学習する組織(ピーター・センゲ)の書評

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書籍:学習する組織
著者:ピーター・センゲ
出版社:英治出版
ISBN-10 ‏ : ‎ 4862761011

30秒でわかる本書のポイント

【結論】: 変化に適応し続ける「学習する組織」への進化は、システム思考をはじめとする5つのディシプリン(原則)を個別に学ぶだけでは足りず、それらを一つの仕組みとして統合してはじめて実現します。個人の優秀さではなく、組織全体が学び続ける構造を持てるかどうかが、これからの競争力を左右します。
【原因】: 多くの組織が短期的な出来事への対症療法に終始し、深く染み込んだ前提(メンタル・モデル)に向き合っていないため、未来を創造する真の学習が起きていません。その結果、同じ問題を形を変えて繰り返し、現場では「忙しいのに前進していない」という消耗感だけが蓄積していきます。
【対策】: 部分最適を捨て、全体を俯瞰する「システム思考」を中核に据え、メンタル・モデル、自己マスタリーやチーム学習、共有ビジョンの構築を組織の日常に継続的に組み込む必要があります。単発の研修やスローガンではなく、対話・内省・共通言語を通じて学習が循環する仕組みを設計することが重要です。

本書の要約

VUCAの時代において、トップダウン型の旧来のマネジメントは限界を迎えています。マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院の上級講師のピーター・センゲは、これからのリーダーに求められるのは、組織全体の「学習能力」を劇的に高めることだと指摘します。 本書は、組織が継続的に未来を創造するための基盤として「5つのディシプリン(自己マスタリー、メンタル・モデル、共有ビジョン、チーム学習、システム思考)」を提示しています。これらを一つの集合体として実践することで、組織は単なる出来事への反応(対症療法)から脱却し、問題を根本から解決する「生成的学習」を持続できるようになります。 

こんな人におすすめ

・組織のサイロ化やセクショナリズムに悩んでいる経営層・マネージャー
・短期的なトラブル対応に追われ、中長期的なビジョンを描けずにいるリーダー
・メンバーの主体性が低く、指示待ちの組織風土を変革したい推進担当者
・複雑な課題に対して、対症療法ではない根本的な解決策を見出したいビジネスパーソン

本書から得られるメリット

・複雑な事象を一連の要素のつながりとして捉える「システム思考」が身につく
・自らの無意識の前提(メンタル・モデル)に気づき、柔軟な発想ができるようになる
・個人のビジョンと組織のビジョンを重ね合わせ、強い推進力を生み出せる
・チーム内の対話の質が向上し、個人を超えた高い学習効果を得られる

学習する組織に必要な5つのディシプリン

人々の思考が短期的な出来事に支配されていると、組織内で根源から未来を創造する生成的学習を持続させることはできない。出来事に焦点を当てている場合、できてせいぜい、事前に出来事を予測して、最適な反応をすることぐらいだ。しかし、未来を創造するための学びは起こらない。(ピーター・センゲ)

VUCAの時代になり、変化に適応する能力が欠かせなくなっています。これまでのマネジメントの常識が通用しなくなる中、組織としての「学習能力」を高めることが、リーダーに求められています。

マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院上級講師、組織学習協会(SoL)創設者のピーター・センゲは、認識を変えることが重要で、そのために以下の5つのディシプリン(原則)が不可欠だと指摘します。

①システム思考
システム思考はパターンの全体を明らかにして、それを効果的に変える方法を見つけるための概念的枠組。ものごとを一連の要素のつながりとして捉え、そのつながりの質や相互作用に着目することで、組織の複雑な問題も解決できるようになります。

②自己マスタリー
自己マスタリーというディシプリンは、継続的に私たちの個人のビジョンを明確にし、それを深めることであり、エネルギーを集中させること、忍耐力を身につけること、そして、現実を客観的に見ることです。自己マスタリーは学習する組織の欠かすことのできない要──学習する組織の精神的基盤──になります。

③メンタル・モデル    
メンタル・モデルとは、私たちがどのように世界を理解し、どのように行動するかに影響を及ぼす、深く染み込んだ前提、一般概念であり、あるいは想像やイメージでもあります。

メンタル・モデルに働きかけるというディシプリンの第一歩は、鏡を内面に向けることである。つまり、私たちの内面の世界観を掘り起こし、それを浮かび上がらせ、厳しく精査できるように保持するのだ。また、このディシプリンには、探求と主張のバランスがとれた「学習に満ちた」会話を続ける能力も含まれる。

④共有ビジョン
多くのリーダーは、組織を活性化する共有ビジョンにはつなげられないままに終わる個人のビジョンしか持っていません。経営者やメンバーのそれぞれのビジョンを重ね合わせて、組織として共有・浸透するビジョンを創り出すことで、組織の行動が変わり、成果が上がるようになります。

⑤チーム学習 チーム学習はきわめて重要です。なぜなら、現代の組織における学習の基本単位は個人ではなくチームであるからです。チームが学習できなければ、組織は学習できないのです。

5つのディシプリンを一つの集合体として捉えよう!

5つのディシプリンが一つの集合体として展開することが非常に重要である。これは生やさしいことではない。新しいツールを一体化させるのは、単にそれらを別々に用いるよりもずっと難しいからだ。だが、その見返りは非常に大きい。

5つのディシプリンを実践することで、一生涯学び続けるようになります。学習すればするほど、自分の無知をより強く感じるようになり、学びを続けたくなります。

システム思考がその潜在能力を発揮するためには、共有ビジョンの構築やメンタル・モデルへの対処、チーム学習、自己マスタリーというディシプリンが必要になります。

共有ビジョンの構築によって、長期的に全力で取り組む姿勢が育まれます。メンタル・モデルは、私たちの今の世界観にある欠点を掘り出すために、必要な開放性に焦点を当ててくれます。チーム学習は、人々の集団が、個人のものの見方を超えて、より大きな全体像を探すことができるスキルを高めてくれます。自己マスタリーは、結果を出しために、継続的に学習しようとする個人的な動機づけを育みます。

学習する組織の核心にあるのは、認識の変容である。自分自身が世界から切り離されているとする見方から、つながっているとする見方へ、問題は「外側の」誰かか何かが引き起こすものだと考えることから、いかに私たち自身の行動が自分の直面する問題を生み出しているのかに目を向けることへの変容だ。

学習を通じて、私たちは自分自身を再形成できるようになります。学び続けることで、私たちは自分の中にある創造する能力や、人生の生成プロセスの一部になる能力を伸ばせます。

自分の仕事以外はやらないという姿勢や相手が悪いという考え方を捨て、全体から俯瞰して仕事をするようにすべきです。そのために学習する組織に必要な5つのディシプリンを実践すべきです。

🖋 書評:徳本昌大 書評ブロガー・ビジネスプロデューサー

最強Appleフレームワーク

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

Ewilジャパン取締役COO
Quants株式会社社外取締役
Mamasan&Company 株式会社社外取締役
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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