3週間続ければ一生が変わる 2 最高の自分をつくる101の英知 (ロビン・シャーマ)の書評

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3週間続ければ一生が変わる 2 最高の自分をつくる101の英知
ロビン・シャーマ
扶桑社

3週間続ければ一生が変わる 2 (ロビン・シャーマ)の要約

ロビン・シャーマの『天才の公式』は「集中+日々の向上+時間=天才」という誰でも実践可能な成功法則を提唱します。また、怒りや不安といった感情も、成長のきっかけとして活用できます。自分の得意分野に集中し、小さな努力を継続すれば、数年後には周囲から「スペシャリスト」と呼ばれる存在になれるのです。

ロビン・シャーマの『天才の公式』とは?

日々の向上と優秀さへの熱い思いにたえまなく身をささげれば、三年から五年で、あなたは人が天才と呼んでくれるレベルの能力(と洞察力)を身につけているでしょう。(ロビン・シャーマ)

私はかつてアルコールに依存していましたが、2007年に断酒をスタートしました。しばらくの間は、お酒との距離のとり方に悩み、苦しんでいました。そんな時期に、大きな気づきと変化を与えてくれたのが、リーダーシップや自己実現の世界的権威であるロビン・シャーマでした。(ロビン・シャーマの関連記事

最近、彼の書籍を再読し、改めて思いました。 読書とは、一度読んで終わるものではありません。その時々の自分の心の状態によって、同じ本がまったく異なる意味を持つのです。

今日はその2冊目の3週間続ければ一生が変わる 2 最高の自分をつくる101の英知を読み終えたところですが、やはり彼の言葉には、人間の本質を突く深い洞察が込められており、自分自身と向き合う良き鏡となっています。

著者の『天才の公式』──集中+日々の向上+時間=天才。 この公式は特別な人だけのものではありません。私たち誰もが実践可能であり、日々の努力を積み重ねていけば、3年から5年後には周囲が「天才」と呼ぶほどの実力を身につけることができます。

著者は、マイケル・ジョーダンを具体例に取り上げます。彼がバスケットボール界で偉大な業績を残した理由は、単なる才能のみによるものではありません。この公式を徹底的に実践し、自らの能力を磨き続けたからです。彼はバスケットボールという一つのスポーツに集中し、日々の細かな向上を積み重ね、時間という資産を味方につけました。

実際に、彼は一時期野球にも挑戦しましたが、バスケットボールで成し遂げたほどの成功は得られませんでした。集中と日々の向上を欠けば、他の分野では最高の成果をあげることが難しいということを示しています。

トマス・エディソンもその典型例です。彼は子ども時代、教師から「物覚えが悪い」と評価されていました。しかし、その彼が後に蓄音機や白熱電球を発明し、生涯で1,093件もの特許を取得しました。彼が偉大な発明家となったのは、自分が得意な分野である発明に集中し、毎日の小さな改善を怠らなかったからです。

重要なのは、あなた自身の得意分野、つまりあなたの「天才」を見つけることです。他人があなたを評価し、称賛することや、あなたが自然と行えることに意識を向けてみましょう。その分野を徹底的に追求し、磨き上げることが大切です。

私自身、SNSを始めたときは元酔っ払いの凡人でした。特別な取り柄もなく、平凡な広告会社の社員でした。しかし、XやFacebookで日々の投稿を継続し、それがきっかけで著者になることができました。さらに、2010年からこの書評ブログを始めて以来、一日も休まず継続しています。

自分は天才だったわけではありませんが、「継続する力」だけは信じていました。そして、この継続が確かな成果をもたらしてくれました。継続は人生を変える力です。毎日の小さな積み重ねがやがて大きな変化を生み出します。 自分に特別な才能がないと悲観する必要はありません。誰でも天才の公式を実践すれば、大きな成果を得ることが可能なのです。あなたが今日始めれば、3年後には誰かがあなたのことを語り始めるでしょう。

実際、ブロガーになることで、何人かの経営者が私の話をしてくれ、仕事のオファーがくるようになりました。 最初は小さな一歩かもしれませんが、その一歩を踏み出す勇気が必要です。あなたが「できる」と信じることは、あなたの行動を変えます。

行動が変われば、現実が変わります。一方、「不可能だ」と考えてしまえば、あなたは必要な行動を取らず、現実も変わりません。 『集中+日々の向上+時間=天才』という公式を信じ、自分を信じて今日から行動を起こすのです。

人生のサイズは、あなたの思考のサイズと一致します。だからこそ、できるだけ大きく、具体的に目標を描き、その実現に向けて今日から行動を始めるのです。日々の努力と向上があなたを理想の自分へと導いてくれるという著者の言葉を信じましょう。

怒りや不安は自分を良くするきっかけ!

