依存症を克服するために!デイヴィッド・J・リンデンの快感回路の書評 

人間の脳における快感と連合学習の相互作用は諸刃の剣と言える。経験により快感回路を長期的に変化させる能力のおかげで、人間はさまざまなものを自由に報酬と感じることができ、抽象的観念さえも快いものにできる。突き詰めて言えば、人間の行動や文化の多くはこの現象に依存している。しかし残念なことに、その同じプロセスが、快感を依存症へと変化させてしまうのである。(デイヴィッド・J・リンデン)

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最初のうちは楽しかったアルコールやタバコ、ギャンブルなども
度を越すと脳に大きな影響を与えるので、注意が必要です。
快楽を求めすぎるとそれなしでは生きていけなくなり、未来を暗くしてしまいます。
いわゆる依存症と言われている病になり、人はそこから抜け出せなくなるのです。

デイヴィッド・J・リンデン快感回路—なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのかを読むことで
改めて依存症の恐ろしさを実感できました。
かくいう私も10年前まではアルコール依存症に苦しんでいたので
本書に書かれている内容は他人事ではありませんでした。
脳の仕組みと依存症の怖さを再認識したのと同時に
依存症で苦しむ人や家族の皆さんのために、今日はこの記事を書いています。

現実の依存症者の話を聞くと、ほとんどの人は好きな薬をやっても、もうあまり快感を得られないのだという。ひとたび依存症の進行が始まったら、快感は抑えられ、不足感が表面化していく。そのことを示す証拠がたくさんある。不幸なことに、依存症者で感じられなくなっていく感覚は、薬による快感だけではない。快感回路に生じるさまざまな変化は、ほかの経験、たとえばセックス、おいしい食事、運動などから得られる楽しみにも影響していく。コカイン、へロイン、アルコール、ニコチン。どんなものであれ、薬物への依存は断ちがたいものだということはよく知られている。

脳が快感だと思うことを続けていると、依存症になってしまいます。
アルコールやタバコだけでなく、スポーツや買い物も依存症を引き起こします。
スマートフォンやソーシャルメディアに依存するのも、そこに快楽があるからなのです。
一旦、依存症になってしまうと快感を感じられなくなり
不足感を補うために、アルコールや薬物を摂取するようになります。
かつての私もアルコールを飲みたいという願望といつも戦っていました。

依存症は、たとえやめたとしても、過去の記憶と結びつくことで
突然、(しかも簡単に)再発してしまいます。
私は、かつて訪れた場所を訪問した時などに、アルコールを飲みたくなりますが
一度飲んだら元どおりだと思い、飲まないように自分をコントロールしています。

薬物から離れて何カ月も何年も経った後でさえ再発することは珍しくないし、止めようとしている依存症者は、止めるために、そして止め続けるために、何度も努力を繰り返してきているのが普通だ。これもよく知られているように、再発は、過去の薬物使用に関係する感覚的なきっかけ(特定の人、匂い、音楽、部屋など)ばかりでなく、感情的、あるいは身体的なストレスが引き金になることもある。近年の研究から得られた知見のうち最も重要な点は、依存症が進んだ段階で、渇望が生じて再発を繰り返しているような場合、そこに結びついているのは記憶、つまり薬物を摂取した経験の強固で持続的な記憶だということだ。

依存性の薬物は快感回路を乗っ取り、天然の報酬以上に回路を活性化することで、連合のネットワークと結びついた記憶を深く根付かせる。この記憶が後に、薬物に関係する外的なきっかけと心的な状態を引き金として激しく活性化し、感情中枢とのつながりを作る。そればかりではない。困ったことに再発した依存症者は、ある程度の期間薬物を止めていた後でごく少量を摂取すると、最初に感じたよりも相当に激しい快感を覚えるのだ。「感作」と呼ばれる現象である。習慣的に薬物を使用してきた依存症者では、脳が長期的な変化を起こしている。生化学的変化、電気機能的変化、さらにはニューロン構造の変化まで起こる。

依存症にかかるとだんだんと脳が変化してしまいきます。
一度やめたアルコールや薬物を少しでも摂取すると、とたんに症状が再発してしまうのです。
私が禁酒ではなく、完全に断酒したのも、この「感作」に理由があります。
少しでも酒を飲んだら、元のアルコール依存症に戻ってしまうのが怖くて
私はアルコールを完全に断つことにしたのです。

今回、本書の以下の文章を読むことで、私は救われました。

脳の中では因果性は双方向だ。たしかに遺伝子と神経回路はある行動の素因となっているが、脳には可塑性があり、行動経験で神経回路を変化させることができる。依存症者が対話療法に通ったり自分を見つめる瞑想を実践したりして、ストレスを軽くする、あるいは薬物使用と生活上の悪影響を関連づけて考えるとき、これらの活動は生物学的な世界から切り離された理念の世界で生じているわけではない。そのような活動も快感回路に変化を起こし、依存症のときに生じた回路の変化を元に戻したり、別の変化によって元の変化に対抗したりできるのだ。

私たちは依存症をやめると決断さえすれば、脳の過疎性を活用できます。
私も10年前に断酒を決めた時に、生き方を変えることにしました。
インプットやアウトプットを自分のテーマにして
書くことでワクワク感を得るようにしたのです。
この変化を選択したおかげで、私の脳は元に戻ったようです。
もし、依存症を克服したいのなら、著者が指摘するように瞑想が効果があると思います。
瞑想することで、私たちは脳を成長させられます。
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photo credit: torbakhopper STOP, scott richard via photopin (license)

この記事を書いた人
徳本昌大

■複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。

■多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。

■マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

■インバウンド、海外進出のEwilジャパン取締役COO
IoT、システム開発のビズライトテクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー
他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数 

■著書
「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)
「図解 ソーシャルメディア早わかり」(中経出版)
「ソーシャルメディアを使っていきなり成功した人の4つの習慣」(扶桑社)
「ソーシャルメディアを武器にするための10ヵ条」(マイナビ)
など多数。
 
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