スランプの時などは、何でもいい、小さなことでいいから、何かを変えてみるといいと思います。早起きをするとか、服装を変えるとか、新しい趣味を始めるとか。生活の中に、そんな小さな変化やメリハリをつけることで心の停滞が防げるところがあります。(羽生善治)
ハイパフォーマー 彼らの法則(相原孝夫著) を読むと
良い循環を作り出し、それをキープすることが、いかに大事かがよくわかります。
羽生善治氏が指摘するように、小さなことでも悪い状態になりそうになったら
すぐに、変化をつけることで、悪い方向へ突き進むことに歯止めをかけられるのです。
よく落ち込みそうになったら、気分転換をしろと言いますが
音楽を聞いたり、カフェに入ったり、仲間に会うなど
自分がその場でできることをして、悪い循環を断ち切りましょう。
私の場合は、嫌なことがあったら、本を読む、歩くことで
気分を落ち込ませないようにしています。
本書では、科学社会学の創始者であるロバート・K・マートンの 「マタイ効果」によって
ハイマーフォーマー(成果が継続する人々)の成功理由を説明しています。
「条件に恵まれた研究者は優れた業績をあげることでさらに条件に恵まれる」というメカニズムを指摘し、新約聖書のマタイ福音書にある文言「おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう」から「マタイ効果」と命名した。勝ち組には明らかな好循環が回っており、負け組には悪循環が回っている。(相原孝夫)
これは、聖書の中に書かれているマタイの言葉から、好循環を説明したものですが
富める者はますます富み、逆に、奪われる者はますます奪われてしまうという事象です。
確かに「利益—優位性の累積」という現象は、成功者には共通しているようです。
おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。(マタイ福音書第13章12節)
そして、ハイパフォーマーの行動には、ある特徴があります。
それは、いつでも楽しく仕事をしようという意志です。
仕事を他者への貢献と考えれば、ワクワクしながら動けるようになります。
この結果、相手から感謝され、行動へのモチベーションが高まります。
行動が多くのことを引き寄せ、好循環が回り始めることで
仕事がますます楽しくなるのです。
多くのハイパフォーマーを見てきて言えることはまず、「楽しく仕事をしよう」としているということだ。楽しんでやることのメリットをよく分かっているのだ。楽しんで仕事をすれば、いいアイデアも出るようになるし、他者に好印象を与えることもできる。行動の幅も出て、柔軟性や洞察力も高まり、ストレスも感じづらくなる。このように好循環が回り始め、ますます楽しく仕事ができるようになるのだ。
楽しく仕事をすることで、周りの空気もハッピーになり
そこには多くの元気な人が集まります。
その人たちが新たな仕事や情報を運んできてくれるので
ますます仕事がうまくいくようになるのです。
これは人だけでなく、店舗や街にも応用できます。
著者の相原氏は飲食店の成功の法則を以下のように定義しています。
あらゆる飲食店に言えることだが、繁盛している店はますます繁盛し、閑古鳥が鳴いている店からはますます客足が遠のく。人は人が集まるところに行きたくなる。行列に並ぶ人は、そこに行列があるから並ぶ。飲食店の浮き沈みなどは、二極化が最も分かりやすい形で表われるものの一つと言える。
スタバは、人が集まる有利な場所に出店をすることで、ブランド認知を高めています。
また、店舗での良質なコミュニケーション(笑顔、体験)によって
スタッフと客が良い空気を生み出し、店舗を明るくして、好循環を演出しているのです。
一時は衰退していた宇都宮駅周辺
は餃子の町として官民が連携し町をブランド化させました。
餃子によって、人を呼び込むことで、都市を再生していったのです。
人が集まる仕掛けを一旦作り出せれば、ファンが生まれ
彼らのエネルギーが好循環を生み出していくのです。
好循環を生み出すためには、まずは貢献し、周囲との関係性を大切にすることが
キーになることを本書の豊富なケーススタディが教えてくれています。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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