面白いほど成功する 運の大原則 「突き抜ける人」の脳の使い方 (西田文郎)の書評

書籍:面白いほど成功する 運の大原則 「突き抜ける人」の脳の使い方
著者:西田文郎
出版社:清談社
面白いほど成功する 運の大原則 「突き抜ける人」の脳の使い方の書影

 サラリーマンを辞めて独立してから、私は多くの経営者や事業リーダーと仕事をする機会に恵まれてきました。ベンチャー企業の経営会議に参加したり、起業家の挑戦を支援したりするなかで、何度も感じてきたことがあります。

それは、「運が良い人には、共通する行動がある」ということです。 大きなチャンスをつかむ人は、単に偶然に恵まれているわけではありません。人との縁を大切にし、目の前の相手に誠実に向き合い、そこから生まれたつながりを次の機会へと育てています。また、社会や市場の変化にも敏感で、まだ多くの人が気づいていない兆しを捉えています。

私自身も、独立後の仕事の多くは、人からの紹介や思いがけない出会いから広がってきました。社外取締役やアドバイザー、大学での仕事、スタートアップ支援なども、最初から綿密に計画して手に入れたものばかりではありません。人との縁を大切にし、面白いと思った機会にはまず動いてみる。その積み重ねが、新しい仕事や出会いにつながってきました。

こうした経験から、私は運とは単なる偶然ではないと考えるようになりました。縁を大切にすること、変化の兆しに気づくこと、そして好機が訪れたときに迷わず行動すること。その積み重ねが、結果として「運の良い人生」をつくっていくのだと思います。 

興味深いのは、そうした経営者ほど自分の成功を「運が良かった」と語ることです。しかし、その歩みを丁寧に見ていくと、運を引き寄せる考え方や行動には一定のパターンがあります。つまり、運は完全に偶然任せのものではなく、日々の判断、人間関係、行動の積み重ねによって生まれる部分があるのです。

では、運が良い人は、どのように思考し、行動しているのでしょうか。その疑問に対して、独自の答えを提示するのが、西田文郎氏の著書『面白いほど成功する 運の大原則――「突き抜ける人」の脳の使い方』です。西田氏は長年、トップアスリートや経営者へのメンタルトレーニングを行い、人間の成果は能力や努力だけでなく、感情の状態、人とのつながり、意思決定の質によって大きく変わると説きます。

本書の中心にあるのが、「氣・縁・運」という考え方です。まず自分自身の状態を整える「氣」があり、そこから人との「縁」が生まれ、その積み重ねが「運」につながっていくという構造です。

これはビジネスにも通じます。成果を出す経営者は、論理や知識だけでなく、信頼関係を築き、情報や人材が集まる環境をつくっています。その結果として、新しい案件や協業、予想外のチャンスが生まれます。

AIが情報収集、分析、比較、要約を高速化する時代には、論理的に正しい答えを出すことだけでは差別化しにくくなります。これから重要になるのは、「誰と仕事をしたいか」「誰を応援したいか」と思われる人間関係の力です。

本書が説く「他喜力」も、自分の成功だけでなく、相手を喜ばせ、価値を提供する姿勢が縁を広げ、結果として運につながるという考え方です。 運が良い人とは、失敗しない人ではありません。失敗や予想外の出来事を引きずらず、そこから学び、次の行動へ変換できる人です。

本書では、「三氣法」「クリアリング」「五運の連動」などを通じて、運を偶然ではなく、自分の状態、人との縁、行動習慣の積み重ねとして捉え直します。運を味方につけるとは、自分で変えられる領域に集中し、信頼と行動を積み上げることなのです。

この記事でわかること

・AI大変革期に生き残る「100社100物100人の法則」と、AIには絶対に持てない「魂」の力
・なぜ一般的な自己啓発は失敗するのか?「知性の脳」と「感情の脳」の不一致が引き起こすブレーキの正体
・絶体絶命のピンチでマイナス感情を3秒で断ち切る「クリアリング術」の実践テクニック
・本番で120%の力を出すための、生命エネルギーを自在に操る「三氣法(蓄える・練る・締める)」
・「天運×地運×人運×時運×自運」の5つを掛け算にし、究極の強運を生み出す大成功者の方程式
・損得勘定でブレーキをかける「心」と、限界を突破させる「魂(他喜力)」の決定的な違い
・天運を引き寄せる「命の4つの次元(宿命・運命・使命・天命)」のプロセスと昇華の方法
・「五運」とは何か?金運・健康運・仕事運・家庭運・人気運が連動している実態

