムーズに結びつけていくシンプルな仕組みです。「行動できない」状態を感情論ではなく構造的に見直し、「どうすれば動けるのか?」を自分自身の中から導き出せる点に、このメソッドの大きな価値があります。
特別な道具や時間は必要ありません。必要なのは、1分という短い時間と、ほんの少しの意識の切り替えだけです。50秒のセルフトークで本当の欲望に気づき、10秒の小さなアクションを積み重ねる。この小さな習慣が、気づけば自分を前に進め、現実を確実に変えていく力となります。
「変わりたいけれど動けない」と感じている方にこそ、このメソッドは強く機能します。行動は、大きな意志や完璧な計画から始めなくてもいい。小さく始めて、継続することで、大きな成果に必ずつながっていきます。行動が変われば、人生は変わる。その一歩を踏み出す準備として、「1分間行動イノベーション」は、非常に有効な選択肢になるはずです。
本記事は書評ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大が執筆しました。
















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