SNSで友人を増やしても幸せになれない?どうすればよい?

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親密な人間関係を築くためには何をすればいいのでしょうか?進化のミスマッチという観点からすれば、本当に意識すべきポイントは3つしかありません。それは「時間」「同期」「互恵」です。(鈴木祐)

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SNSで幸福度はアップするのか?

鈴木祐氏の最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ 書評を続けます。 私たちはソーシャルメディアのおかげで、日々多くの人たちと交流できるようになりました。友人の数も増え、絶えず彼らとつながれるようになりましたが、幸福度はそれに比例しアップしたのでしょうか?

2014年にオックスフォード大学の進化心理学者のロビン・ダンパーはある調査を行いました。ロビンは学生たちの協力を得て、全員の電話の通話記録を入手し、彼らの人間関係の変化を18カ月にわたって追跡し続けたのです。 そこでわかったのは、ほとんどの学生が、いつも一定のコミュニケーションサイズを維持し続けているという事実です。

調査のスタート時に、ある学生に5人の親友がいたとします。彼が日常的にコンタクトを取るのは親友か家族だけで、もし他に「やや格下」の友人がいたとしても、全体のコミュニケーションの9割は親友との会話に費やされます。その後、彼は就職し、職場で新たな親友が2人ほど増えた場合、彼の友人関係はどうなるでのしょうか?7人の友人関係ができると考えがちですが、実際はかつての親友から2人が減り、以前と同じ5人のコミュニケーションサイズを保ち続けるのです。

多くの人は、自分のネットワークに新たな友人が加わると、昔のネットワークとはコンタクトしなくなっていく。親密な関係を維持するためには、多大な認知機能と感情の投資が必要になるのが大きな原因だろう。(ロビン・ダンパー)

私たちの認知リソースは大勢の友人をさばくようには設計されていないのです。1回につき5人前後としか親密な人間関係を築けないことが、ロビンの研究から明らかになったのです。

SNSで1000人の友達を作ったとしても「満足」の感情システムは活性化されません。それどころか、多くの人の投稿から、周りの友人との比較が増え、「興奮」したり、「脅威」を感じる機会が増えてしまいます。人を羨んだり、落ち込んだりすることで、ストレスを感じ、自分を不幸にしてしまいます。「満足」「興奮」「脅威」の感情システムのバランスが崩れることで、私たちは心と体に疲れを感じるようになるのです。(3つの感情システムの関連記事はこちらから

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親密な人間関係のための3つの要素は「時間」「同期」「互恵」

では、親密な人間関係を築いて、幸せになるためには何をすればいいのでしょうか?著者の鈴木氏は時間、同期、互恵の3つが重要だと述べています。

進化のミスマッチという観点からすれば、本当に意識すべきポイントは3つしかありません。それは「時間」「同期」「互恵」です。

1、時間
アイオワ州立大学のダニエル・フルシュカ氏は、2010年に「良好な友人関係を保つためにはなにが必要か?」を調査しました。その結果、共に時間を過ごすことが一番重要であることが明らかになりました。 人間には近くに住む相手ほど好意を抱きやすいという傾向があり、遠くの親戚より隣人を好むのです。

特別な刺激がなくても他者と接触する時間を増やすだけで好意は増す。(ロバート・ボーンスタイン)

理由は簡単で、近くに住むほど接触の時間が増えるからです。つまり、親密な会話を交わしたり、一緒にイベントに参加しなくても、相手の顔を見る回数が増えることが関係に良い影響を及ぼすのです。私たちの脳は、相手の顔になじみさえあれば、反射的に警戒心を解くように進化してきました。よく知った顔を見るだけでも感情の「脅威システム」はオフになり、代わりに「満足システム」が起動します。コミュニケーションに自信がなかったとしても、接触の時間さえ増やせば相手の好意は得られるのです。この効果の影響が最大になる接触回数は10~20回であることがわかりました。相手と仲良くなりたければ、まずは接触回数を増やし、顔なじみになりましょう。

2、同期
2016年、オックスフォード大学が「趣味で人間は幸せになれるか?」という調査を行いました。被験者は40代の男女が135人で、研究チームは実験のために「中年向けの習い事コース」をつくり、「合唱クラス」「美術クラス」「創作文芸クラス」に分けました。 7カ月後に被験者を調べたところ、すべてのグループにおいて、人生の満足度、自分に対する肯定感、炎症レベルの低下といった変化が確認されました。そのなかでも特に「合唱クラス」に参加した人の改善値が飛び抜けて高かったのです。

合唱クラスの成績が良かったのは、ほかの活動よりも他者との関係を結びやすかったからだとチームは結論づけています。みんなで歌うという行為が、他のグループよりも全体感を高めました。心理学の「同期行動」の効果が合唱によって証明されたのです。

信頼感の研究で有名なスコット・ウィルターマウス氏は、現代社会で同期行動を活かすには、次の2つのポイントを押さえることだと述べています。
全員が近い場所で行うこと
・同じタイミングで同じ行動をすること
この2つの条件が合えば、同期行動の内容はなんでも構わないそうです。仲良くなりたい人と同じことに取り組めば、親密さを高められるのです。

3、互恵
 友情を築くための3つ目のポイントは「互恵」です。自分が好きな相手に利益を与えることで、人間関係をよりよくできるのです。私たちの祖先は、自分が生き延びる確率を高めるために、様々なスキルに対して分散投資を行っていたはずです。自分の遺伝子を後世に残すために、得意分野を持った仲間と良いチームをつくり、お互いを助けていたのです。

新約聖書にいう「与えよ、さらば与えられん」は世の習い。友情を育むには利益の与え合いが欠かせません。この考え方を、心理学の世界では「同盟仮説」と呼びます。人類が生き延びるためには、いざというときに助け合えるような仲間が欠かせず、そのため私たちは互いの利益になりそうな相手を友人に選ぶように進化してきたわけです。

私たちはどんな人でも、強みを持っていますから、それを相手へのギフトにするのです。 私たちが他者に与えられる最強のプレゼントは「信頼」です。相手からの信頼関係が生き残るためには必要ですから、それを強固にして、Win-Winの同盟関係をつくりましょう。

社会心理学者のゲイリー・ウッド氏は信頼関係を築くためには、「セルフディスクロージャー」が大切で、そのための効果的な話題を10種類のパターンにまとめています。

1.お金と健康に関する心配事
2.自分がイライラしてしまうこと
3.人生で幸福になれること、楽しいこと
4.自分が改善したいこと(体型、性格、なんらかのスキルなど)
5.自分の夢や目標、野望など
6.自分の性生活に関すること
7.自分の弱点やマイナス面
8.自分が怒ってしまう出来事について
9.自分の趣味や興味
10.恥ずかしかった体験、罪悪感を覚えた体験
これらの話題を活用することで、相手から信頼されるようになり、友人関係を強化できます。同盟関係を結びたい相手がいたら、接触頻度をあげ、自分を上手にディスクローズしましょう!

まとめ

SNSが普及したからといって、友達との関係が劇的に変わるわけではありません。絶えず仲良くできるのは5人程度であることを覚えておきましょう。友人関係を強化し、幸せになるためには、時間、同期、互恵の3つが重要です。よい人間関係を築きたければ、この3つを意識し、自分の価値で相手に貢献すべきです。

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