モノを買いすぎないために、あなたが好きというワナに気をつけよう!


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Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法
著者:ロルフ・ドベリ
出版社:サンマーク出版

本書の要約

モノを買うときは、売り手の人柄で商品の価値を判断しないようにすべきです。営業パーソンがなぜあなたに好意的なのかを考えれば、余命なモノを買わずにすみます。売り手のことは、存在しないと考えるか、さらにいいのは、その人は感じの悪い人と考えるようにしましょう。

セールスパーソンがあなたに好意的な理由

世界でもっとも偉大な自動車セールスマンとして知られている、ジョー・ジラード。彼の成功の秘訣は、ずばり、こうだ。「自分がその客のことを大好きだと客に信じこませることほどいい方法はない」ジラードの必殺テクニックは、かつての客も含めたすべての得意先に、毎月、「あいさつ状」を送ることだ。そこにはたった一言、こう書かれているだけだった。「あなたが好きです」(ロルフ・ドベリ)

私たちはなぜモノを買いすぎてしまうのでしょうか?著述家・実業家として活躍するロルフ・ドベリは、セールスパーソンのあるテクニックに注意を払うべきだと言います。セールスパーソンは「あなたへの好意」を武器にして、自分の販売成績を上げているのです。「あなたが好き」という言葉によって、私たちはついついモノを買い過ぎてしまいます。 誰かのことを「感じがいい」と思えば思うほど、その人から商品を買ってしまったり、その人を助けてあげようという気になってしまうのです。

■以下の3つの要因で人はその人に好意を抱きます。
①外見が魅力的。
②出身、人間性、関心が向いている方向が自分と似ている。
③相手が自分に好意を抱いてくれている。

①外見が魅力的。
テレビコマーシャルは魅力的な人たちであふれかえっています。顧客に心地よい印象を与えるために、好感度の高い人が使われます。

②出身、人間性、関心が向いている方向が自分と似ている。
外見や話す言葉、生活の背景が見ている側と似ている人も、テレビコマーシャルに使われます。人間は、自分に似ていれば似ているほど、相手を好ましく感 じるからです。コマーシャルではお世辞や褒め言葉を並べることも珍しくありません。「あなたにふさわしい」というコピーは顧客の自尊心をくすぐります。

③相手が自分に好意を抱いてくれている。
人は「自分のことを好ましく思っている」という信号を送ってくれた人に対して好感を持ちます。「褒め言葉」には奇跡を起こす効果があるのです。「ミラーリング」とは、好意をよせている相手のしぐさを無意識のうちに真似てしまうという心理学の効果のことですが、この効果はセールスのテクニックとして 利用されています。営業パーソンが、顧客のしぐさや話し方を真似ることで、相手が好感を持ってくれるようになります。

あなたが好きというワナに気をつけよう!

政治家は「あなたが好き」のワナの鍵盤の上を走り回り、みごとな演奏を披露する。聴衆に合わせてさまざまな共通点を見つけ出し、力説する。あるときは居住地区のことを、あるときは社会的な出身について、またあるときは経済的な関心に重点を置く。 わたしたちはそれを聞いて、決して悪い気がしない。ひとりひとりが必要とされているような気分にさせられるのだ。

選挙の時の政治家は、好感を与える条件を完壁に満たしています。自然保護団体も、世界自然保護基金(WWF)のポスターの写真に、パンダやアザラシが使われているのも好感度を高めるためです。クモやミミズや海藻の方が生態系によい影響があるにもかかわらず、こういった生き物はポスターには使われません。募金のためには、生態系よりも人間と似たような目をした動物の方が効果があるからです。

冒頭のジョー・ジラードは車を販売する際に、7回断られても諦めなかったと言います。優秀な営業パーソンはあなたの財布を開くために、好感度を使いながらアプローチしてきます。ジラードは人から嫌われない接客を心がけていました。彼の250の法則を紹介します。

人は誰でも、結婚式や葬式に招待するくらい大事な知り合いが250人いる。250人もだ! 世捨て人にはそんなに友人がいるわけがない、 と言われるかもしれないが、実際にはもっとたくさんの知人を持つ人が大勢いる。 けれども、数字をみると平均は250人だというのだ。つまりこういうことだ。週に50人との人と会い、そのうち2人だけが私の接客に不満だったとする。たった2人でも、その2人の影響を受ける人は、1年後には、5000人くらいにはなるだろう。(ジョー・ジラード)

250人全員をファンにしようとしていたジョー・ジラードの前では、多くの顧客はただの赤子のような存在でしかありません。(ジョー・ジラードの参考記事はこちらから

モノを買うときは、売り手の人柄で商品の価値を判断しないようにすべきです。売り手のことは、存在しないと考えるか、さらにいいのは、その人は感じの悪い人と考えることで、余計なモノを買わずにすみます。

この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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