感情教育をテクノロジーには任せてはいけない!

デジタル機器でマルチタスクができるおかげで、てっとりばやくいい気分になれるからだ。私たちの脳がほしがるのは新しい情報、最新の、刺激的な、社交上の情報だ。テクノロジーによっていつでもどこにでもいられるようになるまでは、ほかの人たちとの会話が、脳の要求する刺激を充足させるのに大きな役割を果たしていた。それが今は、デジタル機器が私たちの脳に、継続的でいつまでも気晴らしになる、労力のいらないメニューを提供している。(シェリー・タークル)


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デジタルでの気晴らしを避けた方がよい理由 

シェリー・タークル一緒にいてもスマホ ―SNSとFTF―の中に
マルチタスクの弊害が紹介されていました。
パソコンやスマホなどのデジタルギアを使うことで
会議中にメールやソーシャルメディアのチェックができるようになりました。
スマホへの常時接続が当たり前になり
私たちは新しい情報から絶えず刺激を受けています。
別に今見る必要がないのにも関わらず
緊急性を言い訳にして、メールを絶えずチェックしているのです。
また、人間は、複数のタスクを処理している自分に
満足感を覚える傾向があることもわかっています。
退屈な会議を乗り切ったり、自己演出するために
マルチタスクを行うことで、私たちは自らの生産性を下げているのです。

また、マルチタスクによって、相手との信頼関係も失います。

人前でスマートフォンをチエックするたびに、その場限りの刺激、一服の神経化学物質を得ながら、そのとき友人や教師、親、恋人、仕事仲間などが口にしたりほのめかしたり感じたりしていることを、失うのである。

本来は、目の前の人との会話を大切にすべきなのに
退屈を紛らわすために、メディアや別の人から刺激を受けようとします。
スマホを使うのをやめて、目の前の人に集中すれば
今の大切な時間から多くの果実を得られます。
会議の中で、重要な事実を聞き逃すことを防げますし
気の利いた発言で評価を高めることもできます。

家族との大切な時間も失わずにすみ、後悔を減らせます。
小さな子供の笑顔や年老いた親との時間は
10年後には楽しめないかもしれない、貴重なギフトです。
そう考え、今すぐスマホを脇に置いて
目の前の家族との会話を楽しむようにしましょう!

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会話をしないと感情を処理する脳の部位が退化する??

大人との会話が減った子供達は、積極的に喋らなくなるそうです。
大人がスマートフォンばかり見て、子供たちから目をそらすことで
子供はコミュニケーションの楽しさに気づかぬまま、成長します。
デジタルネイティブの子供達は目の前の仲間より
スマホの画面に意識を向け、会話をする時間を減らしています。

スタンフォード大学のクリフォード・ナス
感情を処理する脳の部位を筋肉にたとえています。
この部分を使わずにいると共感する力が弱まります。
逆に、フエイス・トゥ・フエイスのコミュニケーションを習慣にすれば
共感を司る脳の部位を鍛えることができるのです。

健全な感情的やりとり、そして社会でうまくやっているという感情(たとえば「同じ年代の人たちは私を理解してくれている」とか「友人たちに受け入れられていると思う」といった意見)へ、積極的に導いてくれるもの、それがフエイス・トゥ・フエイスの会話をふんだんにすることです」。(クリフォード・ナス)

当たり前ですが、テクノロジーは感情教育をしてくれません。
感情教育をするのは私たち人間なのです。
YouTubeやWEBサイトにばかり頼らずに
自分の子供との会話をもっともっと楽しみましょう。
マルチタスクによって私たちは、会話の時間を減らしています。
マルチタスクを頻繁に繰り返していると
人の感情を読み取るのが難しくなります。

しかし、脳には復元力があるので、安心してください。
幼いうちから画面に向かっている子供たちが
自己評価や共感に問題をかかえたとしても
会話を習慣にすることで、共感力を鍛えることができるのです。

子供とのチャットをやめて、電話で話したり
食事の際には、家族全員でスマホをしまって、会話を楽しむのです。
幼い子供には、本の読み聞かせやおしゃべりが効果的です。
子供との会話が退屈になったからといって
すぐにiPhoneに手を伸ばさないことです。
子供のことを考え、向き合っている子供の話にきちんと耳を傾けましょう。

まとめ

マルチタスクは仕事の生産性を下げるだけでなく
子供の成長にも悪影響を及ぼします。
感情教育をデジタルに任せるのはやめ、自らの手に取り戻すのです。
自分の子供との今の会話を楽しむことが、未来を明るくしてくれます。
共感力を鍛え、社会性を持つことで
自らの力で未来を切り開けるようになるはずです。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!!

     

    

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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