メモで自分を動かす全技術(高田晃)の書評

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メモで自分を動かす全技術
高田晃
明日香出版社

本書の要約

「書く習慣」は、夢の実現に向けた明確なガイドラインを提供してくれます。私たちの考えや願望を具体的な形にし、それを実現するための行動を継続的に促進し、途中での挫折を防ぐ強力なツールとなります。自分を変えたければ、インプットとアウトプットを習慣化しましょう。

メモを活用することで思考力が高まる理由

意図的にメモをとる行為や、それを習慣にすることは、自分自身を驚くほど変えてしまう威力を持っています。(高田晃)

この書評ブログを書き始めてから14年が経過しました。日々、ビジネス書を読みながら、メモをとり、それをブログに書くことを習慣化することで、私は自分の人生を変えることができたので、著者高田晃氏のメッセージにはとても共感を覚えます。

今後の変動の激しい時代をしっかりと乗り越えるためには、深い思考力が欠かせません。AIの進化に伴い、新しい問題の発見やその解決へのアプローチがますます価値を持つようになります。 現代人は、既存の知識を最新の情報と照らし合わせ、現状と未来を深く考察することで、これまでにない新しい価値を生み出す能力を身につけることが求められています。

この思考力を鍛えるには、日常的に自分の考えを文章にまとめる習慣を持つことが非常に効果的です。これにより、自分の考えを整理し、更なる洞察を得ることができます。

AIの進化は止まりませんが、私たち人間が持つ独自の思考や感性はAIには再現できないものです。その独自性を最大限に活かし、AIとの共生の中で新たな価値を生み出すために、日々の思考力を磨き続けることが必要となります。

そのために、書く習慣を身につけるべきだと著者は指摘します。

「書く習慣」とは、次の2つです。 ① 日常のなかで気づいたことをメモする習慣 ② ノートや手帳に書きながら思考する習慣

「書く習慣」とは、日常生活の中で意識的に取り組む2つの行動を指します。第1に、日常の中で感じたことや気付きをすぐにメモする習慣。これにより、日々の経験や学びを形に残すことができます。第2に、ノートや手帳を使用して、考えを組み立てる、整理する習慣です。こちらは、書きながら深く考えることで、より具体的かつ明確な思考が生まれやすくなります。

アイデアの発想の原動力となるのは、異なる要素や情報の組み合わせです。新しいアイデアやインスピレーションを引き出すためには、様々な要素を組み合わせるプロセスが必要とされます。しかし、単純に情報を混ぜるだけでは、よいアイデアは生まれません。ここで大切なのは、質の高いインプットとアウトプットのバランスです。

例えば、読書や新聞を通じて得られる情報を日常的にメモることで、より知識を吸収できるようになります。この蓄積された情報が、脳内で結びつき、新しい組み合わせやアイデアが生まれる土壌となります。そして、具体的な課題や目的を持ち、それまでのメモや知識を再検討することで、アウトプットのプロセスが進行します。

私自身のアイデアの取り組み方として、Googleスライドを活用法を紹介します。初めに企画の全体構造を大まかに作成し、次に、それを深掘りするためのキーワードや参考情報を集約します。更に、この書評ブログ内でキーワード検索し、対象となる著者や関連資料との対話を重ねるうちに、アイデアの深化や磨き上げが行われます。

Googleスライドを用いる利点は、情報の視覚化です。要素の組み合わせやアイデアのつながりが一目で確認できるため、思考の整理や拡張が効率的に進められます。このような方法を採用することで、短期間で質の高い企画書やアイデアの構築が可能となるのです

書くことで夢を実現する方法とは?

ビジョンを持つことは、未来を描き、目標に向かって進むための第一歩です。しかし、ただビジョンを持つだけでは不十分で、それを具体的に実現するアクションが求められます。理想と現実の間のギャップを意識し、そのギャップを埋めるための行動計画を立てることがキーとなります。

メモの力は、このプロセスにおいて非常に大きなものです。日常生活や仕事を通じて得られるさまざまなインプットは、我々の考えや感じることのベースとなります。そして、これらのインプットをアウトプットとして形にする際、メモは最も効果的なツールの一つとして機能します。

なぜなら、メモをすることで、一時的なヒラメキや考えを永続的な形で残すことができるからです。 加えて、メモは時間を超えて私たちの思考やアイディアを再評価するための資料としても活用できます。異なる時期に取ったメモを比較・組み合わせることで、新しい視点や深い洞察を得ることが可能となります。 さらに、具体的な行動に移す際、メモは行動のガイドラインとして役立ちます。

メモを基にタスクリストを作成したり、戦略を練ることで、ビジョンの実現に向けた明確なステップを描き出すことができます。 最終的に、日常のメモの習慣は、ビジョンを具体的な成果へと変換するプロセスをサポートします。それは単なる記録ではなく、未来を形作るための強力な武器となるのです。そのため、日常生活の中でのメモの習慣は、私たちの創造力を高め、目標達成の道のりをスムーズに進める大きな助けとなるでしょう。

私たちが持つ夢や希望は、時として大きすぎて実現不可能に思えたり、具体的な形に捉えられずにぼんやりとしたものとして存在します。しかしながら、「書く習慣」を形成することにより、そのような曖昧な夢も徐々に具体的な形と方向性を持ち始めます。私自身、自らの理想や願望を紙に綴ることで、数々の目標を達成してきました。私がサラリーマンをやめ、社外役員、著者、大学教授になれたのも夢を書き出すメソッドのおかげです。

① 夢や願望の明確化
書くことは、頭の中でぼんやりとしたイメージを具体的な言葉に変換するプロセスです。このプロセスを通じて、私たちは自らの夢や願望を明確に理解し、それを目に見える形にすることができます。書き出すことで、自分の内面の声に耳を傾け、本当にやりたいことや目標を確認するチャンスを得るのです。

② 行動力の向上
夢を現実化するには、夢に到達するための段階的なアクションを定義し、実際に行動に移すことが欠かせません。書く習慣を身につけることで、その夢を手の届くものにするためのアクションプランを明確にすることができます。このアクションプランは、大きな夢を実現可能なタスクへと具体化する魔法のようなツールとなり、実現への道のりでの確かな指針となるのです。

③ 持続的な行動と改善
夢を追い求める過程は、簡単ではありません。障害や困難が立ちはだかることも多いです。しかし、「書く習慣」を持つことで、取った行動やその結果を継続的に記録し、PDCAサイクルを回すことができます。計画した内容に対して何度も見直しや修正を行うことで、夢の実現に向けてより効果的な行動をとることが可能となります。

「書く習慣」は、夢の実現に向けた明確なガイドラインを提供してくれます。私たちの考えや願望を具体的な形にし、それを実現するための行動を継続的に促進し、途中での挫折を防ぐ強力なツールとなるのです。

 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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