佐々木俊尚氏の広く弱くつながって生きるの書評

あなたがいま感じている問題の根本は、仕事の内容やライフスタイルのような大きな話じゃなく、結局は人とのつながり方にあります。(佐々木俊尚)


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平均寿命がどんどん延びて、人生100年時代などとも言われます。となると、45歳でもまだ半分終わっていません。そこでポイント・オブ・ノー・リターンなどと言っていたら、あまりにも先がなさすぎます。50歳でもまだ半分残っているわけですから、マインドセットを切り替えて、弱いつながりを築いていく必要があります。

広く弱いつながりが必要なわけ

佐々木俊尚氏の広く弱くつながって生きるを読了しました。昨日のブログで紹介した本田直之氏のゆるいつながり 協調性ではなく、共感性でつながる時代同様、ゆるいつながりを大切にすべきだということが書かれています。労働環境が激変し、人生100年時代が当たり前になる中で、私たちは一つの会社のみで人生を送るのではなく、多様なコミュニティに属したほうがより幸せになれます。会社のみの狭い人間関係にとらわれるのをやめ、自分のつながりをちょっと考え直してみると意外に面白いことが見つかります。

私はひまさえあれば人に会っていますが、出会った人とご縁をつないでいるうちに、その人たちから仕事が運ばれてくることに気づきました。自分の価値を伝え、相手に何気ない貢献をするうちにご縁が深まり、何かのきっかけで良い話が運ばれてくるのです。嫌な人との人間関係をやめて、好きな人と楽しく生きることを決めたら、人生が面白くなったのです。

マイナビニュースMacFanの連載、サードプレイス・メルマガなどで異なる業界や若い世代の人にインタビューするようになってから、いろいろな人との新たなご縁が生まれています。20代のベンチャーや女性起業家の方との出会いも多くなり、多くの気づきをもらっています。自分にないものを持っている人から教えを請うことで、55歳を超えた今でも日々成長できるようになりました。出会いを限定していたら、人生はもっとつまらないものになっていたことでしょう。日々のつながりを変えることで、人生は本当に面白くなります。ご縁を深めるためにはあまり会いすぎないことです。関係を近くせず、Facebookで時々連絡を取り合うゆるい関係の人たちとの時間を増やすと面白い人を紹介してもらえたり、次につながる情報が偶然手に入ったりします。

私はいつもこのようにして芋づる式に人間関係を広げ、弱いつながりをたくさん手にしています。特にいまはフェイスブックがありますので、その場で即つながってしまえば連絡も取りやすいですし、お互い何をやっているかが持続的に見えますから、何かあった時に声をかけやすくなります。仲間集めもフェイスブックを活用すれば簡単です。新しいことを始めるのに、いまほどハードルの低い時代はありません。

佐々木氏は人生はジグソーパズルのようで、いろいろなピースを埋めていくことで完成すると述べています。空いている部分を埋めるには、人との関係が不可欠です。「仕事(生業)」「スキル」「人間関係」「遊び(インプット)」「健康」の5つの分野でゆるい人脈を築いておくと人にお役に立てる人間になれ、面白い話に巡り会えるようになります。その際ソーシャルメディアやコミュニティの力を借りると人との出会いを簡単にデザインできるのでおすすめです。

私の好きなニコラス・タレブ反脆弱性が本書で紹介されていました。脆弱の反対は強いや固いと考えがちですが、実は柔らかい方が脆弱ではないとタレブは指摘します。常に柔軟で、何でも吸収して、壊れない、そういう反脆弱性が人脈作りにおいては重要で、会社や組織などの強固な人脈に頼るのは危険です。肩書きがなくなったとたんに孤独になった先輩たちを見るにつけ、幅広くゆるいつながりを持ったほうがよいのです。

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人との関係をよくするために何をする?

佐々木氏は若い人たちとの関係を築きたければ、相手に嫌な面を見せないことだと言います。自分が付き合いたくない人をイメージし、それをやらなければいいのです。佐々木氏が付き合いたくない人の条件をリストにしていたので、参考に引用します。
①自慢ばかりしている人
②誰かと知りあいなのを自慢する人
③自分にばかりベクトルが向いている人
④人の悪口や何に対しても文句ばかり言う人
⑤お説教の多い人
⑥物事を損得で考える人(得になりそうなので近づいてくる人)
⑦業界内の話しかしない人
結局、自己中主義的な考え方を捨て、他者視点で行動することが重要なようです。聞き上手になり、自分の価値を提供し、自分の雰囲気を明るくすれば、良いご縁に恵まれるようになります。いつも笑顔で好奇心を持ってアクティブに行動するのです。若者の話をしっかりと聞き、良い話を教えてもらったら感謝する!こういった姿勢を貫けば、広く弱いつながりを築けるようになるはずです。

弱いつながりを維持するには、ほんの一言でいいのでお礼やごあいさつを忘れないこと。できれば「すぐ」に伝えること。現在は高齢者でもSNSなどを使っている人もいます。相手によって、便利なツールをうまく活用してください。

昨日、イマジンプラスの笹川祐子社長とマイナビニュースのインタビューでお話ししましたが、筆まめになると運がアップすると教えてもらいました。出会った人にはお礼をお世話になった人には近況報告をしっかりとすることで人との関係をよりよくできるのです。定期的にFacebookでゆるいつながりの人たちと連絡をとり、会いに行くことで面白い話を引き寄せられるようになります。

まとめ

自分を高めたければ、ゆるいつながりの力を借りるとよさそうです。周りの人との相互作用をより良くすることを意識するのです。相手の話をしっかりと聞き、自分の価値で何気ない貢献を続けるうちにご縁が深まります。世代や業種にとらわれず、様々な人たちとのご縁を深めるうちに良い話に巡り会えるようになります。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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