望月智之氏の2025年、人は「買い物」をしなくなるの書評

ショッピング体験の発展で、人々は「買い物」をしなくなるー。(望月智之)


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デジタルシェルフの時代が消費者の購買行動を変える?

望月智之氏の2025年、人は「買い物」をしなくなるが面白い。今、話題の「デジタルシェルフ」をテーマに、2025年の消費者動向を予測します。 望月氏は、多くの人のショッピング体験が変化し、買い物のために店に行かなくなる人が増えるというのです。

実際、アメリカではアマゾンが多くの小売業を「死」に追いやっています。まさにDeath by amazonが現実化し、多くのショッピングセンターが閉店を余儀なくされています。UBSが2019年4月に発表したレポートでは、ECのさらなる普及の影響などで、2026年までに米国内で7万5000店もの小売店が閉店すると予測されています。閉店する店の種類で見てみると、特に影響が大きいのが衣料品店で、同期間で2万1000店が閉鎖されると言うのです。

「棚の奪い合い」の舞台は、確実にデジタルシフトし、インターネット上での戦いが熾烈になっています。特にこの数年で消費者の消費行動・購買行動は劇的に変化しています。中国やアメリアにおいては、買い物はもはや面倒くさいものになっていると著者は指摘します。
■実店舗に行くのは時間がもったいないから行きたくない
■ネットで予約できないような店には最初から行かない。
■レジに並ぶのが面倒くさいから少すしでも空いている店に行く。
■商品が届くのを待ちたくないから、多少高くてもすぐに商品が届くECサイトを選ぶ。
こういった感覚が中国では当たり前になっています。

買い物の変化はインターネットが当たり前になることで、劇的に変化しています。そして、今後の10年はAIや5Gの進化、SNSネイティブが購買力を持つことで、人々は買い物をしなくなると著者は考えるようになったのです。

こうした変化が進展していくことで、人々は間違いなく「買い物をしなくなる」。もちろん、お金を支払って何かを買うことがなくなるわけではない。なくなるのは、これまでの買い物におけるさまざまなプロセスだ。店に行くことや、現金を用意すること、商品の現物を見ること、さらには商品を自分で選ぶことも含まれる。これまで当たり前だったプロセスが次々に省略され、そのうち「買い物をしている」という感覚さえなくなっていくのだ。

買い物のプロセスが省力される中で、デジタルシェルフという考え方が主流になっていきます。今後、世の中の電子化が進む中で、日常の身の回りにある、ありとあらゆるものがシェルフ(商品棚)になっていくのです。今はパソコンやスマートフォンがデジタルシェルフとして消費者と小売店をつないでいますが、やがてはウエアラブル端末がそれに置き換わっていきます。

これからはメディアや道行く人、家電など、あらゆるものが「商品棚」になるのだ。

ソーシャルメディアで同じものを持っている人がいたら、その場で注文したり、映画を見ながら俳優の洋服を注文することが、今後、当たり前のように行われます。あらゆるものがデジタルシェルフになる中で、人々の暮らしは大きく変わっていきます。その際、重要なのは消費者の購入体験で、商品の価値だけでなく、新たなショッピング体験が消費者の行動を変えていくはずです。

どこでも買える時代の勝ち組になる方法

リアル店舗がなくなっても、「買う場所」がなくなるわけではない。むしろ「どこでも買える」時代になるのだ。

「品揃えのよさ」で勝負していた百貨店はamazonや楽天が力を持つことで、存在意義を失っています。今の消費者は、選ぶことすら面倒になり、買い物のスタイルを変えています。今後のリアル店舗は、わざわざ行く価値のある体験型だけが生き残っていくはずです。

また、選ぶのが面倒になった消費者は、AIのレコメンドやソーシャルメディアのインフルエンサーの情報を信じるようになってます。実際、アメリカや中国のリアル店舗では大きな変化が起きています。アメリカでは、ショップ店員の採用については、Instagramのフォロワーの数の多い人を採用する流れが出てきています。影響力のある店員は「プロ店員」としてますます市場価値が高まっていきます。ITが売り場を変える中で、店員の仕事は商品陳列やレジ係から、プロとしての商品体験アドバイスにシフトしています。