30秒でわかる本書のポイント

【結論】
・運という青い鳥は外の世界にあるのではなく、自分自身の「脳」の中に住んでいる。
・運は占い師に頼ったり偶然を待つものではなく、自らの脳の「入力と出力の法則」をコントロールし、創り出す「必然のネットワーク」である。
・AIの進化によって論理計算がコモディティ化する中、リーダーを突き抜けさせるのは、脳の最深部(統合野・RAS)が弾き出す「直感の知性」と、損得勘定を超えて他者を喜ばせようとする「魂のエネルギー(他喜力)」である。
・運命を劇的に変える大成功者たちは、「天運・地運・人運・時運」という要素に、自らの主体的な言葉と行動である「自運」を掛け合わせ、さらに「100社100物100人の法則」を生き抜く本物の魅力を放っている。
【原因】
・一般的な目標設定や自己啓発が挫折するのは、理屈を司る「知性の脳」だけに目標を入力しているから。
・絶体絶命のピンチでは、奥にある「感情の脳(扁桃核)」が瞬時に「逃げたい(不快)」と判断し、強力なブレーキをかけてしまう。
・ミスや失敗をしたときに、マイナスの出来事を引きずって考えれば考えるほど、「失敗した自分」という否定的なデータが脳に深く刻み込まれてしまう。
・社会生活で身についた「心(損得勘定)」だけで物事を判断するため、本当に苦しい局面で「これ以上やっても大損だ」と脳が強烈なブレーキをかけてしまう。
【対策】
・マイナスの感情が湧いたときは、特定の動作と言葉(アンカリング)を使って、3秒以内に思考を上書きし、脳のマイナス回路を強制的にシャットダウンする(クリアリング術)。
いざという本番では、無理に気合を入れるのではなく、「氣を蓄える➔氣を練る➔氣を締める」という三氣法のステップを守り、脳を最適な戦闘状態(メンタルヴィゴラス状態)にセットする。
・自分のルーツであるご先祖さまに強烈な誇りを持ち、損得を抜きにして「大切な人を最高の笑顔にしたい」という魂の喜び(他喜力)に従って行動し、究極の天運のバトンを未来へつなぐ。

本書の要約

西田文郎氏の『面白いほど成功する 運の大原則』は、曖昧な精神論として片付けられがちだった「運」の正体を、脳科学のメカニズムから体系化した記念碑的な一冊です。

著者はまず、誰にでも平等に訪れる一時的な「ツキ」と、時間をかけて育てる「運」を厳格に区別します。 多くの自己啓発やメンタルトレーニングが挫折する理由は、理屈を司る「知性の脳(大脳新皮質)」だけで目標を設定し、奥底にある「感情の脳(扁桃核)」が「逃げたい(不快)」とブレーキをかけてしまう点にあります。

著者が提唱する「SBT(スーパーブレイントレーニング)」は、この脳全体を連動させ、プラスのイメージ、感情、言葉を一致させることで「メンタルヴィゴラス状態」を創り出します。

その実践として、マイナス感情を3秒で断ち切る「クリアリング術」や、本番で120%の力を発揮するための「三氣法(氣を蓄える・練る・締める)」が紹介されます。そして、自らの主体的な行動である「自運」をエンジンとし、「天運・地運・人運・時運」を掛け算で増幅させることで、占いなどに頼らない「必然の運のネットワーク」が完成するのです。

さらに本書の終盤では、AI時代を生き抜くための「100社100物100人の法則」が提示されます。AIは過去のデータを論理的に計算し、損得を完璧に判断します。しかし、AIには「大切な人を幸せにしたい」と涙を流すような「魂」がありません。

だからこそこれからの時代は、損得の「心」を超越し、純粋な愛と感謝にあふれた「魂の他喜力」を持つ人間(本物)だけが、圧倒的な魅力を放ち、世界中から求められるようになります。論理的計算をAIに任せ、人間の脳の奥底に眠る「直感の知性」と「命の4次元(宿命・運命・使命・天命)」を覚醒させ、運命をみずからの手で力強く切り拓くための最強の実践書です。

