津川友介氏の世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事の書評

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世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
著者:津川友介
出版社:東洋経済新報社

本書の要約

健康になりたければ、科学的根拠のある食事法を取り入れるべきです。具体的には、赤い肉、白い炭水化物、バターなどの飽和脂肪酸の3つの健康に悪い食品を、5つの健康に良い食品(①魚②野菜と果物③茶色い炭水化物④オリーブオイル⑤ナッツ類)に置き換えましょう。

健康になりたければ、間違った情報を鵜呑みにするな!

人間は食べたものでできている。何を食べ、何を食べないかは全ての人が日々実行している小さな「選択」である。今日のお昼何を食べようかと考えているとき、夕ごはんの献立を考えているとき、何を判断材料にしているだろうか。私たちは、それこそ数時間ごとに、何を口にするのか、選択を迫られ続けている。もちろん一度の食事の選択によって病気になったり健康になったりすることはない。(津川友介)

コロナ禍でテレワークが続く中で、私の体重は増加していました。自宅にいる時間が増え、ついつい食べ過ぎてしまい、体がひとまわり大きくなっていたのです。そこで、体重を元に戻すために、以前から気になっていた世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事を読むことにしました。

著者の津川友介氏は、ハーバード大学を経てUCLA助教授として活動する医師で、健康になるための「体に良い食品」を本書で紹介しています。実は、私たち本当に正しい健康情報を知らずに、日々の食事を選択しています。これを正さない限り、病気になる確率を高めているのです。

世の中には間違った健康情報が流布され、それを信じることで、逆に健康を害する人がいます。著者は体に良いことが科学的に証明されている食事のみを食べるべきだと言います。悪い食品を食べるのをやめ、良い食品を選ぶようにしましょう。

「炭水化物は健康に悪く、食べると太る」という考え方は正しくない。炭水化物の中にも「健康に良く、食べてもあまり太らない炭水化物」(良い炭水化物)と「健康に悪く、食べると太る炭水化物」(悪い炭水化物)があるからである。良い炭水化物とは、玄米や蕎麦のように精製されていない茶色い炭水化物のことであり、悪い炭水化物とは、白米やうどんのように精製されている白い炭水化物のことである。

炭水化物を食べないダイエットが流行っていますが、これを鵜呑みにしてないけません。炭水化物にも良い炭水化物と悪い炭水化物があるという事実を理解し、自分の日々の選択を変えるようにすればよいのです。本書を読むと日本人の大好きな白米の食べ過ぎがリスクであることがわかります。

また、フルーツジュースが健康を害すこともわかっています。フルーツジュースを多く飲んでいる人ほど糖尿病のリスクが高い一方で、果物の摂取量が多い人ほど糖尿病のリスクは低いことが明らかになっています。健康に良いと信じられているフルーツジュースと、フルーツは別物なのです。体重との関係においても、フルーツジュースは太るものの、果物を食べている人はやせると報告されています。

果物の中でも、特にブルーベリー、ブドウ、リンゴを食べている人で、糖尿病のリスクが低くなるのですから、この種のフルーツの摂取量を増やすべきです。

健康になるための「体に良い食品」とは?

食事と健康をめぐる議論は、個人の経験にもとづくものになりやすい。しかし、残念ながら個人の経験にもとづく健康情報は、その人にとってはうまくいったかもしれないが、他の人にもうまくいく(健康になれる)とは限らない。その一方で、エビデンス(科学的根拠のこと)にもとづく健康情報を実践した場合、圧倒的多数の人を対象にした客観的な研究から導き出したものであるため、一個人の経験談に比べて、あなたがより健康で長生きできる確率は格段に高くなると考えられる。それが、「科学的根拠にもとづいた」健康的な食事法を日々の生活に取り入れる大きなメリットである。

個人個人の成功体験を信じるのをやめ、エビデンスのある健康情報を実践した方が、確実に健康になれます。数多くの信頼できる研究によって本当に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と現在考えられている食品は、以下の5つであることがわかっています
①魚
②野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)
③茶色い炭水化物
④オリーブオイル
⑤ナッツ類

逆に、健康に悪いと考えられているのは、以下の3つです。
①赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)
②白い炭水化物
③バターなどの飽和脂肪酸

数多くの行動科学の研究から、がまんさせることは正しい戦略ではないことが明らかになってきている。食事の量を減らしてもストレスになり、いずれは爆発して食べすぎてしまうことが多い。これはダイエットでリバウンドしてしまうのと同じ現象であり、多くの人が経験したことがあるのではないだろうか。

食事量を減らしてがまんさせるダイエット法では長続きしませんし、リバウンドが起こります。悪い食品をよい食品に「置き換える」方がより効果的なのです。体に悪い、赤い肉や白い炭水化物(悪い食品)を減らし、その一方で、魚や野菜、フルーツなどの食べ物をお腹一杯になるまで食べればよいのです。

以下のグラフを見れば、ダイエットに良い食品は一目瞭然です。ジャガイモや加糖飲料、ジュースを飲んでいてはやせられないことがわかります。

やせるためには、食事だけ変えるのでは不十分だと著者は指摘します。数々の研究によって、食事だけでなく、運動量、睡眠、ストレスのレベルも体重に影響を与えていることが示唆されています。健康になりたければ、食事だけでなく、定期的な運動、良質な睡眠、ストレスを減らすことを心がけましょう。

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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