中国では、アパレル店舗の中に、ライブ配信するためのブースがあり、販売員ではなくインフルエンサーがそこを使って、自由にライブ配信するという動きも始まっています。商品をストリーとして語れる人に共感し、顧客はものを買うようになっています。

店舗は「ライブ配信場所」に変化しています。当然、店舗だけでなく、インフルエンサーから買うことも増えていきます。買う場所はリアル店舗だけでなく、ソーシャルメディアやライブコマースのプラットフォームになるはずです。そこに人がいて、コミュニケーションができれば、どこでも店舗になっていきます。この変化に対応できない、企業は淘汰され、消えていくはずです。

今後は、わずらわしい買い物のプロセスを省略していくことで、人はて店員とのやりとりや、買い物中の家族との会話など、「買い物の本当の楽しさ」に再び気づくようになるはずです。ITが進化し、デジタルシェルフが当たり前になる中で、顧客体験をよくすることが重要になります。

また、最近の若者はGoogle検索をせずに、ZOZOやメルカリなどのスマホアプリで検索し、買い物をして、空いた時間をTwitter、YouTubeやInstagramに使っています。検索エンジンの膨大な情報から知りたい情報を見つけるのではなく、自分にマッチした情報を見つけられるアプリやSNSにシフトしているのです。彼らは時間を重視し、消費を行なっています。

そして、消費がマス型からスモールマス型に変化する中で、ソーシャルメディアを活用し、DtoC(企業が自社のECサイトからユーザーに直接販売)を行う会社が増えています。メーカーが小売を通さず、消費者に直接販売するという自由度の高い売り方を始めています。BOTANISTというシャンプーやエミリー・ワイズのGlossierは、SNSを活用しながら、ネットユーザーを巻き込んでいます。

今の消費者は、広告よりもロコミで広がっているものに飛びつきやすい。いったん人気を獲得すれば、今度は小売店もその商品を置きたがる。ネットでシエアを獲得したメーカーが、実店舗の棚も獲得するという逆転現象も起こっているのだ。市場を的確に分析し、SNSでファンを獲得すれば、大手でなくても十分に戦える。

デジタルシェルフの争いは既存の大メーカーでなく、SNSを活用したベンチャーとの戦いでもあるのです。ググらない若者が増える中、amazonだけでなく、DtoCを競合として捉える必要があります。

確実に消費者にとっての棚はデジタルシフトしています。データ化できるあらゆるものが今後はデジタルシェルフになっていきます。データ・ドリブンが進化する中で、多様な個人情報を集積し、AIで分析することで、「消費者が今まさに欲しいもの」「本人は必要だと気づいていないが本当にあった方がいいもの」をすぐに届けられます。
デジタルシェルフによって、消費者は面倒な買い物から解放されるのです。

消費者や検索データを分析し、トレンドをつかみ、リアルとデジタルの棚を押さえた企業が勝ち組になるはずです。ビッグデータを解析することで、顧客に受ける商品開発やマーケティングを行うことが企業には求められます。今後デジタルシェルフの台頭により、ブランドの価値計測が大きく変わります。データを重視した経営が必要になります。

今後5Gによって、商品が変わり、家が変わり、街が変わりますが、消費者の時間の使い方は変わり、買い物する時間は、ほぼなくなると著者は言います。5Gによって、情報・生活・ショッピングが、「手の中と声で」瞬時に完結します。長くなったので、この5Gの話は次回のブログに書きます。

まとめ

AIなどのITの進化、ソーシャルメディアの普及で、「どこでもものを買える」時代が到来しています。この流れの中で、企業はデジタルシェルフを意識すべきです。データ活用、商品のストーリー化、インフルエンサーの巻き込みを通じて、企業は顧客から共感を得られなければ、やがて淘汰されていくはずです。

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