こんな人におすすめ

・「AIに自分の仕事が奪われるのではないか」という漠然とした不安を抱え、これからの時代に人間としてどう価値を発揮すべきか悩んでいるビジネスパーソン
・過去に数々の自己啓発本や目標設定メソッドを試したものの、いざというピンチの場面で心が折れて挫折してしまった経験がある人
・失敗やミスを引きずりやすく、すぐに「自分はダメだ」とマイナス思考に陥ってしまう癖を、脳科学的なアプローチで根本から直したい人
・大きなプレゼンや勝負所で極度に緊張してしまい、本来の実力を発揮できずに悔しい思いをしているリーダー
・「ギブの精神」で人に尽くしているはずなのに、損得勘定が邪魔をして人間関係で疲弊し、成果に結びついていない人

本書から得られるメリット

・一般的なメンタルトレーニングが失敗する「感情の脳のブレーキ」の正体がわかり、SBTによるアプローチでどんな逆境でも心が折れないメンタルが手に入る
・ミスをした瞬間にマイナス感情を断ち切る「3秒ルール」や、本番前に脳を最適な戦闘状態にセットする「三氣法」が身につき、プレッシャーに圧倒的に強くなる
・「自運(意識と行動)」をエンジンとして、「天運・地運・人運・時運」を掛け算で増幅させる
・大成功者の運の生み出し方が身につき、偶然に頼らない必然の運を構築できる
・AIが得意な「流動型知性(論理)」と人間固有の「結晶型知性(直感)」の違いが明確になり、AI時代に本当に磨くべき「魂の能力」にフォーカスできる
・「五運(金・健康・仕事・家庭・人気)」の連動性が理解でき、仕事運だけを追い求めて足元の家庭運や健康運から崩壊していく最悪のパターンを未然に防げる 

「ツキ」と「運」の違いとは?

運の前提となる「氣」を高め、そして「縁」を大切にする ことである。(西田文郎)

ビジネスの世界で長年にわたり突き抜けた結果を出し続けている人物と対話すると、彼らは異口同音に「自分は運が良かった」「素晴らしい人たちとのご縁に恵まれた」と口にします。しかし、その言葉を「単なるラッキーな偶然」として片付けてしまっては、本質を見誤ることになります。

彼らの行動を構造的に分析すると、一時的なチャンスを逃さず捉えながらも、持続的な成功を支える土壌を極めて論理的かつ誠実に耕し続けていることが分かります。

西田文郎氏は『面白いほど成功する 運の大原則 「突き抜ける人」の脳の使い方』の中で、世間が混同しがちな「ツキ」と「運」を、本質的に異なる概念として鮮やかに切り分けています。

「ツキ」とは、誰の目の前にも公平に訪れる「チャンスの波」を指します。市場の急激な構造変化などは「ツキ」の範疇であり、直感を働かせてタイミングよくつかみ取るものです。

一方で「運」とは、「苦難」という過酷な土壌に深く根を張り、それを乗り越える過程で時間をかけて大きく花開かせるものです。感覚やタイミングの良さだけで、手軽に手に入れられるものではありません。

では、なぜ多くの人が「運を育てよう」「大きな目標を達成しよう」と自己啓発やメンタルトレーニングに取り組んでも、途中で挫折してしまうのでしょうか。その理由は、意志の弱さではなく、「脳の構造的なアプローチの間違い」にあります。

人間の脳は、「知性の脳(大脳新皮質)」「感情の脳(大脳辺縁系)」「本能の脳(脳幹・大脳基底核)」の3階建て構造になっています。

世の中の一般的な目標設定やモチベーション管理の手法は、論理的思考を司る一番外側の「知性の脳」の「一部分」にしかアプローチしていません。知性の脳だけで「今期の売上目標を絶対達成しよう」と理屈で考えているだけの状態なのです。

しかし、ビジネスの現場で絶体絶命のピンチに陥ったときや、血を吐くような苦しい局面(ハードシングス)に直面したとき、奥底にある「感情の脳(扁桃核)」がコンマ数秒で「苦しい、逃げたい(不快)」と判断してしまいます。

