『「誘える人」がぜんぶ手に入れる』書評──経営者こそ「誘われ待ち」をやめるとき

書籍:「誘える人」がぜんぶ手に入れる
著者:五百田達成
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

経営者や役員、プロジェクトのリーダーと対話していると、「最近、誰からも誘われなくなった」という声を聞くことがあります。立場が上がり、責任が重くなるにつれて、周囲が忙しさや上下関係に気を遣い、声をかけるのをためらう場合もあるのでしょう。

スケジュールが会食や会議で埋まっていても、気兼ねなく本音を話せる時間が十分にあるとは限りません。仕事上の役割を離れ、心から会いたい人と過ごす時間は、意識してつくらなければ後回しになりがちです。

私自身、社外取締役やコンサルタントとして経営者と接する中で、「本音で話せる相手がいない」と打ち明けられることがあります。責任の大きな立場にいるからこそ、仕事の課題を共有し、個人としての思いを話せる関係を持つことは大切です。

そうした人間関係を考えるうえで参考になるのが、心理カウンセラー・五百田達成氏の『「誘える人」がぜんぶ手に入れる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。

本書は、人を食事などに誘うための具体的な方法を紹介するとともに、自分から声をかけ、人との関係を育てていくことの大切さを伝えています。 「誘いたいけれど、断られたらどうしよう」「相手の負担にならないだろうか」とためらう人は少なくありません。

そうした不安があっても、相手が断りやすい形で声をかければ、関係を深めるきっかけが生まれるかもしれません。 仕事上の付き合いに加えて、誰と、どのような時間を過ごしたいのかを考え、自分から行動する。そうして築いた関係は、困ったときに相談できる支えにもなります。

本記事では、本書の内容を紹介しながら、経営者やビジネスパーソンにとって「自ら誘うこと」が持つ意味を考えます。さらに、AIなどの技術が進化する時代に、人と直接会い、対話する時間をどうつくっていくかについても掘り下げます。

この記事でわかること

・経営者やリーダーが陥りやすい「構造的孤独」の正体とその抜け出し方
・「ざわつく」直感を信じ、心理的安全性を死守する「選民思想」の重要性
・人間関係をこまめに「新陳代謝」させ、心地よいネットワークを維持する秘訣
・断られる恐怖や気まずさをなくす「がてら」戦法と「ご意向」の確認術
・自分自身の認知エネルギーを守りながら、良質なつながりを構築する意思決定のプロセス

30秒でわかる本書のポイント

【結論】
・自分の人間関係は「配られたカード」ではなく、主体的に「自炊」して選ぶことができる。
・「誰とでも仲良く」という道徳観を捨て、自分が心地よい人だけを選ぶ「選民思想」が心を豊かにする。
・誘うことは、誰とどう生きるかを決める「人生の意思決定」そのものである。
【原因】
・学校や会社のように「自動的に人が供給されるシステム」は、年齢とともに機能しなくなる。
・役職や年齢が上がるにつれて「権力勾配」が生まれ、年下や部下からは構造的に誘われにくくなる。
・「断られたらどうしよう」「相手に迷惑ではないか」と先回りして気を遣いすぎる真面目さが、行動を止めている。
【対策】
・誘うことに慣れていないうちは、まずハードルの低い「とにかく誘いやすい人」から声をかける。
・重苦しい誘いを避けるため、「情報交換がてら」といった大義名分をクッション(照れ隠し)として使う。
・相手の「ご都合」だけでなく「ご意向(=そもそも行きたいかどうか)」を尋ね、断りやすい逃げ道を用意する。
・去る者は追わず、そのときの自分にとって一番心地よいメンバーをその都度選び直すことで、人間関係を「新陳代謝」させる。

本書の要約

本書は、大人になるにつれて自然と進行していく「孤独」という問題に対し、自ら人に声をかける「誘える人」になることで、人間関係を主体的にデザインする方法を説いた一冊です。

著者の五百田氏は、進学や就職などのライフステージの変化により、人が孤独になるのは自然な現象であると指摘します。しかし、多くの大人はこの状況に対し、誰かが声をかけてくれるのを待つ「受け身体質」に陥っています。

本書の最大のメッセージは、与えられた人間関係に我慢するのではなく、自分が好きな人たちだけを周りに集める「人間関係の自炊」を推奨している点です。そして、自分がつくる場においては、学校や会社で求められるような「誰とでも分け隔てなく仲良くしなければいけない」という道徳観を捨て去ることを提案しています。

