これまでリアルとネットは別々に動いていたが、今後はそれを融合させた「オムニチャネル」への対応が絶対条件だ。従来とは違うステージに入っていく。(鈴木敏文)
経済学者の林周二氏が今から50年前に「大衆の浪費を刺激する10の戦略」を
発表していますが、一部は今の時代のマーケティングにも使えそうです。
セット販売やセカンドとして持たせるなどは、現代の企業もその戦略を活用しています。
「大衆の浪費を刺激する10の戦略」
1.捨てさせる(100円ライターや1000円時計など)
2.無駄使いさせる(大きめの角砂糖やちょっと押しただけでスーッと出て、もとに戻らないエアゾール式容器など)
3.贈り物にさせる(ヴァレンタインデーセールや父の日セールなど)
4.蓄えさせる(洋酒ビンや全集本など)
5.抱き合わせ商品にする(カメラの速写ケースなど)
6.きっかけを与える(読書週間や虫歯予防デーなど)
7.単能化させる(専用ビタミン剤や、七色ウィークパンティなど)
8.セカンドとして持たせる(セカンドハウスやセカンドカーなど)
9.予備を持たせる(タイヤ、電球などのスペア性のものやフィルムなどストック性のもの)
10.旧式にさせる(まだ使えても旧式だと思わせる) (林周二)
これに足りないのは、習慣にさせたり、自慢させることかもしれません。
如何に人に買わせるか?を考えるアイデア作りのための
フレームとしては使えますね!
アメリカの社会学者V・パッカードがまとめた「浪費をつくり出す戦略」を参考にした
電通の「広告戦略十訓」も林氏の戦略に近いので、以下紹介しておきます。
1.もっと使わせろ
2.捨てさせろ
3.無駄使いさせろ
4.季節を忘れさせろ
5.贈り物をさせろ
6.組み合わせで買わせろ
7.きっかけを投じろ
8.流行遅れにさせろ
9.気安く買わせろ
10.混乱をつくり出せ
今時の消費者は賢くなり、なかなか財布の紐を開きません。
シェアすることがトレンドになるなど、購入へのハードルが高くなっていますが
このフレームを使うことで、面白いアイデアを作れるはずです。
購入へのキッカケやプロダクトの合理的価値を提案するために
マーケティング担当者は、新たなアイデアを生み出さなければなりません。
セブンイレブンなどは季節を忘れさせる戦略でアイスやおでんを常時置いたり
100円コーヒーやドーナツを気安く買わせるための売り場づくりをしています。
最近ではリアルとネットの融合を猛烈にセブンイレブンは進めています。
ネットとリアルで絶えず、購入のキッカケを与え
それらの組み合わせでモノやサービスを買わせる仕掛けを作っているのです。
ナナコもセブン銀行なども、集客のための最強の囲い込みツールになっています。
こうやって考えるとセブンイレブンの店舗は
広告戦略十訓を組み合わせて、作られているようにも見えます。
(当然、ユーザーの満足を高めるために、絶えず売り場を変えて、バリューを提供しています。)
Appleやメルセデスなどは、機能アップとデザイン変更でバリューを高め
旧製品を流行遅れにさせる戦略をとることで、成長を続けています。
このように古いフレームワークでも、組み合わせることで
新たなアイデアを作れることがわかります。
広告戦略十訓を組み合わせ、マーケティング戦略を考えることで
新しいアイデアを生み出すことができるのです。
スティーブ・ジョブズのiPhoneようの革新的なアイデアも
電話とミュージックプレーヤーを組み合わせることで、生まれてきているのですがら
私たちも古いフレームをヒントにして、新しいアイデアを生み出せるはずなのです。
詳細は昨日のアイデアのつくり方(ジェームス・ウェブ・ヤング著)の
書評ブログを参考にしてください。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!
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