すると、全身の筋肉を硬直させ、思考を完全に停止させるという強力なブレーキをかけてしまうのです。これが、人が目標達成の途中で挫折してしまう真の理由です。

3秒でマイナス感情を断ち切る「クリアリング術」 では、この脳の構造的欠陥を乗り越え、最強の脳状態(メンタルヴィゴラス状態)を維持するにはどうすればよいのでしょうか。どれほどプラスの入力を心がけていても、ビジネスの現場では予期せぬトラブルや痛恨のミスが必ず発生します。

このとき、凡人と強運者を分かつのが、マイナス感情を処理するスピードです。 人間はミスや失敗をしたとき、落ち込んだり、悩んだりしてしまいます。しかし、マイナスの出来事を引きずって考えれば考えるほど、「失敗した自分」「ダメな自分」という否定的なデータが脳のネットワークに深く刻み込まれてしまいます。

マイナスの時間が長引くほど、扁桃核は「不快」を感じ続け、能力を発揮するためのプラスのホルモンの分泌を完全にストップしてしまうのです。 だからこそ、脳にマイナスのデータが定着してしまう前の「3秒以内」に、強制的に思考を上書きし、脳を肯定的な状態(快)へと導く必要があります。

西田氏のSBT(スーパーブレイントレーニング)では、この一瞬でマイナス感情を消し去る能力を「クリアリング能力」と呼んでいます。 具体的なテクニックとして、著者は「3秒ルール(アンカリング)」を推奨しています。

特定の動作と感情をセットにして記憶させる「アンカリング(条件づけ)」という手法を使います。マイナスの感情が湧いた瞬間、あらかじめ決めておいた特定の動作(指を鳴らす、深呼吸するなど)を行います。そして、その動作とともに、「よし、次!」「大丈夫だ!」「なんだか面白くなってきたぞ!」と強気で前向きな言葉をつぶやくのです。

これをセットで行うことで、脳のマイナス思考回路が強制的にシャットダウンされ、ネガティブな感情がフッと途切れます。そして、口に出したポジティブな言葉に脳が素直に反応し、一瞬にして扁桃核のスイッチが「不快」から「快」へと力強く切り替わるのです。 このクリアリング術は、いざという大舞台のプレゼンや本番で100%発揮するために、日々の練習や日常の仕事のなかから実践しておくことが不可欠です。

職場で上司に叱られたとき、日常のちょっとしたトラブルが起きたとき。そうした、ささいなピンチの場面でこそ「よし、次!」と指を鳴らし、マイナスの感情を3秒で断ち切る訓練をワクワクしながら続けていけば、あなたの脳のネットワークは確実に「強運体質」へと進化していくのです。

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 強運を育てる「三氣法」と五つの運の整え方

目に見えない「氣」を自在に操る「三氣法」。

西田氏の「三氣法」と二つの「五運」は、成果を保証する法則ではなく、準備・環境・人間関係を見直す枠組みとして読むと実務に生かせます。 気持ちを落ち着けられるようになった後、重要になるのは、本番に向けて心身の状態を整えることです。

西田氏はその過程を「氣を蓄える・氣を練る・氣を締める」という三氣法で説明しています。 まず「氣を蓄える」とは、負荷の高い仕事の後に休息を取り、次の課題に向かう余力を回復させることです。十分に休まず新たな仕事を重ねれば、集中力や判断力に影響する可能性があります。睡眠を確保する、予定に余白をつくる、静かな場所で過ごすなど、自分に合う方法で状態を整えます。

次の「氣を練る」は、目標に向けて準備を進める段階です。本番を具体的に想定し、必要な資料を確認し、想定される質問や問題への対応を考えます。前向きな言葉を使うことも、挑戦への抵抗感を和らげる助けにはなります。ただし、成功を思い描くだけで結果が変わるわけではありません。実際の準備と組み合わせることが重要です。

最後の「氣を締める」は、本番直前に注意を目の前の課題へ向けることです。深呼吸する、話し始める前に姿勢を整えるなど、一定の動作を決めておけば、落ち着いて行動に移るきっかけになります。特定の動作によってホルモンが爆発的に分泌され、必ず実力以上の成果が出るといった説明は避けたほうが正確です。

この三段階を実務に置き換えれば、回復する、準備する、本番に集中するという流れです。重要な商談や発表の前に、自分がどの段階を省略しがちかを確認するだけでも、行動を見直せます。