ひどく腹の立つことは、じつは大きな機会なのです。あなたを怒らせる人たちは、あなたにとって最高の教師です。あなたを怒らせる問題は、最高の贈り物なのです。感謝しましょう。

人間は日常的に多様な感情を経験します。その中でも「怒り」「苛立ち」「不安」などのいわゆるネガティブな感情は、一般的に望ましくないものとして扱われがちです。

しかし、ロビン・シャーマはこれらの感情が、内面的な成長と変容を促す重要な契機であると指摘しています。 怒りや不安の背景には、しばしば無自覚な思い込みや過去の経験に基づく防衛反応が存在します。感情は単なる一時的な反応ではなく、個人の信念体系や価値観が刺激された結果として生じるものです。したがって、ある出来事に対して強い反応を示す場合、その反応の原因を内省することは、自己理解を深めるための有効な手段となります。

他者の言動に過剰に反応する場面においては、外部要因ではなく、自分の内面――すなわち自分自身の心理的反応パターン――に目を向けることが求められます。これは感情のコントロールのみならず、対人関係の質を高めるうえでも有効です。相手を非難するのではなく、自らの感情を観察し、言語化することで、再発防止や自己調整能力の向上につながります。

変化や成長は、順調な時期よりも、むしろ困難な局面や不快な状況において促進されます。苦痛や葛藤は、既存の枠組みを再構築する必要性を私たちに突きつけます。その意味で、ネガティブな感情は決して排除すべきものではなく、むしろ「注意すべきシグナル」として扱うべきでしょう。

私自身、そうした内面の変化を実感した経験があります。18年前、長年続けていた飲酒習慣を断つ決断をしました。それは決して軽い決断ではなく、ライフスタイルの大幅な見直しを迫られるものでした。飲みの席を通じて築かれていた人間関係は自然と薄れ、最初の数ヶ月は正直なところ、とても孤独でした。 週末の夜、ふと手持ち無沙汰になることもありました。

これまでの自分なら当然のように飲みに出ていた時間を、ひとり静かに過ごすようになったのです。その空白をどう埋めようかと考えた結果、私は読書に時間を使うようになりました。最初は気を紛らわせるためだったものが、いつしか習慣になり、楽しみに変わっていきました。

特に印象的だったのは、ビジネス書や哲学書、そして自己啓発書との出会いです。読書を通じて得たのは、単なる知識以上のもの――著者との対話から生まれる「思考の深まり」でした。読み進める中で自分の感情や過去の出来事が呼び起こされ、気づかされることが多々ありました。

「なぜこれに惹かれるのか」「なぜこの言葉に反発を感じるのか」と自問しながら読み進めるうちに、以前の自分がいかに思い込みに縛られていたかに気づかされました。 このようにして、飲酒をやめたことによって生まれた孤独な時間は、結果的に自分を見つめ直すきっかけとなりました。人との付き合い方、時間の使い方、価値観そのものを再定義するプロセスだったとも言えます。

もちろん、当初は不安定な感情に悩まされることもありました。しかし、その一つひとつの感情に丁寧に向き合うことで、徐々に「感情を通じて自己を整える」という感覚が育っていったのです。著者たちのメッセージを実践するうちに、悪い習慣を良い習慣に置き換えることができたのです。

怒りや不安を感じるとき、それは決して悪いことではありません。むしろ、そうした感情の発生を「サイン」として捉え、そこに込められたメッセージを読み解こうとする姿勢こそが重要です。感情を否定せず、冷静に観察すること。その積み重ねが、確かな自己変容を促してくれます。

現実を変えるために必要なのは、まず思考の変化です。そしてその起点となるのが、感情への向き合い方です。ネガティブな感情を「敵」として扱うのではなく、「可能性の兆候」と捉えることで、私たちはより自由で柔軟な人生の舵を取ることができるのです。

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