BUSINESS WORKOUT 主体的なチームを創る実践型プログラム (HRインスティテュート、三坂健)の書評

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BUSINESS WORKOUT 主体的なチームを創る実践型プログラム
HRインスティテュート、三坂健
ディスカヴァー・トゥエンティワン

BUSINESS WORKOUT 主体的なチームを創る実践型プログラムの要約

ビジネスワークアウトプログラムは、企業の「らしさ」を重視した組織づくりと人材育成を推進します。質の良い経験学習サイクルを通じて、組織と個人の成長を促進し、主体的なカルチャーを形成します。このプログラムを導入することで、企業は競争力を高め、社員の自律性と定着率を向上させることができるでしょう。

ビジネスワークアウトによって、組織が変わる理由

・「らしさ」を重視する ・「質のよい」経験学習サイクルを回す。(三坂健)

ビジネスワークアウトは、株式会社HRインスティテュートの三坂健氏によって提供されている、主体的なチームを育成するための実践的なプログラムです。このプログラムは、従業員の主体性を育て、高品質な経験学習を通じてチームの力を引き出すことを目指しています。

著者の三坂氏は、次世代のリーダーを育成し、後継者を育てるための手法として、ワークアウトの理論と実践方法やケーススタディを本書で詳しく示しています。

ビジネスワークアウトの特徴は、従業員が主体的に考え、行動することを促す点にあります。従業員が自ら問題を解決し、成果を上げることで、チーム全体の力が向上するという考えが基本となっています。このプログラムを通じて、従業員は自分の個性を発揮し、主体性を持って行動する機会を得ることができます。

さらに、組織全体での協力やコミュニケーションが促進されることで、チームの一体感が生まれ、協働する力が強化されます。これにより、各メンバーの能力が最大限に引き出され、組織全体のパフォーマンス向上が期待されます。

著者が提供するビジネスワークアウトプログラムは、企業の独自性を最大限に重視しています。この独自性を意識し、それを基にした組織づくりや人材育成を行うことで、企業の競争力が高まり、社員の自主的な行動が促されます。結果として、社員がその企業に留まる理由の一つとなるのです。

企業「らしさ」は、その企業の文化、価値観、ビジョンを反映した特性です。この独自性を理解し、それを基に組織づくりを進めることで、社員は自分たちの役割や目標を明確に理解しやすくなります。 らしさのある組織は、社員が自主的に行動しやすくなると同時に、上司と部下、同僚間のコミュニケーションも円滑になります。また、この独自性には、その組織が大切にする価値観が含まれています。

また、企業「らしさ」が他社との差別化や競争優位性を生み出す要素となります。 自主的に行動する社員が増えることで、組織全体の活力が高まり、成果をより効果的に生み出すことが可能となります。また、組織文化に共感することで、社員の定着率が高まるというメリットも得られます。

「質の良い」経験→解釈→判断→行動のサイクルが組織を成長させる!

マイケル・ロンバルドとロバート・アイチンガーの「70:20:10モデル」は、学習と成長のフレームワークとして広く採用されています。このモデルは、個人の学習や成長がどのようにして最も効果的に達成されるかを示しています。

・70%  実践による学習
実際の仕事の経験や挑戦から学ぶことが最も大きな割合を占めます。具体的なプロジェクトやタスクを通じて得られる経験が、個人のスキルと知識の向上に大きく寄与します。

・20%  他者からの学習 他の人々とのインタラクションやフィードバックを通じて学びます。メンターやコーチ、同僚からのアドバイスや観察が成長を促します。

・10%  形式的な教育 公式なトレーニングや教育プログラムからの学習が最小の割合を占めます。これは、セミナー、ワークショップ、オンラインコースなどの形式的な学習活動を指します。 

社員一人一人の個性に合わせた経験や対話、フィードバック、トレーニングの機会を設けることで、社員の成長を促進し、組織全体の成長につなげることができます。これにより、社員は自己の能力を最大限に発揮し、組織は持続的に成長し続けることができるでしょう。

三坂氏のワークアウトプログラムでは、「質の良い」経験→解釈→判断→行動のサイクルが重要視されています。このサイクルを通じて、社員は日々の業務や現場での経験を深く理解し、それを基に改善や成長を続けることができます。具体的には以下のプロセスが含まれます。

・質の良い経験・・・実際の業務やプロジェクトを通じて得られる具体的な経験。
・質の良い解釈・・・その経験を振り返り、意味や教訓を見つけるプロセス。
・質の良い判断・・・得られた教訓を基に、次に何をすべきかを決定するプロセス。
・質の良い行動・・・判断に基づいて実際に行動を起こし、新たな経験を積むプロセス。

この経験学習サイクルを通じて、組織全体が成長し、個々の社員も自己成長を遂げます。具体的には以下のような効果が期待されます。
①事業成長に結びつく成果創出
②ミドルアップダウンの組織文化形成
③関わるメンバーのリーダーシップ、スキル育成

経験学習の4つのサイクルを繰り返すことで、個人は自己の知識やスキルを深化させることができます。このプロセスは、個人が自らの経験を通じて成長し、問題解決能力や創造性を高めるための重要な手段です。また、企業においても、従業員がこのプロセスを実践することで、組織全体の能力が向上し、持続的な成長を実現することができます。

ワークアウトの目的は事業成長、組織成長、人材成長の3つの重なりを実現することなのです。企業が「らしさ」を重視し、質のよい経験学習サイクルを回すことで、持続的な成功を築けるようになります。

ワークアウトを通じて指示待ちの文化を打破し、社員の主体性を育む取り組みは、組織にとって重要な成果をもたらすことが期待されます。この手法が広まり、社員一人ひとりが自ら考え、行動する意識を持つことで、会社全体のパフォーマンス向上や持続的な成長が実現されるでしょう。

ビジネスワークアウトプログラムは、企業の「らしさ」を重視した組織づくりと人材育成を推進します。質の良い経験学習サイクルを通じて、組織と個人の成長を促進し、主体的なカルチャーを形成します。このプログラムを導入することで、企業は競争力を高め、社員の自律性と定着率を向上させることができるでしょう。


この記事を書いた人
徳本

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数
iU 情報経営イノベーション専門職大学 特任教授 

■著書
「最強Appleフレームワーク」(時事通信)
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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