マウントを取る人や、心が「ざわつく」相手を徹底的に排除し、心理的安全性を死守する「選民思想」こそが、居心地のいい空間づくりの土台になるからです。

著者は、一度作ったコミュニティに執着しないことを私たちに提案します。去る者は追わず、そのときの自分にとって最も心地よいメンバーをその都度選び直していくことが推奨されています。このように会の形をこまめに新陳代謝させていくことが、主催者として無理なく集まりを続けていくための大切なポイントとなります。

真面目で優しい人ほど、「断られたら傷つく」「相手に迷惑がかかる」と誘うことを躊躇しがちです。そこで本書では、相手にプレッシャーを与えず、自分も傷つかないための具体的なノウハウを展開しています。

「私」を売り物にするのではなく、魅力的な「店」や「企画」を理由にすること。「〜〜がてら」とついでを装うことで心理的ハードルを下げること。そして、「忙しかったらスルーで」と断りやすい一言を添えること。

これらの技術はすべて「相手の負担を減らす」という一点に集約されています。本書は単なる会話術を超え、自らの手で心地よい居場所を作り出し、人生を豊かにするための実践的な戦略書です。

こんな人におすすめ

・組織のトップやマネジメント層になり、本音で話せる相手が減ったと感じている経営者
・「誘われたら行くけれど、自分から声をかけるのは苦手」という受け身なビジネスパーソン
・相手の気持ちを先回りして考えすぎてしまい、行動を起こせない真面目で優しい人
・既存のコミュニティに少し「ざわつき」や「疲れ」を感じ、人間関係をリセット・新陳代謝させたい人
・人生100年時代を見据え、利害関係のない質の高いネットワークを築きたい人

本書から得られるメリット

・「待ちの姿勢」から抜け出し、自分の人生の時間を誰と過ごすかという意思決定力が向上する。
・相手に負担をかけず、かつ自分が傷つかない実践的で再現性の高い誘い方が身につく。
・自分の直感(好き嫌いのセンサー)を肯定でき、罪悪感なく人間関係を整理できるようになる。
・主催者としての責任を「安全な場づくり」に限定し、参加者を信じて自律的な場を回せるようになる。
・年齢や肩書きに関係なく、多様な価値観を持つ人々とつながることで、セレンディピティ(偶然の幸運)を生み出せるようになる。

経営者とリーダーを襲う「構造的孤独」と、思い込みの罠

人生の幸福度の大部分は、どんな人と一緒にいるか、どんな人間関係の中で生きるかで決まる。だとすれば、人間関係を自分で選び、主体的にデザインしていくことは、自分の人生をどう生きるか決めること。(五百田達成)

経営者やマネージャーは、立場が上がるにつれて、気軽に人と付き合う機会が減ることがあります。学生時代には、クラス替えやサークル活動を通じて自然に新しい人と出会えました。

しかし、社会に出ると、日々の仕事で顔を合わせる相手が中心になり、自分から機会をつくらなければ、人間関係が広がりにくくなります。 また、役職や年齢の差によって、周囲が遠慮することもあります。

たとえば、管理職から若手社員を食事に誘うことはできても、若手から上司や経営者に声をかけるには勇気がいるでしょう。「忙しいのではないか」「迷惑にならないだろうか」と気を遣っているのかもしれません。 誘われる機会が減ると、「自分に魅力がないからではないか」と不安になることもあります。

しかし、その理由を自分の魅力のなさだけに求める必要はありません。立場の違いや周囲の気遣いが影響している場合もあるのです。

私自身、50代で独立してコンサルタントになったとき、組織に所属していた頃とは人とのつながり方が変わりました。会社にいれば、日々の仕事を通じて多くの人と会話できます。しかし、独立後は自分から働きかけなければ、仕事を離れて気軽に話せる人と会う機会は自然には増えない。そのことを実感しました。

だからこそ、仕事の戦略を考えるように、自分の時間を誰と過ごしたいかも考えることが大切です。「この人と話してみたい」「最近どうしているか聞いてみたい」と思ったら、自分からお茶や食事に誘ってみる。小さな行動から、これまでとは違うつながりが生まれることもあります。

『「誘える人」がぜんぶ手に入れる』の著者・五百田達成氏は、自分から人を誘い、主体的に関係を築くことを、「人間関係の自炊」と呼んでいます。人間関係の自炊とは、誰かに誘われるのを待つだけでなく、「この人と話してみたい」「一緒に時間を過ごしたい」と思う相手に、自分から声をかけることです。 そのためには、今の人間関係を振り返ることも大切です。

