和食は本当に健康的な食べ物なのか?


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世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
著者:津川友介
出版社:東洋経済新報社

本書の要約

和食は健康によいというイメージがありますが、炭水化物と塩分が多いという2つの問題点があります。特に、塩分は心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めますから、注意を払う必要があります。味噌汁の量を減らしたり、漬物を食べないことで、和食を健康的な食事に変えられます。

和食は本当に健康に良いのか?

2013年に日本食がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本食の魅力が世界中に注目されている。多くの人は日本食は健康的であるというイメージを持っているが、実は日本食が本当に健康に良いというエビデンスは弱い。(津川友介)

医師でUCLA助教授の津川友介氏の世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事の書評を続けます。和食は健康的な食事であると日本人は考えていますが、本当に健康に良いというエビデンスはないと著者は指摘します。

確かに、日本食は魚や野菜を多く摂取できますが、以下の2つの問題点があります。
(1)炭水化物が多い 
アメリカ人やフランス人より炭水化物が多い(日本人58% アメリカ人50% フランス人45%)
(2)塩分摂取量が多すぎる
2013年に世界187か国の人の食事中の塩分摂取量を比較した研究によると、日本人の1日あたりの塩分摂取量は12.49(男性で1日13.09、女性で11.99)であり、世界平均の10.19やアメリカの9.19と比べても20%以上も多かったのです。

余分な塩分は腎臓から尿中に排泄されますが、塩分摂取量が多すぎると腎臓で処理しきれなくなってしまい、余分な塩分が体内に蓄積されるようになります。その結果、血液の浸透圧が高くなり、人間の脳はそれを薄めようとして「のどが渇いているので水を飲め」という指令を出すようになるのです。水を飲み過ぎることで、体の中をめぐる血液の量は多くなります。体をめぐる血液の量が増えると血管にかかる圧、つまり血圧が高くなってしまうのです。

高血圧は血管に常に圧がかかっている状態であるため、放置しておくと血管が少しずつダメージを受け、その結果として動脈硬化が起こり、いずれは血管が詰まって脳卒中や心筋梗塞を引き起こしてしまいます。最新の研究によると、日本人が死亡したり麻痺などの障害を持つことになってしまう原因の第1位が食習慣で、第2位が高血圧であることがわかりました。

塩分を減らし、カリウムを増やそう!

塩分の健康への悪影響を軽減するには大きく分けて2つの方法があります。
(1)塩分の摂取量を減らす
(2)力リウムを多く含む食品を摂取する
塩分とカリウムは逆の働きをします。塩分が血圧を上げるのに対して、カリウムには塩分の体外への排泄を助けることで、血圧を下げる効果があるのです。カリウムを多く含む野菜や果物は血圧を下げてくれるので、積極的に食べるようにしましょう。

ある研究によると、カリウムの摂取量が最も多いグループは最も少ないグループと比べて死亡するリスクが20%も低かったのです。塩分とカリウムの比をとると、カリウムと比べて塩分摂取量が多いグループの人は心筋梗塞によって死亡するリスクが2倍も高かったと報告されています。 ただ、腎臓が悪い人にとってカリウムのとりすぎは危険であることがわかっているので、注意を払う必要があります。

塩分摂取量が多いと血圧が高くなり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇することは複数の研究により明らかになっている。また塩分摂取量を減らしてカリウム摂取量を増やすことで、心筋梗塞や脳卒中になるリスクが25%下がると報告されている。

19個の観察研究をまとめたメタアナリシスの結果でも、塩分摂取量が多い人は脳梗塞のリスクが23%高いとされています。塩分摂取で高血圧になるだけでなく、塩分は胃がんの原因となる可能性も示唆されています。さらには、塩分摂取量が多いことで骨粗しょう症になるという研究結果もあります。塩分が尿中に排せつされる時に、骨を固くするのに重要なカルシウムが一緒に捨てられてしまうことがその理由です。

塩分は日本人の健康にとってとても重要な意味を持っていると著者は指摘します。日々の食事を塩分控えめにして、野菜や果物をとることで余分な塩分を体外に捨てるようにすべきです。 日本人は塩分を多く含むみそ汁を毎日飲みますが、その習慣も見直した方がよさそうです。味噌汁を毎日飲むのをやめたり、塩分を控えめにして、塩分摂取量を減らすとよいと言います。

和食は塩分を減らすことで、健康的な食事に変えられます。味噌汁の量を減らしたり、漬物を食べるのをやめ、生野菜をオリーブオイルとともに食べるようにしましょう。バランスの良い和食に変えることで、健康な体を取り戻せます。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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