西田氏はさらに、「天運・地運・人運・時運・自運」という五つの観点から、成果を取り巻く条件を捉えています。これらを掛け合わせれば「究極の強運」になるという表現は、数学的な公式というより、複数の条件が重なって結果に影響することを示す比喩と考えられます。
・自運
自分の意思で選び、行動することです。失敗した場合も原因を振り返り、次の判断を変える力が含まれます。

・天運
生まれ育った条件など、自分では選べなかったものをどう受け止めるかという視点です。感謝の対象や表し方は人によって異なります。

・地運
生活や仕事の環境です。作業に集中しやすい場所を整え、不要な負荷を減らすことは、自分で取り組めます。

・人運
他者との関係です。約束を守り、相手に役立つ行動を重ねることが、信頼関係の基礎になります。

・時運
社会の変化やタイミングです。情報を集めて機会を見極めることはできますが、最適な時機を必ず捉えられるわけではありません。

運命を劇的に変える大成功者たちは、この五つの運を「足し算」ではなく「掛け算」にして生かしている。「天運×地運×人運×時運×自運=究極の強運」という方程式だ。

この五つの運を掛け合わせることで、強運を引き寄せられるようになります。

西田氏は「天運・地運・人運・時運・自運」に加え、「金運・健康運・仕事運・家庭運・人気運」にも言及しています。前者は成果に影響する条件、後者は暮らしや活動の領域を捉える枠組みです。

この二つを分けて考えると、何を見直せるのかが明確になります。 たとえば、仕事の成果を優先して休息や家族との時間を削り続ければ、健康や身近な関係に負担がかかることがあります。反対に、体調が整い、周囲との信頼関係があれば、仕事上の問題にも落ち着いて対応しやすくなります。

ただし、一つの領域が変われば、ほかも必ず良くなる、あるいは悪くなるわけではありません。各領域は互いに影響し得るため、どこかに無理が生じていないかを確かめることが大切です。 そのために取り組めるのが、西田氏のいう「氣」を整え、すでにある縁を育てることです。

「氣」を日々の心身の状態や人との接し方を見直す視点として捉えると、具体的な行動につなげやすくなります。 十分な休息を取り、無理な予定を減らします。仕事で成果が出たときには、支えてくれた家族や仲間、取引先に感謝を伝えます。

紹介された相手との約束を守り、役立つ情報があれば届けます。こうした行動の積み重ねが、関係を維持し、信頼を築く基礎になります。 景気や他人の評価は、自分の思いどおりには変えられません。

一方で、休息の取り方、使う言葉、約束への向き合い方、誰と時間を過ごすかには、選べる余地があります。まずは健康、家庭、仕事のうち負担が大きくなっている領域を一つ確認し、今日から変えられる行動を決めることが大切です。

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AI時代を生き残る「100社100物100人の法則」と、魂の他喜力

時代は、いま、AIの進化によって、「100社100物100人」という本物だけが生き残る大変革期を迎えている。

本書の終盤において、西田氏はこれからのAI(人工知能)時代を生き抜くリーダーたちに向けて、極めて重要かつ痛烈なメッセージを発信しています。 いま、時代はAIの進化によって大変革期を迎えています。「AIに仕事を奪われる」と不安に怯えている人も多いでしょう。

人間の脳の知性には、「流動型知性(膨大なデータを記憶し論理的に処理する力)」と「結晶型知性(経験や感情を統合して直感を弾き出す力)」の二種類があります。過去のデータを論理的に計算し、損得を判断する「流動型知性」の分野において、人間はもはやAIに絶対に勝てません。

では、私たちがAI時代を力強く生き抜き、想像をはるかに超える大成功を収めるためには、どのような能力を磨けばいいのでしょうか。 これからの時代は、「100社100物100人の法則」の時代になると著者は断言します。

表面的な便利さだけを追求した商品は、すべて優秀なAIとロボットにとって代わられ、淘汰されていきます。その結果、世の中に残るのは、社会や人を心から豊かにしようという魂の理念を持った「100の会社」、つくり手の純粋な愛とこだわりがつまった「100の物(商品・サービス)」、そしてAIには絶対に真似できない人間的魅力と魂のエネルギーを持った「100人の人間(本物の成功者)」だけになるのです。

AIには「大切な人を幸せにしたい」と涙を流し、理屈を超えて誰かのために命をかける「魂」がありません。だからこそ、これからの時代は、純粋な愛と感謝にあふれた美しい魂を持つ人間だけが、圧倒的な魅力を放ち、世界中から求められるようになるのです。