人間関係を見直すことは、限られた時間を自分にとって大切な人や活動に使うことにつながります。 会うたびに気を遣いすぎたり、相手の言動に傷ついたりする場合は、無理に付き合い続けず、少し距離を置くことも一つの選択肢です。

一方、話すと前向きな気持ちになれる人や、互いに学び合える人との時間は、意識して増やしてみるとよいでしょう。 久しぶりに会った友人との会話から新しい考えが生まれたり、知人の紹介が仕事や学びの機会につながったりすることもあります。人と過ごす時間には、思いがけない発見が伴うことがあります。

AIが普及する中で、仕事や生活における時間の使い方も変わりつつあります。GeminiやNotebookLMなどの生成AIを使えば、資料の要約や情報の整理、文章の下書きなどを短時間で進められます。

一方、誰と過ごす時間に喜びを感じ、どのような関係を大切にしたいかは、自分自身で考え、確かめていく必要があります。実際に会って話すことで、「この人と話すと視野が広がる」「一緒にいると自然体でいられる」と気づくこともあります。

まずは、気になる人をお茶や食事に誘ってみましょう。会った後に、自分がどのように感じたかを振り返ることも大切です。そうした経験を重ねることで、これから育てていきたい人間関係が少しずつ見えてきます。

AIに情報整理を助けてもらいながら、人との時間を自分の意思でつくっていくこと。それが、AI時代における「人間関係の自炊」の実践につながります。

判断の質を上げる「大義名分」と「がてら」の技術

僕が考える「誘う」とは、身のまわりの人間関係を自分で選び、つくる行為。与えられた環境にがまんすることなく、人付き合いを主体的にデザインすることです。言いかえれば「自分が好きな人とだけ生きようとする」姿勢です。

大切な人と過ごす時間を増やしたいと思っても、自分から誘うとなると、ためらってしまうことがあります。「忙しいのではないか」「断られたら気まずい」「一緒にいて楽しんでもらえるだろうか」。そんな不安から、連絡する前に手が止まってしまうのです。 本書では、こうした不安を抱えながらでも、一歩を踏み出しやすくなる誘い方を紹介しています。

・ステップ1 誘いやすい人から始める
人を誘うことに慣れていないうちは、親しい友人や以前から交流のある人など、声をかけやすい相手から始めてみましょう。 「久しぶりに近況を聞きたい」「一緒に行きたいお店がある」といった、気軽なきっかけで十分です。まずは自分から連絡する経験を重ねることで、少しずつ誘うことへの抵抗を減らしていきます。

・ステップ2 「がてら」をきっかけにする
誘う理由を添えると、相手も予定をイメージしやすくなります。本書が勧めるのは、「情報交換がてら」「近くに行くので、ご挨拶がてら」といった誘い方です。

たとえば、「以前話していたカフェが気になっています。近況報告も兼ねて、よかったら一緒に行きませんか」と伝えてみる。何をするために会うのかがわかると、誘う側も声をかけやすくなります。

・ステップ3 都合と意向を確認する
誘うときは、相手が断りやすい余地を残すことも大切です。著者は、日程が合うかどうかだけでなく、相手が参加したいかどうかという「意向」も確認することを勧めています。

たとえば、「ご都合やお気持ちが合えば、ご一緒できるとうれしいです。難しければ、どうぞお気遣いなく」と添える。相手に判断を委ねる一言があると、予定が空いていても、無理をせず返事をしやすくなります。

私自身、コンサルティングや大学での講義を通じて、相手の立場を考えて言葉を選ぶことの大切さを感じています。相手が何を求められているのかを理解でき、無理なく答えられる。そうした配慮は、仕事の提案にも通じるものです。

本書でもう一つ印象的なのは、自分が企画する集まりでは、誰を誘うかを自分で選んでよいという考え方です。学校や職場では、さまざまな人と協力することが求められます。しかし、プライベートな時間まで、すべての人と親しく付き合う必要はありません。

相手と過ごした後にいつも疲れを感じたり、言動に繰り返し違和感を覚えたりするなら、その理由を振り返ってみましょう。マウントを重ねる人や、酒癖の悪い人、自分の考えを一方的に押し付ける人とは、無理に距離を縮めなくてもよいのです。

