簡素な生き方 (シャルル・ヴァグネル)の書評

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簡素な生き方
シャルル・ヴァグネル
講談社

簡素な生き方 (シャルル・ヴァグネル)の要約

シャルル・ヴァグネルは簡素とは、私たちが決意し、目的として努力すれば実現できるものだと言います。 簡素な生活に憧れることは、「人間として、最も高貴な理想を達成したい」という願望の表れでもあります。目標を持つことにより、私たちは本当に取り組むべき事柄に焦点を合わせることができるのです。

簡素な精神とは何か?

簡素さは、経済的・社会的状況に左右されるわけではありません。簡素とは、多種多様な生き方を活気づけ、変えていくことのできる精神です。簡素とはまた、しおたれた後悔の気持ちで追いかけるものではありません。簡素とは、私たちが決意し、目的として努力すれば実現できるものなのです。簡素な生き方にあこがれるとは、「人として、最高に気高い理想を実現したい」というあこがれでもあります。(シャルル・ヴァグネル)

アルザス出身のフランスの牧師、教育者のシャルル・ヴァグネルは本書で、簡素な生き方を提案しています。彼の言う簡素な生き方とは、ただ単に生活を質素にすることではなく、心のあり方をシンプルにすることを指しています。ヴァグネルによると自分の望みや行動を自分の心の掟と一致させることが簡素な生き方だとされています。

簡素とは、私たちの行動の動機となる意志のなかに存在します。簡素とは心の状態なのです。自分があるべき姿になろうとしているとき、つまり、まぎれもなく人間でありたいと考えているとき、その人は簡素だと言えます。 簡素になることは、想像するほど簡単ではありませんが、決して不可能なことではないのです。

私たちが目的とすべきは「人間の内面の簡素さ」であり、簡素になるためには自分の望みや行動を自分の心のルールと一致させることが必要です。 簡素になるためには、まず自分自身の内面を見つめ直すことが大切です。自分が本当に何を求めているのか、何が本当に大切なのかを考えることです。

多くの人はたいして意味のない雑事にばかり心を砕き、心から大切だと思えることはいつも後回しにしています。しかし、本当に大切なことは自分の内面にあることを忘れないようにしましょう。 簡素になるためには、自分の望みや行動を自分の心の掟と一致させることが必要です。

自分が本当に望んでいることや本当に大切なことを明確にし、それに基づいて行動することです。自分の心の声に従い、自分が本当に人間でありたいと思う姿に近づくことが簡素になるための道です。

簡素な精神とは、受け継がれる財産から生まれるのではなく、勤勉さの積み重ねの結果です。良く生きることとは、良く考え、生き方を簡素にすること。そのことにつきます。

彼の哲学においては、日々の選択や決断、そして生活のさまざまな側面において、簡素さを心がけることが強調されます。それは、外部の物質的なものに頼るのではなく、自己の内面の充実と自己実現に重きを置くことを意味しています。このような生き方は、個人の勤勉さや自己研鑽を通じて得られるものであり、そこには深い思索と自己反省が伴います。


目的が自分をアップデートしてくれる理由

「自分には目的があり、その目的は真の人間になることだ」と自覚したとたんに、頭のなかで考えを整理するようになります。そして、自分をより善き者、より強い者にしてくれない考え方や判断の仕方は不健全であると見なして、拒絶するようになります。

ヴァグネルは、自分の人生において真の目的を見出し、それに向かって行動することを決意しました。彼は自己啓発や成長を重視し、自分自身をより善き者にするための考え方や判断の仕方を見つけることに努めました。

目標を持つことは、私たちが本当に取り組むべき事柄に焦点を合わせることができる重要な要素です。 目標を持つことにより、私たちは自分自身の成長や進歩を促すことができます。

目標を達成するためには、計画を立て、努力を重ねる必要があります。しかし、目標を達成する過程で得られる経験や成果は、私たちにとって大きな喜びとなるでしょう。目標を持つことは、私たちの人生に意味と充実感をもたらしてくれるのです。

私は10年以上前にサラリーマンをやめ、社外取締役やアドバイザーとしてベンチャー企業の支援を始めました。経営者のために貢献すると決めてから、今まで以上に自己成長を目指すようになりました。

現代は変化の激しい時代であり、経営者に的確なアドバイスをするためには、自分自身を常にアップデートする必要があることに気づいたのです。そのために私はこのブログを書き続けています。 朝の読書とブログを書くことをルーティンを取り入れることで、自分自身の成長を促すことができました。

朝の読書時間はインプットの時間であり、新しい知識や情報を吸収することができます。それに加えて、ブログを書くことはアウトプットの時間です。自分の考えや学んだことを文章にまとめることで、より深く理解することができます。

このマインドセットの変化によって、私はポジティブに行動できるようになりました。このインプットとアウトプットが他者への貢献につながることを意識するようになったことで、自己成長がより意味を持つものとなりました。 今後も自分自身が成長することで、経営者に的確なアドバイスを提供し、企業の発展に貢献したいと思っています。

簡素な生き方を実践することは、現代社会においても非常に重要です。私たちは無駄な消費や競争に翻弄されることが多く、本当に必要なものを見極めることが難しくなっています。しかし、心を正し、簡素に生きることで、物質的な豊かさだけでなく、心の充実感や幸福感を得ることができるのです。

「簡素な生き方」は、私たちにとっての指針となる素晴らしい本です。私たちは常に自己成長や幸福を追求する中で、簡素さを忘れてしまいがちです。しかし、この本を通じて、改めて心を整え、簡素な生き方を実践することの大切さを再認識することができます。

ヴァグネルの著書は、1世紀前に書かれたものでありながら、その普遍性を今でも感じることができます。彼の教えは、時代や文化を超えて生きる智恵を伝えています。簡素な生き方を実践することで、私たちは心地よい生活を築くことができるのです。


 

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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