結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる(伊庭正康)の書評

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結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる
伊庭正康
アスコム

本書の要約

しつこくやり続ける人には、失敗という言葉は存在しません。成功者は全てが乗り越えられるもの、未来へ続く実験だと考えることで、自らの行動を楽しんでいます。成功者はしつこくやり続けることで、自分の目標を達成しているのです。

いいしつこさを身につけよう!

「しつこさ」を武器にして、 たった1回の人生であなたの望むものを 手に入れてください。(伊庭正康)

経営者にとって、しつこさは褒め言葉になります。私の周りの経営者もあきらめない人が多く、しつこさを武器にすることで、目標を達成しています。このブログでもお馴染みのスティーブ・ジョブズ、ジェフ・ベゾス、イーロン・マスクという成功者に共通しているのは、あきらめないこと、根気よく続けること=「しつこさ」だったのです。

心理学者ロバート・ザイオンス氏が提唱したザイオンス効果は、別名「単純接触効果」とも呼ばれています。相手に何度も繰り返し接触することによって、評価や好感度が高まります。ザイオンス効果は、相手との関係がよくない場合は、逆効果になりますが、相手に貢献する気持ちがあれば、効果を発揮します。ビジネスで結果を出したければ、ただ顔を出すのではなく、相手のためになる情報を届けるなど貢献を意識しましょう。

とにかく大切なのは、相手軸になっているかです。自分本位に「しつこさ」を発揮するのは、「悪いしつこさ」。絶対にNGです。

しつこいと言う言葉は、時に悪いイメージを人に与えますが、お客様や大事な人に貢献するためのしつこさならば、それは「いいしつこさ」になります。根気強くやり抜く力を養うことで、結果を出せるようになります。

「いいしつこさ」を身につけるためには、意志の力や根気に頼ることをやめるべきです。やりたいことを習慣化し、仕組み化するようにすべきです。

目標を達成したいなら、ゴールからバックキャスティングを行い、ワクワクなプランを作りましょう。「やらされ感」がなくなり目標が明確になることで、しつこく続けられるようになります。

私は本を書くと決めた時、ソーシャルメディアでの発信を心がけました。長文を毎日書き続けるのは難しいですが、まずは短い投稿を繰り返すことを意識したのです。日々の投稿をまとめれば、一冊の本が完成すると考え、しつこく発信を続けました。毎朝の投稿を習慣化することで、パーソナルブランディングも強化でき、やがて編集者からのオファーが届き、出版という目標を達成できたのです。

「TKKの法則」でしつこい人になろう!

人の頭の中には、「大丈夫」「できる」というポジティブワード、「ムリ」「ダメ」というネガティブワード、そして、どちらにも分類されないいろんな言葉が飛び交っています。なかでも「自分はできる」は続ける力につながるパワーワードです。楽観主義はしつこくやり続ける人に不可欠といえそうです。

楽観主義は結果を出すためにはとても重要ですが、時には悲観的になることで、障害を取り除けるようになります。心理学者のガブリエル・エッティンゲン氏は「WOOPの法則」を提唱しています。以下の4つのWOOPのステップに沿って行動することで、ゴールに到達できると言います。

Wlsh(願望〕:成し遂げたい目標を書き出す。
Outcome(結果〕:目標を達成したとき手に入れる結果を書き出す。
Obstacle(障害〕:目標の達成を困難にする要因を挙げる。
Plan(計画〕:障害と遭遇したときにそれを克服・回避する計画を立てる。

ただ、目標を思い描くだけでなく、目標を邪魔する要因を明らかにし、それを取り除いたり、別のプランを考え、行動を続ける人が、成功を手に入れます。成功した起業家の多くはこのWOOPの法則によって、ゴールに辿り着いています。

著者は、つまらない、楽しくないことは長続きしないと言います。以下の「TKKの法則」でタスクを楽しく、簡単にしてしまうのです。ゲーミフィケーションを取り入れたり、着手する際のハードルを下げることで、人はそのタスクを継続できるようになります。

T・・・たのしくする
K・・・かんたんにする
K・・・こうかを確認する

私は断酒をする際に、「飲まなかった記録をつける」ことで自分を励ましました。120日までは毎日記録をつけ、飲まない自分を褒め続けました。結果、断酒に成功し、自分のやりたいことに時間を使えるようになったのです。

このブログでも何度も紹介しているジム・ローンは、「あなたは最も多くの時間をともに過ごしている5人の平均である」と言う言葉を残しています。結果を出している人と付き合うことで、あきらめないマインドを養えるようになります。

人には、周囲を見てその場の環境や雰囲気を感じ取り、「みんながやっているから」という意識で行動を決定してしまうという習性があるのです。

「いいしつこさ」を発揮したいなら、いいしつこさを持つ人と仲良くし、その行動を真似るようにしましょう

しつこくやり続ける人には、失敗という言葉は存在しません。成功者は全てが乗り越えられるもの、未来へ続く実験だと考えることで、自らの行動を楽しんでいます。成功者はしつこくやり続けることで、自分の目標を達成しているのです。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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