成長するための学び方をキャロル・S・ドゥエックから教えてもらう

人間の資質は変わりようがないと信じていると、失敗したら最後、それで自分の評価が決まってしまう。頭が良かろうが才能があろうが、マインドセツトが凝り固まっているかぎり、そこから抜けだす手立ては見出せない。人間の基本的資質は伸ばせるものだと信じていても、失敗すればつらいのは同じこと。しかし、それで自分の評価が決まってしまうことはない。能力を伸ばすことができるのなら自分を変化させ、成長させることができるのなら成功への道筋はまだまだたくさん残されているからだ。(キャロル・S・ドゥエック)


photo credit: JerryBunkers Computer class via photopin (license)

人間の資質は伸ばせるものだと信じよう!

硬直したマインドセットを持っている人は
人間の資質は変わらないと信じ、新たなチャレンジをやめてしまいます。
いくら才能があっても努力をやめてしまうと人は成長できません。
逆に、自分を伸ばせると信じている人たち
(しなやかなマインドセットの持ち主)は
才能がなくても努力によって人は変われると信じているので
失敗を楽しめ、その結果未来を明るくできるのです。

キャロル・S・ドゥエックマインドセット「やればできる! 」の研究の中で
コンピューター技能に関するジョセフ・マルトキオの調査を紹介しています。
彼はコンピュータ短期訓練の受講者の半分に
上達は生まれつきの能力に左右されると告げ
もう一方のグループには練習次第でどんどん上達すると伝えました。

スタート時には両グループで差は見られませんでしたが
コース終了時には大きな差が生じていました。
しなやかマインドセットの受講者(後者)は
学習すればするほどコンピューター技能に自信をつけていったのです。
彼らはどんなにミスをして、くじけず勉強を続けました。
ところが、硬直マインドセットのグループは
ミスを気にして、やればやるほど自信を失っていったのです。

注目すべきことに、マインドセットがしなやかならば、必ずしも自信など必要としないことが明らかになった。つまり、得意だとは思っていないことにでも、果敢に飛びこんでいってやり抜いてしまえるのだ。得意ではないからこそ、あえて挑戦しようとすることさえある。

しなやかなマインドセットの持ち主はうまくできる自信がなくても
ネガティブにならず、楽な気持ちで様々なことにトライできます。
新たな体験から何を学んだか?あるいは何を学べるか?を
意識することで失敗が気にならなくなります。
失敗体験をを成長に結びつけることで
彼らはどんどん成長していくのです。
不得意なこともしなやかなマインドセットによって
得意なものに変えられるのです。

 

しなやかなマインドセットの持ち主の勉強法

しなやかマインドセットの学生は、学習意欲をかきたてる方法を自分で工夫していた。やみくもに丸暗記するのではなく「講義全体のテーマや基本原則をつかむ」努力をし、「ミスしやすいところは完全にマスターできるまで反復学習」した。試験で良い点を取ることにではなく、しっかりと理解することに目標を置いていた。

彼らはもともと頭が良かったわけでも
予備知識が豊富だったわけでもなかったのです。
つまらない授業やわかりにくい授業のときでも
しなやかなマインドを持つことで、授業を楽しめます。
興味を持とうとしたり、前向きな気持ちで授業に臨むことで
学ぶ意欲を失わずにすんだのです。・
教科書が退屈であっても、講師の話がつまらなくても
やる気を失わずに自分のモチベーションを保っていたのです。

彼らのやり方を学生時代に身につけていたら
私の人生も、もっと面白いものになっていたかもしれません。
今からでも遅くはないので、この姿勢を身につけたいと思います。

しなやかマインドセットの学生は、「学ぶ」ことに重きを置いているので、効果的な学習方法をいろいろと試して工夫する。それに対し、硬直マインドセットの学生は、良い成績を取ることばかりに気を取られて、どうしても学習のプロセスをおろそかにしがちなのだ。

よい成績を取ることばかり考えていると
失敗した時にリカバリーできずに、成長を自ら止めてしまいます。
才能があるのに努力を諦めた人たちの例はたくさんあります。
テニスのジョン・マッケンローはその代表格として本書に紹介されています。
彼は失敗を絶えず他者のせいにすることで
自分を変えられずに本来の実力を出し切れなかったのです。

著名な教育心理学者、ベンジャミン・ブルーム
ピアニスト、彫刻家、オリンピック水泳選手
世界的テニスプレーヤー、数学者、神経学者など
ずば抜けた実績を持つ120名についての調査を行ないました。
それによるとその大多数は驚くべきことに幼少時は普通の子供だったのです。
本格的なトレーニングをするまでは、きわだった才能は見られませんでした。
思春期初期の段階でもまだ、将来の成功を予見できずにいたのです。
彼らは様々な人びとに支えられながら
たゆみない努力と精進を重ねることで頂点に到達できたのです。

米国および他の国々の学校教育について、40年間にわたる綿密な調査を行なった結果、まず第1にわかったのは、学習できる環境があるかぎり、世界中のほとんどだれでも能力を伸ばすことが可能だということである。(ベンジャミン・ブルーム)

このベンジャミン・ブルームの言葉によって、私は勇気をもらえました。
自分と自分の娘たちにもまだまだチャンスがあることを理解できたのです。
子供達にこの勉強法について伝えたくなりました

まとめ

失敗しても自分をダメな人間と決めつけるのはやめましょう。
失敗してもそれを糧にして努力を続ければよいのです。
しなやかなマインドセットを身につけ
異なる自分を作ることで自分の可能性を広げられます。
不得手なことを得意に変えたり
やりたいことにチャレンジすることで
ワクワクな人生を送れるようになります。

参考 キャロル・S・ドゥエックマインドセット「やればできる! 」の研究

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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