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ピックスリー: 完璧なアンバランスのすすめ
著者:ランディ・ザッカーバーグ
出版社:東洋経済新報社
本書の要約
自分を甘やかしている限り、豊かな人生を送れません。もし、あなたがダイエットをしたいなら、痩せることを決意し、大きな目標とその日に実現可能な小さな目標を設定すべきです。その日の減量目標にフォーカスし、食事や運動のルールを守ることで、1年後には今とは違う自分に生まれ変わっています。
ダイエットに必要なことは、本気で痩せると決断すること
自分を愛しているから体にいいものを食べるのか?それとも、体にいいものを食べるから自分を愛せるのだろうか?(ティム・バウアー)
ダイエットに成功するとモチベーションが高まり、よりよい人生が送れるようになります。今日はランディ・ザッカーバーグのピックスリー: 完璧なアンバランスのすすめの中から、ダイエットで人生を変えたティム・バウアーのケーススタディを紹介します。
2010年11月、ティムは90キロ以上体重オーバーで、200キロ近い巨体でした。彼は過去になんども挫折したダイエットを成功させることを決意します。ティムは、自分が落とすべき体重と同じだけ減量に成功した男の写真をネットで目にし、やる気に火をつけました。
彼は数年ぶりに散歩に出ることにしましたが、息があがり、わずか212歩しか歩けませんでした。しかし、彼は歩いても自分が死なないと言う事実に気づき、生きる希望を取り戻せました。減量を決める前、ティムは打ちひしがれ、人生をあきらめていました。彼は病的な肥満状態から抜け出せず、どん底な生活を送らざるを得ませんでした。
結婚は破綻しかけ、仕事も長続きせず、精神的に行き詰まっていました。子ども時代はいわゆる鍵っ子で、食べ物が心のなぐさめでした。両親とも食品サービス業で働いていたたため、いい日も悪い日も、食べ物だけはいつも家にありました。ドリトスがティムの親友で、アイスクリームの特大カップが高校時代のガールフレンドだったのです。
恐ろしいことにティムの家系の男性は、35歳を過ぎるとだれもが心臓発作を起こしました。ティムも自分は心臓病になると勝手に決めつけていました。いちばん体重があったころ、ティムはたびたび胸に痛みを感じ、死への恐怖を感じていました。胸のあたりに違和感を覚えるたびに、心臓発作を疑い、糖尿病になる自分をイメージしていたのです。
学校の成績も悪く、自分への失望が積み重なることで、彼の食欲は加速しました。落ち込むと感情の制御が利かなくなり、惨めさのスパイラルに陥ってしまうのです。自分をコントロールできなくなることで、不健康な食べ物についつい手が伸び、ますます彼は落ち込みました。
ティムにできることは、もはや何もないように思えましたが、散歩に出かけたあの日、すべてが変わったといいます。あのときティムは、自分を大切にし、幸せになることを自分に許すという最初の小さな決断をしたのです。その小さな一歩が気持ちを動かし、さらに体も動かして、ついには自分を愛することにつながりました。
日々の小さな目標にフォーカスする!
1年と少しで、約0.5キロを225回減らした。それから痩せてたるんだ皮膚を切除し、さらに11キロほど減らしたんだ」(この経緯は、アメリカのケーブルテレビ局TLCの『スキン・タイト』という健康番組でも放送された)減量中とくに大変だったのは、社交の場に参加すること。感謝祭の直前に減量を始めたティムは、食事に招かれた家にあらかじめ電話し、自分の食べ物を持参する許しをもらわなければならなかった。「みんな快く受け入れてくれたけどね。非礼を承知でそうしたのは、『今日ぐらいはまあいいか』と、早くも言い出す自分に耐えられなかったから。食べ物は僕にとって麻薬みたいなもので、ほどほどに食べるということができないんだ。
ティムは「半分死んだような人生に甘んじるのをやめる」ことで、変化の道を歩み始めました。過去にダイエットに挑戦したときは途中でくじけてしまいましたが、今回は1度に1ポンド(約0.5キロ)減らすことだけに集中し、体重を減らせたら、そのたびに自分をほめることにしました。
減量中に言われて最も励みになったのは、ティムの挑戦を知った友人の言葉だったそうです。その友人は、「継続は力なり」とティムに説き、毎週1キロずつ減らしていけば、次の感謝祭までに50キロ以上減量できると力説しました。
初めてだれかが僕の目を見て、こう言ってくれたんだ。『お前ならできる』と。だから、僕から何かアドバイスするなら、チアリーダーを見つけようとまず言いたいね」つまり、害になる人ではなく、支えてくれる人と付き合おうということだ。今付き合っている友人は、目標を持つあなたを励まし、支えてくれるだろうか?そうでなければ、支えてくれる別の人と付き合ったほうがいい。そうした別の人とは、ポッドキャストや書籍でもかまわない。
ダイエットに寄り添ってくれるよい仲間を持つことで、目標を達成できるようになります。同じゴールを目指すコミュニティに属したり、成功者にアドバイスをもらうことで、人は辛いことを継続できるようになります。
彼は1日に0.5キロと言う小さなステップを続けることで、ダイエットに成功しました。ジャンクフードと言う誘惑を断つために、健康的な食べ物を持参するなど、日々の習慣を大切にしました。私も断酒をした時に、ビールの代わりに炭酸水を飲むと言う選択をしました。飲み友達との交流をやめ、朝型の生活にシフトしました。そして、お酒を飲みたくなったら、アンソニー・ロビンズのオーディオブックを聞き、自分を励ますようにしました。お酒を遠ざけるルールを作ることで、私は半年後には断酒に成功していました。
1年後ダイエットに成功したティムは、鏡の前の変化した自分と言う存在に驚くそうです。女性に興味を持たれたときには仰天することもありました。
今でもときどき、病的に太っていたころのように振る舞っている自分がいるんだ。人の多い部屋を通り抜けるときは冷や汗が噴き出すし、写真に撮られるときは両腕を腹の前で交差するし(体重が約200キロあったころ、腹が目立たないようにしていたしぐさ)、飛行機の座席にはわけもなく恐怖を感じる。
体重管理に成功したことは、仕事にも好い影響をもたらしました。減量した翌年、ティムの会社は100パーセント近くの増益を記録しました。自分の活力が増したことと、人々の自分に対する見方が変わったことが、ティムの会社の業績を高めてくれたのです。自分に自信を持つこと、自己重要感を高めることで、人生は劇的に変わります。
ダイエットに成功したことで、周りの人たちの態度が変わりました。彼の話に積極的に耳を傾け、真面目に接してくれるようになったそうです。以前のティムは、太ったコメディアンの役を演じていましたが、もうそんな必要はありません。今は自分をコントロールできる経営者として、顧客と話せるようになったのです。
人々の彼に対する態度も、それにつれて変わったのではないかと。自分をゴミのように扱っていると、他人にもそう扱われてもしかたがない。でも、自分を大切で価値あるもののように、大きな目的を持ってそこにいる人間であるように扱うと、ほかの人々も同じように扱ってくれる。(ランディ・ザッカーバーグ)
減量でも仕事でも、達成すべき目標が大きいと私たちは途方に暮れてしまいます。どんなタスクも大きいとやる気を削ぎます。何かを成し遂げたければ、大きな塊を小さく切り刻むべきです。サラミスライス法によって、人はチャレンジできるようになり、目標を達成できるようになります。そして、何かを成し遂げたければ、まずは自分のことを大事にすべきです!小さな目標をクリアして、自己重要感を高めるようにしましょう。
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