私自身、44歳のときに「やらないことリスト」を作り、時間や心の余裕を奪う習慣を見直しました。人間関係でも、自分の違和感を見過ごさず、必要に応じて適切な距離を取ることを大切にしています。

たとえば、会食では「二次会には参加しない」と決めています。一次会では人との会話を楽しみ、その後は自分の時間として使う。そうしたルールを設けることで、人とのつながりを大切にしながら、自分の時間や心の余裕も守れるようになりました。

また、主催者が参加者の組み合わせに気を配ることは、集まる人たちへの配慮にもなります。人の相性や場の雰囲気を完全に予測することはできませんが、互いを尊重できる人に声をかけ、安心して話せる場を整えることで、参加者それぞれが自然体で楽しみやすくなるでしょう

最低限の役割と人間関係の「新陳代謝」

自分がつくる場において「参加者の心理的安全性」を死守したいという思いです。

著者は、幹事の役割として、参加者が安心して過ごせる場を整えることを挙げています。そのうえで、会の進行や会話のすべてを幹事が担おうとするのではなく、参加者がそれぞれ交流を楽しめるよう、ある程度は自主性に任せることが大切だと述べています。 参加者が互いに声をかけ合い、無理のない範囲で場づくりに関わることで、幹事の負担も軽くなります。

一方で、初対面の人が多い場合などは、幹事が参加者を紹介したり、話しやすいきっかけをつくったりする配慮も必要でしょう。

また、コミュニティの形は、時間とともに変わるものです。参加者の関心や生活環境が変われば、集まりとの関わり方も変化します。参加しなくなった人を無理に引き留めるのではなく、それぞれの事情を尊重しながら、その時々に合った集まり方を考えていく。そうした柔軟な姿勢が、主催者にとっても参加者にとっても、無理なく会を続けることにつながります。

私は毎月、ビジネスパーソン向けの読書会を開催しています。年齢や職業の異なる人たちと本について語り合うことで、自分にはなかった考え方に触れ、多くの刺激を受けています。

人間関係も、環境や自分の関心の変化に合わせて広げていくことが大切です。これまでのつながりを大切にしながら、新しい人との出会いにも目を向ける。そうすることで、多様な人との関係を育てていけるのではないでしょうか。

日々の業務に追われ、認知エネルギーが枯渇すると、人は新しい行動を起こす気力を失います。だからこそ、毎朝の計画段階で意図的に「やらないこと」を決め、余白を作り出す必要があります。

私は毎朝、その日の最重要タスクを「最大3つ」に絞り込み、それ以外は手放すことで集中力と実行の質を維持しています。そして、そこで生まれた余白を使って、その人に役立つ情報を送りつつ、アポイントのメッセージを送っています。

自分が主体的に動いたことで、今まで交わることのなかった人とつながり、新しい場が生まれた。この事実を前にしたとき、人は「自分から動けば、現実は変えられるんだ」「自分もけっこうやるじゃん」という確かな手応えを得ることができます。

人脈やネットワークは、必要になってから慌てて掘り起こすものではありません。日頃から「薄く、軽く、心地よく」メンテナンスしておくものです。利害関係のないフラットなつながりの中で交わされた何気ない会話が、数年後に大きなビジネスのヒントに化けたり、人生の危機を救うセーフティネットになったりします。良質な人間関係は、時間を味方につけることで「複利」のように価値を増していくのです。

孤独は放っておけば静かに深まっていきます。そして、それを変えられるのは、誰かからの誘いを待つことではなく、自分が送る1本のメッセージです。

まずは今日、しばらく連絡を取っていなかった人に「面白い本を見つけたので、今度情報交換がてらお茶でもどうですか。ご都合・ご意向がいかがでしょうか?」と、1件のメッセージを送信するところから始めてみませんか。人生は、案外こうした小さな送信ボタンから大きく動き出すものなのです。

コンサルタント 徳本昌大のView

独立してから、私が特に大切にしているのは、誰と、どのように時間を過ごすかということです。 時間は有限です。私は毎朝、その日の最重要タスクを最大3つに絞り、「やらないことリスト」を作っています。あれもこれも引き受けるのではなく、自分にとって大切な仕事や人との関係に、時間と集中力を使いたいからです。

一方、人間関係は効率だけを追い求めても築けません。何気ない雑談を楽しみ、互いの考えを聞き、ときには仕事とは関係のない話をする。そうした一見遠回りに思える時間の積み重ねが、相手への理解を深め、信頼を育てます。

