堀内勉氏の読書大全の書評


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読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊
著者:堀内勉
出版社:日経BP

本書の要約

環境が激変する中で、課題を解決する構想力を養うことが、責任あるリーダーに求められています。ビジネスリーダーは日々、重要な選択を繰り返していますが、読書体験がそのための解決策をもたらしてくれます。読書を続け、膨大な知識と体験をインプットすることで、最適な答えが見つかることを本書が教えてくれています。

リーダーになぜ、読書が必要なのか?

A great leader is a great reader.(「良き指導者は良き読書家である」)。

1998年の金融危機、2008年のリーマンショックの修羅場を乗り越えてきた著書は、真剣な読書を続け、本質を極めるうちに人間としての力を高めてきました。「必死に、自分の存在をかけて」本を読んだことが、堀内氏の人生に深みを与え、著者をより強い存在に変えていったのです。

堀内氏が選んだ200冊とその解説を読むことで、私たちも自分の人生について考える時間を持てるようになります。自分が過去に読んだ本の記憶が蘇り、その本を振り返ることで、脳が様々な刺激を受けました。まだ読めていない本も多々あり、今回、自分の読書の世界を広げてもらえました。

著者は多くのリーダーが読書を習慣にすることで、人生の幅を広げていると言います。ビル・ゲイツは読書家として有名で、彼の推薦書のリストが毎年注目を浴び、ここから多くのベストセラーが生まれています。ソフトバンクグループ創業者兼会長兼社長の孫正義は、肝炎で入院していた3年半の間に、3千冊もの本を読破したといわれています。ウォーレン・バフェットやマーク・ザッカーバーグなども熱心に読書を行い、そこで得た知識と経験を経営に活かしています。 

超多忙な実業家がわざわざ貴重な時間を割いて読書をするのはなぜなのでしょうか?彼らは単純に「知識を得る」だけではなく、人間としての「洞察力」を高めるために本を読んでいるのです。  

ウーバーへの投資を行ったジェイソン・カラカニスは、エンジェル投資家の中で、投資判断の際のポイントとして、「エンジェル投資においては、人が重要だというのではなく、人がすべてなのだ」と述べています。

シリコンバレーの最強投資家と言われているベン・ホロウィッツHARD THINGSの中で、「(会社経営という)困難なことの中でももっとも困難なことには、一般に適用できるマニュアルなんてない」と明言しています。

私たちは歴史書やビジネス書から、様々な体験を学べます。多くのリーダーが読書を続けるのは、そこから人間力を高めるヒントをもらえるかならなのです。リーダーは、過去の偉人たちから自分の心理をコントロールする術やあきらめない心を学ぶようにすべきです。 

本を読み、知識と体験を脳内にインプットすることで、情報と情報がつながり、新たなアイディアが生まれるようになります。解決のヒントが見つかることで、リーダーはあきらめずに行動を続けられるようになります。

圧倒的な読書体験がもたらすもの

俺たちはみんなドブの中を這っている。しかし、そこから星を見上げている奴だっているんだ。(オスカー・ワイルド)

小説家のオスカー・ワイルドは、いわれのない罪で訴えられた裁判の中で、相手方から「ドブさらいめ!」と罵られた際に、この言葉で言い返します。

著者はリーダーこそ、このオスカー・ワイルド言葉を噛み締めるべきだと言います。組織の流れに乗ってうまく立ち回ることがエリートなのか、それともその中で歯を食いしばって星を見上げ続けることがエリートなのかということを考えることが重要で、それが人としての美意識を育みます。

リーダーが現場の人と共感することで、自律的な組織が生まれます。顧客中心主義の時代には、企業文化を醸成することが大切で、社員の力を引き出すことが、リーダーの勤めになっています。顧客体験を高めるためには、従業員を幸せにすることがポイントになります。

はるか太古の昔から、人類は生きることの意味を探し求め、どうしたら自分たちは幸せになれるのかを考え続けてきました。(堀内勉)

1989年のベルリンの壁崩壊とそれに続く東西ドイツの統一、ソビエト連邦の崩壊という大きな転換点を迎えた時に、人類は希望に満ち溢れていました。しかし、その希望は2001年のテロやアメリカのイラク侵攻などで、打ち砕かれてしまいました。

アメリカの力が弱まる中で、中国やロシアが台頭し、グローバル資本主義が新たな問題を巻き起こしています。格差問題や環境問題やパンデミックなどの問題が、人類の生存を脅かしている中で、リーダーの構想力が求められています。

ビジネスリーダーは日々、重要な選択を繰り返していますが、読書体験がそのための解決策をもたらしてくれます。読書を続け、膨大な知識と体験をインプットすることで、最適な答えが見つかることを本書が教えてくれています。

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この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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