「許容できる失敗の原理」で成功を手に入れよう!ピーター・シムズの小さく賭けろ!の書評


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小さく賭けろ!
著者:ピーター・シムズ
出版社:日経BP

本書の要約

「許容できる失敗の原理」という考え方を採用すると成功に近づけます。「小さく賭ける」アプローチを取れば、許容できる失敗の原理に基づいて行動できるようになります。アイデアをすぐに実行に移すことで、失敗に対しての免疫ができます。何度も失敗を繰り返すことで、成功のヒントが見つかります。

「許容できる失敗の原理」で成功を手に入れよう!

あるアイデアが前提にしている枠組みがメモ、企画書、表計算シミュレーション、パワーポイントのスライドなどで論理的に思えても、現実世界でその通りになるという保証はない。(ピーター・シムズ)

論理的に作られた事業計画が、正しいとは限りません。私は日々、スタートアップややベンチャーの事業計画書を見ていますが、いくら素晴らしいパワーポイントを作っても意味はありません。その計画書に斬新なアイデアが書かれていて、かつ経営者からパッションが感じられなければ、その事業はなかなか成功しないことをこの数年で学びました。現実の世界では、小さな実験を繰り返し、あいきらめないことの方がはるかに重要なのです。

先日、ピーター・シムズ小さく賭けろ!をこのブログで紹介しましたが、今日はその中から面白いケーススタディを紹介したいと思います。(ピータ・シムズの関連記事はこちらから

バージニア大学ダーデン・ビジネススクールのサラス・サラスバティー教授は、「小さく賭ける」ことの本質的な利点を明らかにしました。小さく賭ける場合、われわれは成功を夢想する必要がなく、失敗を予期し、許容できます。アイデアを実際に行いながら、手段を自由に変えることができます。

サラスバティー教授は、「許容できる失敗の原理」と呼ぶコンセプトを提唱しています。「小さく賭ける」アプローチを取れば、「許容できる失敗の原理」に基づいて行動できるようになります。アイデアをすぐに実行に移すことで、失敗に対しての免疫ができます。何度も失敗を繰り返しながら、彼らは成功のヒントを見つけます。

経験を積んだ起業家は、捕らぬ狸の成功を夢想するのではなく、失敗する可能性を十分に予期している。(サラス・サラスバティー)

起業家の多くは自分が自由にできる資源を自覚しているとサラスバティー教授は言います。「自分はどういう人間であるか?ー自分の価値と趣味。自分は何を知っているか?ー専門技術、知識、経験、技能。自分は誰を知っているか?ー知人、友人のネットワーク、協力者」などがその資源に当たります。当然、これに財政的な資源も加わります。実験を繰り返すうちに、これらの資源が増えていき、成功する確率が高まります。

サラスバティー教授は成功した起業家は、最終目標を追求するにあたって、自信を持って高い適応能力を発揮できることを明らかにしました。彼らは自分にない能力については、必要に応じて社員やパートナーをスカウトするなどして、必要な資源を逐次拡大していくことで、大きな成果を出しているのです。彼らは足りない資源があれば、すぐに自分のネットワークに相談し、解決策を見つけます。

クリス・ロックは、なぜ小さな賭けを繰り返すのか?

「小さな賭け」というアプローチは、失敗の可能性を前提としている。だから「許容し得る失敗」は、「小さな賭け」のもっとも重要な要素のひとつだ。

アメリカを代表するスタンダップ・コメディアンであるクリス・ロックは、コメディ業界だけでなく、映画界や音楽界など、ジャンルを跨いで大活躍するエンターテイナーです。彼は人気者であるにもかかわらず、新作のギャグのネタをまず小さなコメディー・クラブの観客に披露すします。

クリス・ロックのこのテストも「許容し得る失敗」の原則によっています。ロックは客の前で「スベる」ことを恐れません。自分の評判よりも、ネタ作りを優先しています。ロックは、不満気に腕組みしたり野次を飛ばしたりする失望した観客がいても、それは「許容し得る失敗」だと考えています。

ほとんどの客はクリスがネタを完成させる過程をその場で見られることを楽しみにしています。しかもそこでの失敗を教訓にしてネタを磨いていくことは、何百万という視聴者に向けたテレビ番組に出演するときに計り知れない見返りをもたらします。

「小さな賭け」アプローチを実践して成功を呼び込むためには、「失敗」に正しく向き合う心構えが重要になります。実験精神に富み、イノベーションを成功させた人々は、失敗を必然的なものとして受け止めるだけでなく、目標を達成する上で不可欠の要素と考えています。

クリス・ロックは毎夜毎夜、意地悪な観衆の前でウケないジョークを披露してもやる気を失いません。顧客からのフィードバックで得られた数少ない笑いが、本番のショーを成功させるために重要な役割を果たすことをロックは知っているからです。

クリス・ロック、ハワード・シュルツやスティーブ・ジョブズなどの成功者は、野心を追求する上で、柔軟に行動することを忘れませんでした。幾多の失敗にめげることなく、大きなビジョンを達成するために、行動をやめなかったのです。

彼らは予期せぬ困難な課題に遭遇すると、最終的な目標を達成するには新たな道を発見しなければならないと受け入れるだけでなく、場合によっては最終的な目標自体も修正しました。困難な事態に打ち勝つためにこうした柔軟性を発揮するには、失敗の心理的影響を克服する精神的強さと、当初はすばらしく見えたアイデアに固執せずに新しいアイデアを探る思い切りが必要なのです。

サン・マイクロシステムズの共同創立者、ビノッド・コースラの次の言葉はとても示唆に富んでいます。

最後まで諦めずにあっちこっちつまずいて、失敗し続けるのが大切なんだ。ありとあらゆる失敗をして最後に残ったのが、正しいやり方。そこで初めて成功できる。どういうわけか起業家にとって成功する正しいやり方は、いつも最後に発見される。最後にそれにたどりついてみると、「なんだ、わかり切ったことだったじゃないか」といつも思うのだ。(ビノッド・コースラ)

クリス・ロックのように、実験精神に富んだイノベーターは皆、不完全でありミスを犯すことが最終的な成功のために不可欠であることをよく理解して、それを受け入れています。アイデアを発展させていく初期段階では、不完全であることが重要な発見の前提だと、クリス・ロックは認識しているのです。

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この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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