だからこそ、誰と時間を共有し、どんな関係を育てたいのかを主体的に考える必要があります。 本書が提案する「人間関係の自炊」とは、与えられた環境や既存の付き合いに任せきりにせず、自分から人間関係をつくっていくことです。

新しく出会った人に「もっと話してみたい」と感じたら、自分から声をかける。一緒に過ごした時間が楽しかったら、また次の機会に誘ってみる。そうした小さな行動を重ねることで、年齢や職業の異なる人とのつながりが生まれ、関係も少しずつ深まっていきます。

人を誘うとき、「断られたらどうしよう」「相手の負担にならないだろうか」と、ためらうこともあるでしょう。そんなときは、相手が関心を持ちそうな店や人、イベントなどのコンテンツをきっかけにすると、自然に声をかけやすくなります。

誰を誘うのか、何をきっかけにするのか、どのような言葉で伝えるのか。この3つを考え、相手の都合や気持ちに配慮することが大切です。

自分から一歩踏み出すと、これまで接点のなかった人とつながり、思いがけない交流が生まれることがあります。私自身、このブログを通じて本や仕事について発信を続けてきたことで、著者や編集者とのつながりを広げることができました。

それまで面識のなかった方から連絡をいただき、実際にお会いしたことをきっかけに、交流が深まったこともあります。

ブログを書き、連絡をくださった方と会って話す。そうした一つひとつの行動が、新たな出会いにつながりました。

自分から動いたことで関係が生まれたと実感できると、「行動すれば、今の状況を少し変えられるかもしれない」「自分にもできた」という手応えが生まれます。 この自信は、人間関係以外の場面でも役立つでしょう。

仕事で新しい企画を提案する、以前から関心のあった活動に参加するなど、別の挑戦に踏み出す後押しになるかもしれません。

人との関係を主体的につくることは、交友関係を広げるだけでなく、自分の世界を広げることにもつながります。まずは「この人と話してみたい」という気持ちを大切にし、小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

もちろん、誘った相手と必ず親しくなれるわけではありません。都合が合わなかったり、思うように会話が弾まなかったりすることもあります。それでも、相手を尊重しながら声をかける経験を重ねれば、自分に合う関係や心地よい距離感が少しずつ見えてくるでしょう。

人間関係を主体的にデザインすることは、自分がどのような人と出会い、どのように生きたいかを考え、行動することです。大切なのは、すべての付き合いを広げることではなく、自分が大切にしたい人との関係を、自分から育てていくことだと私は考えます。

FAQ

Q1: 内向的で人見知りなのですが、この本のノウハウは実践できますか?

十分に実践可能です。著者の五百田氏自身も、決して「誰とでもすぐ仲良くなれる社交的なタイプ」ではなく、むしろ人付き合いに慎重なタイプだと語っています。本書のノウハウは、無理にテンションを上げるのではなく、「店」や「企画」に頼り、「忙しかったらスルーで」と逃げ道を用意する論理的なアプローチです。人見知りで相手の気持ちを察しすぎる優しい人にこそ、武器になる技術です。

Q2: 経営者や管理職として部下を誘う際、パワハラやハラスメントにならないか心配です。

相手を誘うときは、気軽に参加でき、断ることもできる場をつくることが大切です。 本書が勧める「薄める」技術は、そのための一つの方法です。

たとえば、夜の飲み会ではなく昼のランチや午後のお茶にする。1対1ではなく、複数人で集まる機会を設ける。そうした工夫によって、相手が感じる負担を軽くできます。

特に、上司と部下のように立場の違いがある場合、誘った側にそのつもりがなくても、相手は断りにくいかもしれません。「都合が合わなければ気にしないでください」と伝え、参加を無理に促さないことも大切です。 相手の立場を想像し、参加するかどうかを自由に選べるようにする。 それが、リーダーに求められる配慮ある誘い方です。

Q3: AIが進化する時代に、なぜわざわざアナログな人間関係の構築スキルが必要なのでしょうか?

AIが情報処理や論理的思考を代替する時代になればなるほど、人間にしか生み出せない「身体性を伴う共感」や「非効率な雑談から生まれる直感」の価値が相対的に高まるからです。効率化できる業務はAIに任せ、そこで浮いた時間を「自分が本当に会いたい人との対話」に投資する。主体的に多様な人と交わることで得られるセレンディピティ(偶然の発見)こそが、AIには代替できないあなたの競争力になります。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

Ewilジャパン取締役COO
Quants株式会社社外取締役
Mamasan&Company 株式会社社外取締役
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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