私は8年前にアルコール依存症から復活したのですが
自分で解決策を考えながらやめたので、試行錯誤を繰り返しました。
本当にやめられたと確信できたのは、断酒後、半年ぐらい経ってからでした。
運動によっても、アルコール依存症を断ち切れるという話を
脳を鍛えるには運動しかない!(ジョン J. レイティ、エリック ヘイガーマン著)で読みました。
アルコール依存症からの脱出法やストレスとの付き合い方など
本書からは様々なことが学べます。
脳と運動とストレスの関係を知ることで、未来を明るくできるのです。
本書ではキッチンドリンカーになったスーザンの話の出てきます。
彼女はリフォームのストレスから、お酒を飲み始め
やがてはアルコール依存症に陥ります。
著者との会話で「運動が効果がある。」という話を信じたスーザンは
縄跳び(運動)をすることで、ストレスを抑え、アルコール依存症から脱けだします。
運動はストレスにも効果があったのです。
一体、私たちが普段感じているストレスとは何なのでしょうか?
突き詰めれば、ストレスは体の均衡を脅かすものだ。体はそれを克服するか、それに適応しなければならない。脳で言えば、ニューロンの活動を引き起こすものはなんでもストレスとなる。ニューロンが発火するにはエネルギーが必要で、燃料を燃やす過程でニューロンは磨耗し、傷ついていく。ストレスという感覚は、基本的には脳細胞が受けているこのストレスが、感情に反響したものなのだ。
ストレスはニューロンの活動を引き起こすものなのです。
この定義によれば、私たちは日々の行動から、絶えずストレスを受けているのです。
しかし、それら全てをストレスとは感じていません。
私たちが感情を害すことが、一般的に言われているストレスなのです。
感情はすべて、ニューロンが信号を送りあって生まれるからだ。同じように、フランス語を習うことも、知らない人に会うことも、そして、筋肉を動かす動作の一切も、脳に負担を強いる。すべてある種のストレスと言える。脳にしてみればストレスはすべて同じで、違うのはその程度だけなのだ。
私たちは、運動からも、ストレスを感じます。
しかし、本書によると運動によるストレスは価値があると言います。
運動することによって、ニューロンは強くなり
心身の適応能力を上げていき、結果的にストレスにも対応できるようになるのです。
実は、運動によって引き起こされた脳の活動は、分子サイズの副産物を生み出し、それがニューロンを傷つけるが、通常は修復メカニズムがはたらいてニューロンはむしろ強くなり、今後の問題に対処できるようになるのだ。ニューロンは筋肉と同じように、いったん壊れて、より丈夫に作り直される。ストレスによって鍛えられ、回復能力を増していくのだ。こうして運動は心身の適応能力を磨き上げていく。
運動によって、傷付いたニューロンが強くなるという話は面白いですね。
ニューロンは筋肉と同じで、一旦壊れて、作り直されるのです。
ストレスが脳のニューロンの成長を促すわけですから
私たちは、もっと積極的に運動すべきなのです。
おそらく、ストレスはそんなに悪いものではないのだろう。これまで見てきたストレスと回復の仕組みから考えると、ストレスは、免疫系にワクチンがもたらす効果と同じような効果を脳に及ぼしているらしい。少々のストレスを与えると、脳細胞は十二分に回復し、将来の要請に備えてガードを固くする。神経科学者はこの現象をストレス免疫と呼ぶ。現代生活のストレスをいかに減らすかを説くさまざまなアドバイスが見失っているのは、人間は困難があればこそ努力し、成長し、学ぶという点だ。細胞レベルでもそれは同じで、ストレスは脳の成長に拍車をかける。ストレスがそれほど過酷なものでなく、ニューロンが回復する時間があれば、その結びつきは強くなり、わたしたちの心の機械はよりスムーズに動くようになる。よいか悪いかの問題ではない。ストレスは必要不可欠なものなのだ。
脳を成長させるためには、ストレスを避けるのではなく
しっかりと受けとめるなどして、上手に付き合うべきなのです。
私たちは、脳に多少のストレスを与えることで
ニューロンを強くし、未来を明るくできるのです。
本書の「ストレスは脳の成長に拍車をかける」という文章を読みながら
「苦労は買ってでもしろ!」という言葉を思い出しました。
脳を成長させるために、積極的に苦労(運動)したいと思います。
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