社会的成功(目標)を目指して徹底的に能力を磨き上げながら、その根底には、つねに人間的成功(目的)という深い愛を据えておくこと。「絶対にトップに立つ(社会的成功)! なぜなら、トップに立ってこそ、あの人たちを最高の笑顔にできるからだ(人間的成功)!」と二つの成功をひとつに結びつけたとき、あなたの脳からは無限のエネルギーが湧き上がり、あらゆる困難を突破する最強の発揮能力が目覚めます。

損得だけを判断基準にする姿勢を少しずつ手放し、自分が心から価値を感じることや、大切な人を喜ばせられるかどうかを基準に行動することは重要です。純粋な喜びに基づいて行動を重ねるほど、脳の統合的な働きは高まり、直感の精度も磨かれていきます。

AI時代は、過度に恐れるべきものではありません。むしろ、人間が計算や定型作業から解放され、より人間らしい創造性や感性を発揮できる時代の到来と捉えることができます。

自らの命のルーツである両親や先祖への敬意を持ち、自身の直感や内なる声を信じながら、前向きに挑戦を続ける姿勢には大きな意味があります。損得を超えて相手を喜ばせる「他喜力」に基づいて行動するとき、良い氣と縁のネットワークが広がり、新たな機会や可能性を引き寄せやすくなります。 そのようにして切り拓かれた未来や積み重ねられた経験は、次の世代へと受け継がれていきます。

個人の挑戦や成長は、自分一人にとどまらず、子や孫、さらには未来を生きる人たちにも影響を与える可能性を持っています。だからこそ、自分らしい挑戦を続け、より良い人生を築いていくことには、大きな価値があるのです。

コンサルタント 徳本昌大のView

これまで数多くの経営者や新規事業開発のリーダーたちと膝を突き合わせてきましたが、事業を軌道に乗せ、危機を乗り越え、最終的に突き抜けていく人たちには、共通する「脳の使い方」があります。彼らは必要以上に自分を卑下せず、健全な自己肯定感を持ち、厳しい局面でも他責に逃げません。

そして、「この困難は乗り越えられる」と自らに語りかける肯定的なセルフトークによって、場の空気を前向きに変える力を持っています。私は、こうした姿勢こそが、結果として人を引き寄せ、流れを変え、運を味方につける土台になっていると感じています。

長年勤めた広告会社を辞めて独立して以来、私自身も本書で語られる「脳の入力と出力の法則」と「5つの運の掛け算」の威力を何度も体感してきました。独立当初は不安もありましたが、鏡の前で「今日も素晴らしい出会いがある」と自分に言い聞かせ、意識的にプラスの入力を増やすことで、気持ちを前向きに整えてきました。

これは単なる精神論ではありません。本書の優れているところは、感情の状態が思考と行動を左右し、その積み重ねが成果を分けるという構造を、SBTの考え方を通じて非常に明快に整理している点です。

要するに、運を偶然の産物ではなく、再現可能な仕組みとして捉え直しているのです。 この本の実務的な価値はとても大きいと感じます。

たとえば「クリアリング術」や「三氣法」は、日々のマネジメントや意思決定の現場でそのまま使えます。大型案件を逃したときや、思わぬトラブルが起きたとき、以前の私は失敗を長く引きずることがありました。しかし「3秒ルール」を意識するようになってからは、マイナス感情を素早く断ち切り、「では次の一手はどうするか」と未来志向に切り替えやすくなりました。

また、重要な商談や登壇の前に、「氣を蓄え、練り、締める」という三氣法を実践すると、自分の状態を整えやすくなり、本番での集中力や再現性が高まります。自己啓発書は抽象論で終わるものも少なくありませんが、本書は行動レベルにまで落とし込まれているところが強みです。 さらに本書には、単なるノウハウ本を超えた教養的な広がりがあります。

著者の西田文郎氏は、「心」と「魂」を分けて捉えます。損得で反応する心だけでなく、相手を喜ばせたいという他喜の心、つまり魂の次元から行動することの重要性を説いています。さらに、「宿命・運命・使命・天命」という命の4次元で人生を捉える視点は、リーダーが自らの役割を考えるうえでも示唆に富んでいます。

