フルタイムやパートタイムで雇われて働くのではなく、次々と多くの顧客の依頼を受けて働くことで生計を立てるそういう働き方をする人が増えるのがギグ・エコノミーだ。すでに、アップワークなどのクラウドソーシング・サイトで自分のスキルを売ったり、問題解決策募集サイトのイノセンテイブやカッグルなどで報酬を得たりする道が生まれている。(リンダ・グラットン)
リンダ・グラットンの新刊LIFE SHIFT(ライフ・シフト)の書評ブログを続けます。
私たちの働き方もITによって変わり始めています。
会社ではなくプロジェクト単位のビジネスが増えています。
大企業は小規模なグループや個人にアイデアやイノベーションを頼り
小規模なグループは互いの力を借りて事業の規模を拡大させています。
企業は個人やチームの協力を得たり、プロジエクトごとに個人やチームと提携するなど
仕事の進め方の選択肢は多様になっています。
情熱をいだける職に就き、専門特化した小規模なチームで柔軟な働き方をする人は、仕事と私生活の境界線が曖昧になるのだ。興味深いのは、工業化以前の社会では主に家庭が生産活動の場になっていて、仕事と私生活がブレンドされていたということだ。
やりたいことを仕事にすることで、ワクワク感が共有できる仲間と一緒に働くようになります。
仕事がプロジェクトベースになると、人との関わりが今まで以上に深くなります。
そして、リンダ・グラットンが指摘するように、仕事と私生活がブレンドされていくのです。
まさに、工業化以前の家を中心にした働き方に逆戻りしているのです。
今後は、ワークとライフが再統合されているのです!
しかし将来は、新しいビジネスのエコシステムの中で働く機会が広がって、その境界線が崩れ、「ワーク」と「ライフ」が再統合されるだろう。 変わるのは、どういう企業で働くかという点だけではない。働く場所も変わる。
LIFE SHIFT(ライフ・シフト) [ リンダ・グラットン ] |
いま私たちは、人類史上最も特筆すべき大移住を目撃している。それは、農村から都市への人口移動である。2010年、世界全体の都市生活者の数は36億人だった。2050年には、それが63億人になると見られている。これは、毎週130万人が都市に移り住む計算だ。都市で暮らすこと、とりわけいわば「スマート・シティ(賢い都市)」に住むことを望む人が増えているのだ。この点は今後もおそらく変わらない。
アメリカでもヨーロッパでもこの日本でも、大都市に人が集まるようになってきました。
なぜ、これほど多くの人が都市に住みたがるのでしょうか?
インターネットによって、物理的な距離が重要性を失う中で
私たちは自分の好きな場所で暮らせるようになると言われていました。
しかし実際には、都市に住む価値はむしろ高まっているのです。
今、先進国では都市への人口流入が起きています。
これは、質の高いアイデアと高度なスキルの持ち主のそばに
身を置くことの重要性が高まっているからです。
ワークとライフが統合されることで、都市の魅力が高まっています。
アート、音楽、ショッピング、多彩な食事を楽しめるなど
都市に暮らすことで多くの恩恵を受けられます。
アメリカではデトロイトのような一部の工業都市が衰退する一方で
サンフランシスコやシアトル、ボストンなどのスマート・シティが経済的に繁栄しています。
これらの都市には、質の高いアイデアと高度なスキルを持つ人が集まります。
学生やクリエイターが集まる場所で、イノベーションは急速に進みます。
そこに憧れを感じる優秀な人たちが、次々に集まり
都市の魅力はどんどん高まり、さらに人を引き寄せます。
そこに集まる人々は互いを刺激し、支援し合うことで
新たなビジネスやカルチャーを生み出すのです。
高いスキルをもった人材が集まれば、企業もその町を目指します。
多くの雇用が創出されることで、さらに多様な人材が引き寄せられます。
集積地の規模が大きくなればなるほど、その町で働くことの価値が高くなり
磁石のように、優秀な人材を呼び寄せることが可能になります。
このルールを活用することで、日本のローカルエリアも再生できるかもしれません。
クリエイターやベンシャー起業家の集積とデュアルライフにヒントがありそうです。
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photo credit: mtlvi Startup Open House 2016 #SOH2016 via photopin (license)
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