目先の成果を追うだけでなく、自分は何のために働くのか、何を次の世代に手渡すのかを問い直させてくれる点に、本書の深みがあります。

私自身、出張のたびに各地の神社を巡り、奥宮を目指すことがあります。それは、ご先祖さまや自然の恩恵への感謝を思い出し、自分の内側を静かに整える大切な時間です。これは本書でいう「天運」を意識する行為でもあります。

また、損得を超えて相手に価値を届ける「他喜力」を意識してきたことが、多くのご縁を生み、今の仕事につながってきました。こうした天運・地運・人運・時運・自運の掛け算で人生やキャリアを捉える視点は、本書の大きな魅力です。変えられないものを嘆くのではなく、自分で整えられる領域に集中する発想は、極めて実践的です。

そして本書が持つ意味は、AI時代にさらに大きくなっています。論理計算や情報処理、要約や比較は急速にコモディティ化し、正解を早く出すだけでは差がつきにくくなりました。だからこそ、これからのリーダーに求められるのは、AIには代替しにくい人間固有の力です。

本書が示す「100社100物100人の法則」は、その本質を鋭く突いています。どれだけ情報があふれても、最後に選ばれるのは「この人と一緒に仕事をしたい」と思われる人です。直感の知性、場を明るくするエネルギー、相手を喜ばせる姿勢、そして自分の使命を引き受ける覚悟。そうしたものが、AI時代の競争優位になっていくのだと思います。

運は、外からやってくる偶然の贈り物ではありません。他責思考を捨て、自分を整え、自分を信じ、マイナス感情を引きずらず、環境を整え、人に喜ばれる行動を積み重ねる。その一つひとつが脳の使い方を変え、人生の流れを変えていきます。『苦楽力』は、感情や言葉、イメージ、動作を通じて脳の反応を前向きに整え、行動力と自己効力感を高める実践書です。

3秒ルールや夜のルーティンなど、日常に取り入れやすい方法も多く、感情に振り回されず自分を整え、成果につなげたい人にとって実用的な一冊です。AI時代だからこそ、人間としての強みを磨き直したい人に薦めたい本です。

FAQ

Q1. AI時代において、人間が磨くべき「直感の知性」とは何ですか?

A1. 脳の知性には、論理的な計算やデータ処理を行う「流動型知性」と、過去の膨大な経験や感情、魂の思いを瞬時に統合して最適解を弾き出す「結晶型知性(直感の知性)」があります。流動型知性ではAIに絶対に勝てませんが、損得勘定のない魂のレベルで「ワクワクするか」「人を喜ばせられるか」を判断基準に生きることで、脳の深部にある統合野とRASが活性化し、AIには出せない「人間らしい最高の直感」を磨くことができます。

Q2. いざという本番で実力を発揮するための「三氣法」とは何ですか?

A2. 人間の生命エネルギーを自在に操り、プレッシャーの中でも120%の実力を出すための技術です。大きな仕事の後はまずしっかりリラックスして新鮮な氣を「蓄える」。次に日々の準備の中で「次はさらに凄い結果を出すぞ」と強気な言葉でマグマのように氣を「練る」。そして本番直前に特定の動作でポンと気合を入れて氣を「締める」。この順序を守ることで脳を最適な戦闘状態へと導きます。

Q3. ミスをして落ち込んだとき、どうやって脳を切り替えればいいですか?

A3. マイナスの感情を引きずると「ダメな自分」というデータが脳に深く刻み込まれてしまうため、「3秒以内」に断ち切る「クリアリング術(アンカリング)」を使います。指を鳴らすなどの動作とともに「よし、次!」「大丈夫だ!」と声に出すことで、脳のスイッチを強制的に「不快」から「快」へと切り替えてください。

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【書評】5秒ルール―直感的に行動するためのシンプルな法則(メル・ロビンズ)
やるべきだと分かっていても動けないのは、意志が弱いからではなく、脳が変化を避けようとする防衛反応のためです。メル・ロビンズの『5秒ルール』は、『5、4、3、2、1』と数えることで迷いや不安を断ち切り、行動のスイッチを入れる方法です。前頭前野を刺激し、考え込む前に動き出せるため、習慣化や目標達成を後押しします。
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最強Appleフレームワーク


この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

Ewilジャパン取締役COO
Quants株式会社社外取締役
Mamasan&Company 株式会社社外取締役
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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